2009年10月31日土曜日

教授会

今日は月例の教育学部、教授会です。
いま、教育学部には、教授、準教授、助教授が全部で63人います。このうち教授は2人、あとは準教授と助教授が約半々です。
先月は、出かけていたために参加できなかったので、私にとっては今年度初めての教授会でした。今年度から新しい学部長を外部から迎えたので、昨年までとは少々雰囲気のちがう会でした。
新しい学部長の方針をもとにどのような具体策が提案されるか、それぞれ興味深く見守っているという様子の2時間でした。

2009年10月30日金曜日

Chicago Lesson Study Group 10月例会


本年初めてのシカゴ授業研究グループの月例会でした。
毎月一度、夕方5時から、授業研究に興味のある先生方が集まる会です。
軽い食事を食べながら、気軽に指導案について話し合ったり、授業のビデオを観て議論をしたりします。
今日は、今年度初めて、という訳でもありませんが、みんなでワインを飲みながら、日本の先生が行った研究授業のビデオを観ていろいろと話しをしました。特に、”板書” "机間指導” という教師の専門用語に注目し、その具体的な有り様を、ビデオから学びました。

2009年10月29日木曜日

Evanston Township Hight School 指導案作成に向けて

今日は、3回目のワークショップでした。
32人の数学の先生が6つのグループに分かれて指導案の作成にかかりました。
最初の研究授業は、12月10日幾何のグループと三角関数のグループです。
アメリカの高校では、一般に、幾何は幾何の先生が、代数は代数の先生が教えます。もちろん小規模の高校になればそうはいきませんが、日本に較べアメリカの高校は規模が大きく、このエバンストン・タウンシップ高校は、エバンストン市に一つの公立高校で、学生の数は3000人ちかく居ます。ですから、先生方は、おおむね自分の専門だけを教えると言うことになります。
このあと、2月4日、2月24日、3月17日、と校内研究授業が予定されています。
それぞれの校内研究授業は、数学科の32人の先生方全員が授業を観て協議会を行う計画です。

2009年10月28日水曜日

チリの新聞記事

先日、チリ文部省の招きで行ったサンチアゴでのワークショップ等の模様を伝える新聞記事が届きました。
オン・ラインでも読めたのですが、送っていただいた実際の紙面には、写真も載っていました。
あれからまだひと月足らずですが、シカゴはすっかり初冬です。いつ霜が降りてもおかしくないような天気が続いています。
サンチアゴは、きっと緑あふれる初夏だろうと思います。

2009年10月27日火曜日

景気の動向

昨年の今頃始まった景気後退、一年たった今、じわじわと影響が出ているようです。
カリフォルニア州では、州立大学の教員の給料が一律10%カットになったとか、多くの州では州立大学の採用がストップになっているという話を聞きます。
DePaul大は、学生の納める学費で十分に運営が出来る大学と言うことであまり影響を受けていなかったようですが、最近、少し風向きが変わりつつあるようです。
日本の大学ではあまりないかと思いますが、アメリカの大学では、財政難から人員をカットしたり、給料をカットしたりと言うことが結構行われるようです。
株価が上向きになってきているものの、その影響が景気の回復や雇用数の増大に結びつくには、まだ時間がかかるようです。

2009年10月24日土曜日

Sabin School 公開研究授業



今週3度目の授業は、シカゴ公立学校の研修日の午前中を使って行いました。
この日は、シカゴの公立学校全校(合計約600校)が学校を休みにして、先生方の研修にあてる日です。
この全体研修の場を使って公開研究授業を行うのは、私の知っている限り初めての試みです。
これまで、シカゴの公立学校の先生方は、公開研究授業の機会があってもなかなか参加してくれませんでした。
けれども、今回は、トムの努力で、校内の先生方を含め、約50名の参加がありました。
授業は、やはり、夏期講座で、低学年のグループと協同で作成した確率の授業でした。
難しい内容にもかかわらず、3年生の子供たちはとても熱心に学習に取り組んでくれました。

学校側も全面的に協力してくださり、50名の参加者を受け入れるために、体育館の半分に協議会のための椅子を並べ、反対側に、授業を行う”教室”を仮設して行いました。
学校が休みのため、残念ながら学級の子供たちは13名だけしか参加できませんでしたが、大変充実した授業と協議会が行われました。

