2009年2月28日土曜日

AP*MSEC束の間の全員集合

先週は、私がカタールへ出かけており、今週はトムが休暇を取っていました。
そして、この日曜日から、私が再び一週間カリフォルニアにでかけます。
そんな訳で、今日は、ここ3週間で唯一、4人全員が顔を合わせました。残念ながら2人の院生は顔を出せませんでしたが、短い時間いろいろと打ち合わせをし、来週以降に備えました。
明日、土曜日は第二回目のAP*MSECコロキウムです。今回は、2009年のTIMSS国際調査の科学の成績についてスティーブが中心になって運営します。
今回から、AP*MSECの会議室に、スマートボードが入ったので、スティーブはこれを活用してインタラクティブなプレゼンテーションをする計画だそうです。

2009年2月27日金曜日

指導案

来週、火曜日から金曜日まで、4日間連続で授業研究を行います。
カリフォルニア州オークランドにあるミルズ・カレッジに附属する実験校で、分数の導入をテーマに授業をします。この4日連続の研究授業は、アメリカで小学校算数教育の重要課題となっている分数の指導法について実証的に研究するもので、東京書籍の教科書の英訳を基に、量と測定の場面を中心として、単位分数の考えを強調して行おうという試みです。
アメリカでは、一般に分数を導入するときに、部分分数の考えを中心にピザを主としたモデルで指導していきます。
1月16日付のFour or Fiveで触れたように、アメリカでは日常生活の場面で分数を見かけることがしばしばあり、それは多くの場合量と測定に関連する場面で使われています。このような視点で見ると、日本の教科書の展開は、日本よりもむしろアメリカ社会に適しているとも言えそうです。
このような考えに基づいて、4日分の指導案を書きました。まだ、下書きの段階ですが、授業まであと5日、なんとか主張のしっかりとした指導案にしていこうと思っています。

2009年2月26日木曜日

French Pastry School


6月下旬に予定されているAPEC人材開発ワーキンググループの会議の準備で、今日は、シカゴのダウンタウンにある、フランス洋菓子学校に行きました。
この学校は、シカゴ市の運営するシティー・カレッジのひとつで、フランス洋菓子職人を養成する学校です。この学校には、世界中から洋菓子作りを学びに人が集まり、修了すると、フランス洋菓子職人としてアメリカじゅうはもちろん世界各国に散らばっていくと言うことです。
職業訓練機関の一つとして、APECに集まる各国からの代表に訪れていただくよう、今日は下見と打ち合わせを兼ねて行ってきました。
各コースの定員は18人と少人数で、施設設備も最新のものが整っているということでした。一般的な専門家養成のコースは6ヶ月間だそうです。入学者の平均年齢は35才、弁護士や証券マンなどからのキャリアチェンジが結構居ると言うことでした。18才から65才の人まで、幅広い年齢の人が、洋菓子作りのプロを目指してくるそうです。
この他にも、世界各国から著名な料理人を招いて行うプロのための研修会、素人で洋菓子作りに興味を持っている人のための3日間の体験コースなどもあるそうでした。
時間があるときに、3日間くらいでフランスパン作りなどを勉強に来るもの面白いかもしれないと思いました。

2009年2月25日水曜日

APEC HRD Meeting

APECの会議をDePaul大学で開催する件について、今日、昼に連邦教育省の担当者と電話で打ち合わせをしました。
電話には、AP*MSECだけでなく、教育学部、そして大学からも担当者が参加し、これまでの経過および今後の作業を確認しました。これに先立って、朝の9時から2時間、学部長と詳細について打ち合わせました。
この段階で特に懸案になっているのが、レセプションや文化的活動のスポンサー探しです。APECの会議を大学が正式にサポートすることになったのはいいのですが、その分手続きが煩雑になり、動きが鈍くなってしまいました。
会議室やホテルの手配、その他の準備は全て順調に整っているのですが、話し合いのあちこちで話が通じない部分があり、二度手間三度手間の交渉が続いています。

2009年2月24日火曜日

ホームページのアップデート

シカゴ授業研究グループのホームページをアップデートしました。
5月の授業研究会の詳細を加え、参加申込用紙をアップロードし、なんとか体裁を整えました。
本当は、私がカタールに出かけている間に、スタッフが済ませているはずの仕事だったのですが、そこはアメリカ人のこと、「頑張ったけれど出来なかった」で事は済まされてしまいます。
結局最後は自分でしなければ成らないということは覚悟していたのですが・・・

