2009年6月30日火曜日

ほっと一息

昨日の日曜日と今日、月曜日、シカゴの天気はようやくシカゴらしくなり、カラット晴れ上がった青空と、湖から来るヒンヤリと乾いた風が心地よい日でした。
APECの会議を終え、それぞれの国に帰られた参会者から無事に帰国したというメールを頂きました。それぞれに、これまで思っていたシカゴのイメージよりは、ずいぶんといい印象を持って帰られたようでほっとしています。
さあ、いよいよ6月も終わりです。DePaul大学では、6月30日が会計年度の最終日です。明日までのレポートをいくつか仕上げなければなりません。

2009年6月27日土曜日

統一カリキュラムへの動き その後

連邦教育省長官のアドバイザー、マイク・スミス氏とAPECの会議中に話す機会がありました。
前回、彼と会ったのは、ワシントンDCの連邦教育省で長官との会合の折りでした。その後、統一カリキュラムに向けた動きは着々と進んでいるようですが、カリフォルニア州などが、州独自のカリキュラムにこだわるなど、なかなか難しい面も抱えているようです。
それでも、夏のうち(8月中)には、数学と英語のスタンダード(統一カリキュラム)の原案を発表し、一般からの意見を求め、それをもとに、年内には統一カリキュラムを提案する計画だそうです。この統一カリキュラム、場合によっては、一つではなく、幾つかの案を提案し、そのなかからそれぞれの州が自分の州の実情にもっともあったものを選ぶという可能性もあるようです。
そして、その後、統一カリキュラムに賛同する州を募り、結果的になるべく多くの州が支持する統一カリキュラムができあがる、という計画です。
アメリカに統一カリキュラムが生まれるという、教育史上に残るような出来事は、意外なスピードで実現しつつあるようです。

2009年6月26日金曜日

APEC HRD Meeting Day4



会議の4日目は、全体会議で、今回の全体プログラムは終わりです。明日は、午前中、各国の代表一人だけが参加する事務的な会議のみなので、ほとんどの参加者は今日が最終日です、
会議で話し合われた記録を1行1行確認し、正式な議事録を作成しました。
また、次回の人材開発ワーキンググループの会場、および、大臣会合の日程場所および会場国を決めました。
次回の人材開発ワーキンググループは、2010年、2月の下旬または3月上旬、日本が開催国となって広島で行われることに決定しました。
最終日は、バーベキューおよびカラオケでしたが、主催の教育学部の手際がわるく、あまり盛り上がりませんでした。
参会者も、連日の朝から晩までの日程に少々疲れ気味だったようでした。

2009年6月25日木曜日

APEC HRD Meeting Day3


昨日に続いて、EDNETの分科会では、新たにAPECのプロジェクトとして何を認めるか、また補助金を要求しているプロジェクトのどれを認めるかという議論が続きました。
途中、けっこう激しい議論が繰り広げられ、各国の力関係、また政策的な駆け引きがなかなか興味を引きました。
会議後、夕方からシカゴのダウンタウンに向かい、シカゴの歴史的建造物を見て回る遊覧船に乗りました。そして、遊覧船はそのままミシガン湖に向かい、船内で夕食をとったあと、毎週、水曜日と土曜日に行われているミシガン湖の花火をみました。
湖に映る高層ビルの眺めは美しく、みさなんさかんに写真を撮っていました。

2009年6月23日火曜日

APEC HRD Meeting Day2



2日目は、会場を大学校内の歴史的な建物に移して行われました。
午前中は昨日の続きの全体会、そして、午後からは、3つの分科会に分かれて会議が続けられました。私は、公教育に関するEDNETに参加し、これまでの授業研究に関するプロジェクトの成果として、Wikiの授業研究ビデオ、そして、その活用解説書が出来たことをアナウンスしました。また、ここ数日、タイの文部省関係者と交渉していたアメリカ、タイが協同で行う数学科学教育のカンファレンスの原案もまとまり、公表しました。今日、明日で会議の合間を縫って、この話をある程度まとめ、今月、15日、インドネシアに行く途中にバンコクによって、タイの文部省に挨拶をしてくることにしました。
会議の終了後、夕方、シカゴのダウンタウンにあるフランス洋菓子のシェフ養成学校に行きました。アメリカでも人気のある学校で、アメリカの職業訓練校の一つの姿を見ていただこうと企画しました。
学校の内容を学ぶこともさることながら、参会者は、シェフの作った”教材”を吟味(味見)したり、創作菓子のデモンストレーションを楽しんだりしました。