今回は、規模が小さいこともあり、私はなるべく準備に手を出さないようにしました。
いろいろトラブルはあったようですが、トムとSabin小学校の先生方で、プログラムの作成から参会者のための朝食、昼食の用意まで全てを手際よく(?)おこなってくれたようです。ようやく、シカゴではアメリカ人の先生方だけで公開授業研究会が行われるようになりました。今年の春の授業研究カンファレンスも、全て彼らだけで出来るようになれば、いよいよ授業研究が本格的にアメリカに根付くことが出来るのではないかと思っています。

2009年10月23日金曜日

Sabin School 研究授業


今日は、今週二回目の研究授業でした。
内容は、一年生、「確からしさ」の授業です。日本では確率は中学校まで扱いませんが、シカゴの公立学校の使っているシカゴ大学の学校数学プロジェクト"Everyday Math"では、小学校低学年から確率の考え方を指導します。とはいっても、impossible, possible, likely, unlikely,といった確からしさに関わる言葉を指導するのが中心ですが、なかなか難しいようです。
今日の授業でも、impossibleと言う言葉の意味がなかなか子供たちの間ではっきりしませんでした。
おそらく、日常的に使うimpossibleと、算数の授業で意味するimpossibleの微妙な違いが、一年生の子供たちの理解を難しくしているのではないかと思いました。
なんで、そんなに早くから確率を指導するのか?
アメリカの教室を見ていて常々感じている疑問です。
(写真は、授業後に協議会で熱心に議論する低学年の先生方)

2009年10月22日木曜日

Digital Math Environment

先日、コロラドのカンファレンスの折に話しをしたフロイデンタール・インスティチュートのピーターと、その後 Digital Math Environment についての話を進めています。
アメリカや日本の中学生に、彼らの開発したオンラインの学習ツールを使った授業をしてみようという試みです。
まだ、日本語にはなっていませんが、多くのものは既に英語に訳されています。
もし、ご興味のある方は、以下のサイトを試してみてください。Guestとしてならば全ての内容を試すことが出来ます。
http://www.fi.uu.nl/wisweb/en/
サイトに行って、青色の Digital Math Environment のリンクをクリックすると、アップレットを試すことが出来ます。

2009年10月21日水曜日

Sabin School 研究授業


今日は、6年生の科学の授業でした。
例によって朝7時に大学で待ち合わせ、ビデオの機材をもって学校に向かいます。
授業は8時15分から、1時間半の授業を終えたあと、授業を参加した先生方とで研究協議会をしました。
その後、授業者を囲んで、近くのレストランで昼食をとりました。天井からハロウィンのゴーストがぶら下がるレストランで、授業者の労をねぎらいました。

2009年10月20日火曜日

秋風


一週間以上シカゴを離れ、大学に戻ってみると、学内の木々は既に色づいていました。
今日は、それでも気温があまり下がらなかったので、学生たちもまだ薄着で芝生に寝ころんでいました。
そろそろハロウィーンの話題で盛り上がる頃、ぐっと日も短くなっていよいよ冬が近くなります。

2009年10月17日土曜日

2009 Gifted Learning Conference


第1日目の夜、カンファレンスに招待された講演者を招いた食事会がありました。
今回のカンファレンスを運営する委員の一人の御自宅は、数十人の方々が集まっても十分な広さで、専門のコックや給仕がきめ細やかなサービスをしてくださり、どこかのホテルやレストランで行う食事会よりも遙かに行き届いたディナーでした。
全米各地から集まった講演者はもちろん、先生方や保護者の代表も交えて、教育を中心にいろいろな話題に花が咲きました。
この時期のベイエリアは比較的暖かいようで、ドアを開け放したパティオでは、夜10時過ぎまで話が尽きませんでした。