お時間のあるときに、見てください。
http://www.lessonstudygroup.net/

2009年2月23日月曜日

学部長選考面接

土曜日と日曜日の2日間、オヘア国際空港近くのホテルを借りて、学部長候補の面接をしました。
前回の書類選考並びに、電話による推薦者インタビューの結果を経て、7人にまで絞られた候補者は、土曜日曜日にそれぞれ1時間ずつ、合計10人の選考委員を相手に面接をしました。土曜日に4人、日曜日に4人、その結果をもとに、日曜日の夕方、選考委員会は、4人の最終候補を選び、ここ2週間のうちに、大学での面接をおこなうことにしました。
各候補は、2日間大学のキャンパスを訪れ、教育学部の教授、スタッフ、生徒、そして学長をはじめとする管理職との面接補経て、最終的に学長が誰を学部長にするか決定します。
選考委員の仕事は、最終候補4人を決定し、それぞれの長所短所をレポートとしてまとめ学長に提出するところまでです。
昨年から続いた会議は、今回で一応ひと区切りです。
さて、だれが学部長になるのでしょうか・・・・・

2009年2月21日土曜日

長旅


木曜日の朝6時に、ホテルを後にして空港に向かいました。
3時間ののち、飛行機に乗り、14時間の飛行の後、ワシントンDCに着きました。その後、5時間の待ち時間、そして、2時間のフライト、最終的にシカゴの我が家に着いたのは、木曜日の深夜を過ぎていました。合計27時間の旅は少々こたえましたが、翌日金曜日は、学科の教授会、なんとか寝ずに持ちこたえましたが、結構厳しいスケジュールでした。
それでも、さすがにカタール・エアラインのサービスはアメリカの航空会社とは格段の違い、ながいエコノミークラスのフライトも、なんとかなったのは、サービスのせいでしょうか。

2009年2月20日金曜日

豊かさとは


カタールは、石油と天然ガスという天然資源に恵まれた国です。
国民は、豊かな生活を保障され、雑多な仕事はすべて海外からの労働者が片付けてくれます。しかし、先に発表されたTIMSSの結果でも分かるように、数学の成績などは最下位から2番目です。
今回は、実際に学校に行く機会はありませんでしたが、最新のテクノロジーをはじめ、ありとあらゆる設備が整った教室、アメリカ、イギリス、オーストラリアのコンサルタント会社に委託してつくったカリキュラム、潤沢な予算を使って行われる教員研修、などなど世界の国々から見ればあこがれの環境が整っているにもかかわらず、子供たちの学力は目を覆いたくなるような結果です。
豊かさとは何か、新たな視点から考えさせられる一週間でした。

2009年2月19日木曜日

ドーハ旧市街


最終日が終わった後、せっかく砂漠の国に来たのだから・・・と、街から外れて砂漠を見に行きました。
案の定、砂漠は砂ばかりでした。結構風が強かったのですが、ちょっとだけラクダにも乗ってみました。
市内に戻ってくると、日が暮れ始め、旧市街は平日とはいえ、買い物や散策の人で賑わっていました。ドーハの街を歩いて感じるのは、歩いているのは圧倒的に男性ばかりだと言うことです。
女性は、人前に出ないというアラブの習慣が根強いのでしょうか・・・
初めての中東、一週間はあっという間に過ぎました。

最終日


昨日提出していただいた指導案下書きをもとに、各チームに指導案を完成してもらいました。
その後、チームごとに、どのような授業を計画したか15分程度ずつ発表してもらいました。初めて授業研究を知り、初めて問題解決型の授業を計画する、といった難題にもかかわらずそれぞれなかなか工夫された指導案ができあがりました。
このあと、各学校に戻って、研究授業を行います。本当は、全部の授業を見て、協議会をリードしてあげられれば理想的なのですが・・・
そのためには、半年くらい、この砂漠の国に滞在しないとならないでしょう。

