2009年4月15日水曜日

数と計算

毎月一度、新算数教育研究の発行する新しい算数研究の目次の英訳を頼まれています。
渡辺さん、吉田さんのお力を借りて、なるべく記事の内容が想像できるような訳を目指していますが、いつも頭を悩ませられます。
日本の算数教育の内容を英訳するときに気になることの一つに、学習指導要領の中にある「数と計算」という領域の名称があります。
この「数と計算」という領域名を、英訳すると「Numbers and Calculations」 となります。しかし、学習指導要領の領域で目指しているのは、単に数とその計算方法を身につけるだけではなく、四則演算の性質や計算結果の見積もりなどを用いて計算方法を考えるなど、もっと数学的に深い内容です。もし、この内容を表現するならば、むしろ「Numbers and Operations」とすべきだと思います。そして、学習指導要領の領域名も「数と計算」よりも「数と演算」としたほうが、その趣旨にそっているのではないかと思います。
電卓を持たずとも、携帯電話やコンピュータ等を使えばすぐに四則の計算結果が得られる時代では、計算方法そのものよりも、その仕組みや演算の性質の方に学習の重点がおかれるようになっています。このような時代の変化も考えれば、「数と計算」という領域名は、その指導内容を適切に表すとはいえなくなっているのではないでしょうか。
新しい算数研究の目次を英訳しながら、改めてこのようなことを考えています。

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