2009年10月16日金曜日

2009 Gifted Learning Conference




子供たちの豊かな才能を育むことをテーマにすえたこのカンファレンスは、前回にもまして好評なようで、全米はもちろん世界各地から700-800人の参加申し込みがあったそうです。日本からは、前回の時にもいらっしゃった兵庫教育大学の松村先生のグループが参加されていました。
私は、この春、シカゴの授業研究カンファレンスおこなったカレンダーの授業を行いました。大変活発な子供たちで、カードの裏表を使って1日から31日までの日付を表示するときに必要な3つの条件を自分たちで全て見つけ出すことが出来ました。
授業のあと、Nueva Schoolの日本語科の先生に、校内を案内していただきました。創立以来使っている校舎は、もともとこの地に住んでいた富豪の屋敷を改装したもので、写真のような美しい中庭のあるマンションです。(写真上)また、シリコンバレーを見下ろす丘には、子供たちがランチを食べる建物と、野外で食事ができる広場があります。(写真中)また、体育館にロッククライミング用の壁があるのも何ともカリフォルニアらしい感じです。(写真下)
自然と人工の調和した環境でのびのびと学習できる子供たちをみながら、全ての子供たちがこの様な環境で学習できるような日がくることはないものかと、考えさせられました。

2009年10月15日木曜日

The Nueva School


午前中のセッションを聞いたあと、デンバー国際空港からサンフランシスコに向かいました。
明日から行われる 2009 Gifted Learning Conferenceで公開授業をするためです。
The Nueva Schoolは、シリコンバレーを見下ろす丘の上にある私立の学校で、幼稚園から中学生までの学校です。教師一人に対して子供7人という恵まれた人的環境、そして、大都市にありながら、森に囲まれた広大な敷地に点在する校舎という自然環境にも恵まれた学校です。
今回のカンファレンスは、第二回目のもので、Nueva Schoolの教職員、そして保護者が一体となって協力して計画、実施するものだそうです。前回は、この学校の開校40周年を記念して一回限りのものとして行われましたが、大成功に終わったカンファレンスを続けようという熱意から今回の開催になってということです。
私は、前回行った5年生を対象とした公開授業が好評だったと言うことで、今回は、3年生の子供たちを対象に公開授業を行ってほしいと招待されました。

2009年10月14日水曜日

ボールダー近郊


夕方、カンファレンス終了後、郊外に自動車で散策に出かけました。
コロラド大学の校舎から30分もドライブすると、ロッキー山脈の端にのぼれます。
夕日の沈む方向には、雪をかぶった山々が雲の間に見え隠れする姿がありました。シカゴでは到底見られない光景です。
11月には本格的なスキーシーズンも始まるとのこと、壮大なロッキー山脈は冬支度を整えた、という感じでした。
それにしても、ひと月たらずの間に、これから夏を迎える南半球アンデスの山並みと、冬を迎える北半球ロッキーの山並みを見られたというのは、初めての経験です。

Realistic Mathematics Education Conference


カンファレンスは、なかなか興味深い話しがあり充実していました。
例えば、Jan de Lange 氏は、PISAに使うことが出来なかった良い調査問題を示しながら、調査の限界、今後の課題、また、最近アメリカがPISAに深く関わろうとあれこれと画策している様子などを話していました。少人数ならではのカンファレンスで、話の途中から質問に答えながら、別の話題に話が広がっていったり、アメリカならではの気さくなセッションでした。
また、3年前、UCバークレーで行われた、International Society for Design and Development in Education (ISDDE) で会った、フロイデンタール・インスチチュートのPeter Boon 氏とは、彼が中心になって開発しているJava appletを使った教材に関する共同研究を計画しないかという話しで盛り上がりました。
アメリカのカンファレンスの良さは、単に著名人の話を聞くだけでなく、そこから議論やアイディアが生まれ、さらに発展していくところにあります。そう言う意味でも、今回は大変充実したカンファレンスでした。
(写真は、コロラド大学ボールダー校)

2009年10月13日火曜日

Realistic Mathematics Education Conference


昨日、日曜日の夕方シカゴを発って、コロラド州ボールダーにあるコロラド大学に来ました。
Realistic Mathematics Education Conference (REM) は、オランダにあるフロイデンタール・インスティチュートが中心になって行っている数学教育プログラムで、アメリカでは、以前、ウィスコンシン大学と共同で、Math in Contextという教科書を作ったりしたことで有名です。その後、中心になっていた研究者や先生方の多くが去ったウィスコンシン大学にかわって、コロラド大学がアメリカにおけるフロイデンタール・インステチュートの活動を引き継ぎ、今回のカンファレンスを行いました。
夜には、主催者がカンファレンスの主催者を、コロラド大学のフットボール・スタジアムの最上階にある、”スタジアム・クラブ” で行われた夕食会に招いてくださいました。
明日は、カンファレンスの様子をレポートします。