2009年2月18日水曜日

第4日目

今日は、先生方に指導案の下書きを書き上げて提出していただきました。
そこで、感じたのが言葉の壁でした。
ワークショップの初日に、先生方が、数学指導の課題として”言葉の問題”をあげていました。
そのときは、子供たちの第一言語がアラビア語で、数学はすべて英語で学ぶという公立学校のカリキュラムからの課題で、子供たちが英語を学びながら数学の内容を理解することに問題の根源があると考えていました。
しかし、今日、先生方が英語で書いた指導案を見て、改めて、先生方にとっても英語が第二言語であることを痛感しました。
つまり、子供たちも第二言語で数学を学ぶと同時に、先生方も第二言語で数学を教えているという、二重の言葉の壁があることが、数学指導の大きな課題となっているとだったのです。
シンガポールも、多くの子供たちにとって第二言語である英語で数学が教えられていますが、彼らの場合には、先生方の多くがほぼ完璧なバイリンガルなので、問題は、カタールほど深刻でないような印象を受けました。
日本で、英語によるイマージョン教育が試みられていますが、その場合には、ちょうどカタールが直面しているような問題が生じるであろう事が予想されます。
いよいよ明日は、最終日、なんとか、指導案が完成できるよう、日程の修正をします。

2009年2月17日火曜日

市内散策



初日、私が最初に計画したとおり、午後4時までワークショップを行ったところ、参加者から「もっと早い時間に終わらないのか」という要望が何件も届いたと知りました。良く聞いてみると、学校も公共機関も、普通は、午後2時から2時半には終わるのだそうです。そのかわり学校は朝7時から始まるのが普通だと言うことでした。というのも、夏場は気温が上がり、午後は到底仕事にならないからだということでした。
そこで、今日から、当初の予定より、開始を30分繰り上げて7時30分にし、午後の終了時間を2時半にすることにしました。
おかげで、午後、私たちも少し余裕が出来、ドーハの街を日没まで2時間ほど散策しました。
もっとも、私たちが散策している間は、まだ人影もまばらでしたが、日が暮れる頃にはぼちぼち開店の準備を始める店もありました。
夕方のお祈りが街のあちこちにあるスピーカーから流れると、それおれの商店から出てきた人が足早に街角の礼拝所に向かうのは、イスラムの国ならではの光景かと思いました。
いま、旧商店街の中の店で売っていた手織りのペルシャ絨毯に興味を持っています。店員は、これは絹100%の手織りだから”空を飛べる”とさかんにすすめてくれるのですが・・・

ワークショップ第3日目



いよいよ本格的な指導案作成が始まりました。
各グループごとに、とても熱心に話し合いをしてくれました。私の知る限り、中東で初めての授業研究プロジェクトですので、弧の先生方が作る指導案によって中東で初めての研究授業が行われることになります。
質の高い授業研究を行って欲しいのは勿論ですが、あまりこちらが要求をすると、先生方は自分たちの授業だという意識をもてなくなってしまいます。うまくバランスをとりながら、アドバイスをするように心がけています。

2009年2月16日月曜日

ワークショップ第2日目


各学校から集まった9つのチームは、いよいよ今日から指導案作りにとりかかりました。
朝一番に、昨日それぞれがもちよった数学を教える際に問題になっていること、を土台に、全体の研究テーマを決めました。
"To enhance students’ motivation to develop mathematical thinking through problem solving"
この全体テーマのもと、それぞれのチームは、学年、題材を決めました。参加者は、小学校低学年からGrade 9(中学3年生)までと幅広いので、これから具体的な指導案作成になると、私たちが複数のチームにそれぞれ違ったアドバイスしなければならないので大変になると思います。
今日は、まず、「教材研究」という考え方を説明し、2つの部屋に分かれて、数と計算、図形の求積を題材に教材研究を体験してもらいました。
出身国や宗教によって、真っ黒な服装でも顔全体を出している人から、本当に目だけしか見えないようにしている人までいろいろです。最初は、目だけしか見えない人と話をするのはちょっと抵抗がありましたが、お互いに少しずつ慣れてきたのか、気軽に話が出来るようになりつつあります。

2009年2月15日日曜日

ワークショップ 第1日目


マリオットホテルの宴会場3部屋を借りきって、40人の先生方を対象にワークショップが始まりました。
学校の施設設備はすべて最高のもの、学級の定員は25人、海外から優秀なワークショップリーダーを招いた研修会、そして、何の不自由もなく贅沢な暮らしをする子供たち・・・・
それでも、TIMSSのような国際学力調査の成績はいつも、最下位グループ。
こんな、国の教育を向上させるのは並大抵のことではないことを実感しました。知れば知るほど、満ち足りた子供たちに勉強をさせることの難しさが伝わってきます。
さあ、いよいよ2日目、どうなるでしょうか。