APEC HRD Meeting Day1



会議の初日が無事に終わりました。
DePaul大学の学生センターの一番大きい会議室を使って会議を行いました。大勢のスタッフや大学の学生がてきぱきと動いてくれました。
会議初日でもっとも興味深かったのは、連邦教育省長官のアドバイザー、マイク・スミス氏が提案した、オープン・コースウェアーによるAPEC Knowlegebankの充実発展です。この考えは、マサチューセッツ工科大学が先導的に試みているもので、大学の講義の内容を無料で一般に公開するというものです。インターネットを使ったこのようなサイトは、これまで最先端の講義に触れることのできなかった地域や国々の人に、学習の機会を与えると同時に、高等教育の在り方を、その本来の目的に近づけることにつながるものだという主張です。
もちろん、大学が無料で講義の内容を公開したり、講義ノートをもとに、wikiなどを使って教科書をインターネット上に構築することに対する抵抗は大きいと思いますが、ここ10年の急激な社会の変化を考えると、この動きは、大きく加速するものだとおもいました。

2009年6月22日月曜日

会議前日 そして次のプロジェクト


今日から、大会受付が設置され、会議の参加者が次々と到着しました。
ホテルとのシャトルバスサービスもはじまり、会場の雰囲気も盛り上がってきました。
前日の準備と並行して、タイの教育省の代表と、APECの数学科学教育振興プロジェクトについて打ち合わせをしました。これは、アメリカ連邦教育局がリードするプロジェクトで、APEC各国が共同して21世紀の数学教育の方向を見定めようという目的のものです。
これまで、連邦教育局が進めてきたAPEC各国の数学教育の目標、評価の研究を土台に、各国の研究者とともに今後の方向性について議論し、APEC各国に提案しようというものです。
いまのところ、多くの発展途上国からの交通の便がいいタイ南部で数日間にわたるカンファレンスを行い、その前後、WIKIテクノロジーを活用して提言をまとめようという目論見です。
このプロジェクトは2010年いっぱいに完成させなければならないので、この夏には、各国の研究者を集めて作業に取りかからる予定です。

2009年6月21日日曜日

APEC会場設営

昨日とはうってかわって晴天に恵まれ、真夏の日差しが照りつけています。
大学のスタッフならびに、DOEのスタッフが、会場の設営や資料の準備にてきぱきと動いてくれています。
日本やタイの代表も到着し、準備は着々と進んでいます。
AP*MSECのオフィスでは、APEC人材開発ワーキンググループの責任者たちと、発表、会議の運営などの最終打ち合わせをしました。
APECの公式会議ということで、各国代表の席順などもきまっていて、会場の準備が出来た段階で、APECの事務局の担当者が、全ての会場が、APECのガイドラインに沿っているか確認をしました。
一つ問題なのは、昨日の悪天候でシカゴ到着が遅れたスタッフがいた関係で、準備に遅れが出ていることです。
今夜は、少し遅くまでAPEC人材開発ワーキンググループの責任者たちとの準備、打ち合わせが続きそうです。

2009年6月20日土曜日

DOEスタッフ到着

DOE(連邦教育局)のスタッフがシカゴに到着し、いよいよ人材開発ワーキンググループミーティングの最終準備がはじまりました。
あいにくシカゴの天気は荒れ模様、雷雨が来ては去りを繰り返し、一時、雹まで降ってきました。おかげで、オヘア国際空港に着陸する便が乱れ、昼前後に到着する予定だったスタッフは夕方まで到着できませんでした。それでも、昨日到着していた先発のスタッフと、連邦教育局のシカゴ支部のスタッフ、そしてデポール大学のスタッフが中心になって、事前に届いていた資料を袋詰めし、予定通り作業を終えることが出来ました。一方、AP*MSECの方は、会議中に公表するKnowledge bank wikiのビデオはじめ、ビデオガイドの最後の仕上げを行いました。
明日、土曜日は、スタッフ全員で会場の最終確認をおこないます。

2009年6月19日金曜日

平行四辺形の面積

今日、もう一本のビデオをアップロードしました。
これは、2年前の授業研究カンファレンスで私が行った、公開授業のビデオです。
ディポール大学の隣にある公立学校の子供たちを相手に、アメリカの革新的な教科書として知られているコネクテッド・マスの内容をもとに、子供たちの実体にあわせとうと開発して指導案です。
日本でもおなじみの、平行四辺形の変形とそれに伴う面積の変化を題材にした授業です。
この部分をクリックすると、ビデオの掲載されたページにリンクされています。

2009年6月18日木曜日

授業研究ビデオ

今日、アメリカで行われた授業研究のビデオを2本アップロードしました。
一本目は、平方根の導入のビデオで、この5月にシカゴ授業研究カンファレンスで行われた公開授業です。
もう一本は、昨年10月に、シカゴ市内の公立高校で行われた、11年生(高校2年生)の微分の授業です。
これまで、このAPECのサイトには日本のビデオしかありませんでしたが、今回、シンガポールとアメリカの授業が載り、ますます充実しつつあります。