2009年10月10日土曜日

学習指導要領解説書 中学校数学編の英訳

このところの海外往きや、プロポーザルの締め切りでなかなか手をつけられなかった学習指導要領解説書の英訳に手をつけました。
小学校よりは少々ページ数が少ないものの、なかなかの分量です。
なんとか、年内に仕上げようと、渡辺さんは既に取りかかってくださっています。
前回、平成元年版の時に、ずいぶんと時間をかけて検討したので、今回は、多少時間を短縮できるのではないかと考えていますが、はたしてどうでしょうか。

2009年10月9日金曜日

Sabin School 授業研究


夏の授業研究夏期講座で作成した指導案を基に、今日、SABIN小学校で、第一回の研究授業が行われました。
今回の授業は、今月23日に行う公開授業研究会の指導案を練るための授業です。
3年生の教室で行った確率の授業を通して、いろいろと改善点を探り、公開授業研究会に臨みます。

3年生で確率を教えるというのは、日本ではかんがえられませんが、イリノイ州の教育課程では、小学校低学年から確率について扱うことになっています。本時の授業では、よくゲームなどに使うスピナーを作るという活動を通して、より起こりうる事象、同じ程度に起こりうる事象、全く起こりえない事象、について考えることをねらっていました。

授業後は、指導案を作成した3人の先生方と、Tomそして私で、1時間ほど協議会を行いました。
公開授業当日の授業がどのようになるか、いまから楽しみです。

2009年10月8日木曜日

Evanston Township Hight School 指導案作成に向けて


第二回目のワークショップです。
授業が終わった放課後、数学科の先生方32人が集まりました。
前回のイントロダクションに続いて、今日は、数学科全体のテーマについて議論しました。
数学科の主任によると昨年から数学的なコミュニケーションをテーマに研究を進めてきたということでしたが、案の定、議論を始めるとなかなか一つのテーマには落ち着きません。言語によるコミュニケーションに限定するか、それとも記述によるコミュニケーションもくわえるか、といった議論が延々続き、ようやく1時間半をかけて一つにまとまりました。
テーマの決定に時間がかかるのは、洋の東西を問わず同じ事、ここで時間をかけて先生方が共通理解のうえにたって指導案作成にかからないと、協議会の議論が深まりません。
いよいよ次回からグループ毎の指導案作成にかかります。

2009年10月7日水曜日

APEC フィリピン・カンファレンス 

来月、フィリピンで行われるAPECの理数教育カンファレンスの準備を始めます。
これは、来年3月に、タイのサムイ島でアメリカ政府とタイ政府の共催で行う数学教育に関するカンファレンスの下準備を兼ねて参加するものです。とはいえ、私自身も発表することになったので、その資料づくり、そして旅行の手配をしなければなりません。
16日が発表資料の締め切りなので、そろそろ手をつけないといけません。というのも、来週は一週間に2つのカンファレンスが重なっており、そのうちの一つでは、私自身が公開授業をしなければならないからです。
時差ボケをしている暇もなく、次の準備です。

2009年10月5日月曜日

成田からシカゴへ

週末だけの滞在でしたが、いま成田にいます。

短い滞在でしたが、東急ハンズに寄って、おもしろい素材を買い込んできました。
来週、サンフランシスコ、シリコンバレーにある小学校で行う公開授業で使おうとおもいます。
東急ハンズのような店はシカゴにないので、なかなか手に入りにくい物が安価で手にはいるのが便利です。

これから、12時間の長旅です。

2009年10月3日土曜日

オリンピック開催地決定

以前、このブログでふれたように、大方の予想通り、オリンピックはリオデジャネイロに決まりました。
まさか、シカゴが最初に落ちるとは思っていませんでしたが・・・

オリンピックを行うことによってもっとも発展に弾みのつく国、という点で、ブラジルは現段階でもっとも適しているのではないでしょうか。
さて、東京では、この結果が吉と出るか凶と出るか・・・
多くのシカゴ市民にとっては、この結果もちろん吉でしょう

2009年10月1日木曜日

東京へ

所用があって、週末をかけて東京に行ています。
驚いたことに、東京の陽気は、まさに梅雨時の蒸し暑さと断続的に訪れる雨、
おかげで、雨と汗で、衣服はじっとり、てっきり秋晴れと朝晩の冷え込みを予想してきたのでは全く当て外れ。