2009年2月14日土曜日

イスラム美術館 (Museum of Islamic Art)




夕方、会場の下見の後、つい昨年末に出来たばかりという美術館に行ってみました。
休日(金曜日)ということで、大勢の家族連れなどで賑わっていました。イスラム美術の特徴でもある幾何学模様がふんだんに取り入れられた美術品は、実に緻密かつ繊細で、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。
イスラム圏でも最も裕福な国の一つだと言うことで、ずいぶん立派な施設でした。建築のデザインも凝っており、イスラム独特の幾何学模様が随所に施されています。また、最新のテクノロジーも取り入れた展示も効果的で、一つ一つの展示品が生えるようなライティングなど工夫がされていました。
いよいよ、明日からワークショップが始まります。

2009年2月12日木曜日

ドーハ到着


ワシントンDCから12時間直行便に乗り、カタールのドーハ国際空港に到着しました。
カタール航空は比較的新しい航空会社な様で、機体も新しく、サービスも行き届いていました。カタールに到着したのは、現地時間夕方の6時過ぎ、あたりはもう暗くなっていました。街全体がもやのようなもので覆われかすんで見えたのでなんかと思うと、ここ数日の激しい風で砂漠の砂が舞い上がっていたためだとわかりました。
到着した12日は、午前中まで激しい砂嵐で視界が遮られ、飛行機の便に大きな乱れがでていたということでした。
ともあれ、無事に到着し、スイス系のホテルの部屋に落ち着きました。部屋の窓から見えるモスクのこちら側には窓がありません。このことは、窓の無い壁がモスクに向いているということ。明日の金曜日は、礼拝の日で、昼過ぎまでは、街はひっそりと静まりかえると言うことです。

オバマ人気?


カタールに行くため、午前中の会議を終えた後、シカゴからワシントンDCに向かいました。
DCの空港のおみやげ屋の店頭に、沢山な並んだオバマ大統領グッズ、隣にはファーストレディーのグッズまでありました。
これまであまり気にしていませんでしたが、ブッシュ大統領の頃には、このような光景は見られなかったのではないかと思います。
現在、大統領は、景気対策で議会ともめていますが、この人気は国民の変革に対する期待の表れではないでしょうか。

2009年2月11日水曜日

春間近

昨夜の激しい雨があがり、朝からからっと晴れたいい天気でした。
予報通り、気温はぐんぐん上がり、午後には摂氏16℃と、記録的な温かさになりました。路肩や裏通りに残っていた雪もすっかり溶け、街には半そでで歩く人も見られました。
でも、まだ2月、油断はできません。
明日から一週間ほど海外にでるので、今日は、一日バタバタと用事を片付けました。
5月の授業研究カンファレンスの最終案内発送の準備、来年度の授業研究プロジェクトの補助金を申請するための計画書の打ち合わせ、6月のAPEC会議の準備打ち合わせ、などなど、それに加えて、3月初旬にカリフォルニアで行う実践研究授業の指導案の原案づくりにとりかかりました。
往き帰りの飛行機の中で、また現地で仕事ができるように、ファイルをネット上のサーバーにアップロードし、ほぼ準備は完了。明日は、午前中、学部長選考委員会の会議に出て、午後からオヘヤ国際空港に向かいます。

2009年2月10日火曜日

イリノイ州立数学科学アカデミー


今日は、朝一番で、シカゴ郊外にある数学科学に優れた子供たちを集めた全寮制の高等学校を見学に行ってきました。
日本で科学教育を教える先生が、探求学習の様子を参観したいと言うことで、この学校にきました。
イリノイ州全土から、優秀な子どもだけを集めた公立学校と言うことで世界中から注目を集めている学校です。生徒数2000人の学校には、約200人の教職員がおり、科学の先生だけでなんと18人も居るそうです。探求学習には、毎週一日、水曜日があてられており、この日は生徒が校内の実験室ばかりか地域の大学や専門の研究機関などに出向いて自分のテーマについて研究するという徹底ぶりです。
それにしても、シカゴ市内の大部分の公立学校とは、生徒はもちろん施設・設備も異なるこの学校を見ると、改めてアメリカという国を考えさせられます。

2009年2月9日月曜日

図形指導のウェブキャスト

金曜日に公開になったカナダ、オンタリオ州教育省のウェブキャストのページですが、今後、いつでもどこからでもアクセス出来るようになったようです。
お時間のあるときに、このページの右側一番上にあるリンクからどうぞ。日本の算数教科書英語訳を使ってカナダの先生方を対象に行った研修の様子と、それをもとに先生方が子どもに教えた様子が見られます。

2009年2月8日日曜日

フロリダからシカゴへ


カンファレンスのあったオーランドは、ディズニーワールドで有名です。
往きの飛行機も家族連れで一杯でした。
せっかく、オーランドに来たのですが、滞在していた間はずっと空港そばのホテルでしたので、フロリダの暖かい冬を満喫することもできませんでした。
土曜日の朝、起きるとホテルの窓から朝靄のかかった風景が見えました。
一足先に、春の訪れを感じることが出来ました。シカゴもこの週末は暖かいようです。

2009年2月7日土曜日

AMTE カンファレンス


昨日から、フロリダで行われているカンファレンスに来ています。
AMTEは、数学教師教育をテーマとする学会で、主に大学で数学教育および教員養成の数学を教える教員および研究者の会です。
アメリカでは、一般に、このような会議を、写真のようにホテルの会議場を使って行っています。
今朝は、8時から授業研究に関するセッションに参加してきました。みな、同じホテルに泊まり、ホテルの会議室で研究発表が行われるので、朝から晩まで、結構びっしりの日程で行われます。

今朝のセッションは、2年前、授業研究研修ツアーでに一緒に日本に行ったメンバーのうちの3人が、その後アメリカに戻って行った実践に基づいた研究を発表したセッションでした。3人がそれぞれ発表した後、渡辺さんと私とがそれぞれの研究発表に対してコメントをする役割でした。
3つの発表は、それぞれ教師の協同、講師・助言者の役割、教員養成課程の授業における研究授業の重要性、をテーマに、丹念に資料を分析してたものでした。日本で、ここまで丹念に調べた研究がどれくらいあるかわかりませんが、このような分析は、授業研究のメカニズムや背景にある理論を解明する上で大変重要な価値があると思いました。
今後、日本でも、経験から知り得たことを、データに基づいて実証的に探求するような研究が為されないと、授業研究の質の向上は難しいのではないかと感じました。

2009年2月5日木曜日

オンタリオからのウェブキャスト

日本時間の土曜日、午前5時半から午前6時まで、以下のサイトからウェブキャスト(インターネットによるビデオ配信)が行われます。
http://www.curriculum.org/secretariat/videofeed.shtml
これは、カナダのオンタリオ州の教育省が、現場の先生を対象とした研修のための放送で、同時に州内の各校に同じ内容のDVDが配布されると言うことです。

内容は、昨年、私がトロントで行った指導主事を対象とした図形指導に関する研修会の様子と、それをもとに、実際に現場の先生方が指導案を立て、研究授業をした様子がまとめられていると言うことです。
実際、私も見ていないので分かりませんが、英訳した日本の算数の教科書にある内容を使って研修会を行ったものです。
日本では、土曜日の早朝になりますが、担当者の話では、その後、ポッドキャストとしていつでも観られるようになるかもしれないと言うことでした。

シカゴ市教育委員会研修会

市の教育委員会は、小学校(幼稚園から8年生)483校、高等学校116校、これにチャータースクールなどを加えると全部で655校からなり、合計40万8601人の児童生徒が通っています。
通っている子どもの人種を見ると、最も多いのはアフリカ系アメリカ人で46.5%、続いてラテン系の39.1%、そして白人の8.0%となります。
この数字を見ても、シカゴの公立学校の抱える問題がいかに深刻かうかがい知れます。
今日は、教育委員会の研修センターに招かれて、高等学校の数学の先生を対象に、授業研究とは何かという話しをしました。中にはあくびをしている先生も居ましたが、みなさんけっこう熱心に聞いてくださいました。
さて、このうち、何人が実際に授業研究をやってみようと思ってくれるでしょうか。
日本と異なり、先生の勤務時間は子どもが学校にいる間だけ、というのが原則なので、なかなか学年会を開いたり、放課後、指導案について話し合ったりする時間が確保できません。やる気のある先生だけが自分の時間を割いて研修をしているという現状では、なかなか全校で授業研究に取り組むというところにはたどり着けません。

2009年2月4日水曜日

オスカー・マイヤー授業研究グループ

過去、3年間サポートしてきたオスカー・マイヤー小学校(幼稚園から8年生までの公立小学校)の授業研究グループが、いよいよ学校全体を巻き込んで授業研究に取り組もうとしています。
今までは、6人から10人程度の先生方で算数・数学に焦点を絞って研究授業をしてきました。
昨年度から今年度にかけて、校長の決断で学校の半分以上の先生が新しく入れ替わったのきっかけに、授業研究を他教科にも広げて、校内研修の中心として行うことになったということです。
そして、来週の金曜日、13日に校内の全職員が参加して初めての研究授業をすることになりました。そのため、今まで、授業研究に取り組んできたグループの先生たちが、はりきって指導案の作成に取り組んでいます。
今日は、4時頃学校に行きましたが、6時近くまで熱心に指導案作りに取り組んでいました。
今回のテーマは、量と測定、3年生を対象とした長さの単位を導入する授業です。単元の展開案を考え、来週の月曜日から単元の一時間目を始めると言っていました。
私は、残念ながら今回の研究授業を見ることはできませんが、AP*MSECからビデオ撮影のスタッフを送って、ビデオに記録してもらおうと思っています。

2009年2月3日火曜日

AP•MSEC スタッフミーティング

今日から2月、今月第一回目のスタッフミーティングでした。
2月は、28日間と短い上に、私が、月の半分以上出かける予定なので、お互いの予定をしっかりと共有のカレンダーに書き込み、効率的に連絡が取れるようにすることを確認しました。
私がアメリカに来た頃よりも格段にインターネット環境がよくなっているので、ファイルやカレンダーの共有、さらにはビデオカンファレンスと、国内外に出かけていても、さまざまなコラボレーションの手段があります。けれども、そんな便利なツールがあってもどうにもならないのは時差です。
アメリカ国内でも、ちょっと出かけるだけで1時間2時間の時差があるのは結構やっかいなものです。
5月のカンファレンスの案内、AP•MSECパンフレットの完成などなど、次から次へとこなさなければならない仕事が山積していますが、お互い連携をうまく取り合って乗りきろうということで、話しが終わりました。

2009年2月2日月曜日

スーパーボウル・サンデー

今朝の気温は氷点下2℃、最高気温は、久しぶりに摂氏でプラスになるそうです。
このまま春になるほどシカゴの冬は甘くないので、この機会を逃さず湖畔のジョギングコースを走ることにしました。このところさぼりがちで、たまにDePaul大学のジムにある屋内トラックを走っていますが、今ひとつ気分がのりませんでした。
ミシガン湖畔に行くと、結構多くの人が、このチャンスを見逃さずに走っていました。体が寒さに慣れているせいか、氷点下2-3℃くらいまでなら、厚着をしなくとも十分走れます。今日は、久しぶりに気持ちいい日曜日です。
でも、この暖かさも束の間、天気予報は、今晩から再び冷え込み、明日、明後日と雪が降るといっています。

今日は、スーパーボウル・サンデーです。
フットボールが人気のアメリカで、一年のうち最も人気のあるゲームです。多くの人は、スポーツバーや友人の家に集まり、ビールを飲みながらゲームを見ます。もちろん、合法、非合法に賭けをし、盛り上がるようです。
昨年は、夜遅くなって友人の家を出ると、ゲームが始まるころには降っていなかった雪で一面が真っ白になっていました。”今年は暖かいので、外でバーベキューが出来るのではないか”、とみんな冗談を言っています。

2009年2月1日日曜日

数学教育懇談会

今日は、1月最後の土曜日でした。年が変わってからアッという間にひと月がたちました。
そして、今日は第1回目のAP*MSEC数学教育懇談会が行われました。土曜日の午前中にもかかわらず、熱心な先生方が集まってくださいました。一般にアメリカの先生方は、仕事は仕事と割り切り、時間外には何もしないと言われますが、そんな中にも熱心な先生方はいるものです。
懇談会の前半は、日本の教科書にある比例数直線モデル(二本の数直線図)の系統について、私が2時間ほど話しました。後半は、連邦教育省の長官に、”アメリカでもぜひ全国統一の指導要領をつくる時が来たのではないか”、という提言をしようという議論でした。
今日の議論を基に草案を書き始め、来月の懇談会で、さらに議論していこうと言うことになりました。