2009年6月17日水曜日

Knowledge bank Wiki

授業研究のビデオならびに、それに対するコメントを中心としたAPECのウェブサイトの仕上げに取りかかっています。
来週の人材開発ワーキンググループの分科会での正式発表に向けて、ファイルをアップロードしています。
今日は、アメリカの授業研究の成果として、トムが5月のカンファレンスでおこなった授業のページを仕上げました。
また、オーストラリアのケイ・ステーシー博士からは、2年前に札幌で行った公開授業に対するコメントが送られてきたので、これもアップロードしました。今週中に、できればあと4本のビデオをアップロードし、来週の報道発表(プレス・リリース)に備えようと思っています。

2009年6月16日火曜日

APECミーティング、最終打ち合わせ

APEC人材開発ワーキンググループの会議まであと一週間となりました。
昨年11月から準備を始めた会議に向けて最終準備です。とはいっても、大学のスタッフ、教育学部のスタッフが全ての準備をしてくれるので、ずいぶん助かっています。
今日時点で、APEC各国からの代表は合計140名、私たちAP*MSECは、アメリカの代表としてEDNET(教育分科会)に参加します。私は、自分がEDNETの分科会で行う、Knowledgebank wikのホームページの進行状況の報告、および、ビデオ活用ガイドの完成を中心に準備を進めています。
今日、月曜日の午前中に、連邦教育局の担当部署との電話会議を行いました。いままで隔週に行っていた会議はこれが最後です。
今週の木曜日に連邦教育局のスタッフの一部がシカゴ入りし、金曜日には、会場の最終確認、土曜日、日曜日には各国代表との打ち合わせが行われ、来週月曜日の開会式から4日間の公式プログラムが始まります。
あいにく連邦教育局の長官は出席できないようですが、NO2のマイク・スミス氏が出席の予定です。

2009年6月12日金曜日

頭がやわらかくなる算数

日本の先生方と書いた本が、日本経済新聞出版社から発売されました。
この本は、小学校で教える範囲の数学を使ったおもしろい問題を集めたもので、一般の人たちを対象にしたものです。
算数の問題にパズル感覚で取り組んでいただければ、おもしろいのではないでしょうか。

Chicago Vocational Career Academy High School

朝一番に、シカゴ市の南部にある、シカゴ市立の職業訓練高等学校に行ってきました。
数学科の13人の先生方に、授業研究を紹介してほしいと言うことで、朝8時から11時までの3時間、話をしてきました。
シカゴ市内でもダウンタウンから南はアフリカ系のアメリカ人が多く住み、市の北部と比べて貧しい地域です。この中にある職業訓練を中心とした高等学校では、子供たちの学力向上が大きな課題となっています。
冬に、シカゴ市教育委員会が主催した研修会に招かれたときに、私とトムがおこなった短い授業研究の紹介を聞いたこの学校の先生方、2人が5月の授業研究カンファレンスに参加し、ぜひ自分たちでもやってみたいと数学科の責任者に頼んで今回の校内研修会が実現したと言うことでした。
3時間の講演の後、ぜひ、8月に始まる授業研究インスティチュートに参加したいという声が上がったので、今後、この学校の校長先生と話をすすめ、なんとか先生方の希望を実現できないか、相談することにしました。

2009年6月11日木曜日

2009-2010 授業研究インスティチュート

今日、来年度に行う、一年間にわたる授業研究サポートプログラム「授業研究インスティチュート」のキックオフ・レセプションを行いました。
このプログラムは、8月に一週間行われる夏期講座にはじまり、そこで作った指導案をもとに9月に新学期が始まったあと、2つの学級でこの授業案をベースにした公開授業を行います。そして、最後に来年春に行われるシカゴ授業研究カンファレンスで、その成果を発表するという流れです。
今日の、レセプションでは、これから授業研究を行おうというチーム、その学校の校長先生にきていただき、概要を説明しました。
また、そこで、今年の授業研究インスティチュートのためにAP*MSECが用意した予算の使い道、ならびに各学校にはどのようなサポートをしてほしいかなどを説明しました。
シカゴの公立学校は今週で一年間が終わり、来週から8月下旬まで長い夏休みに入ります。

2009年6月10日水曜日

連邦教育省の補助金

5月末、政府から教師の質の向上を目的とした補助金が発表されました。今年は、景気対策の目的も兼ねるようで、これまで教育費が潤沢とはいえなかった地域を中心に、補助金を配分するようです。
ただし、アメリカでは、日本と異なり、このような政府からの補助金に対しても、予算請求のプロポーザルを書き上げ、それを政府が検討し、どこに補助金を出すか決定する、という過程をとります。また、大学やコンソーシウムに対して補助金を与える場合にも、必ず、地域の教育委員会(学校区)などと共同して申請をしなければならないという条件をつけているので、どの大学が、補助金を必要としている教育委員会(学校区)とパートナーになるかというところから競争が始まります。
シカゴの教育委員会は、地域の各大学の教育学部長にメールを出し、「もし、我々とパートナーになって今回の補助金を申請したいのであれば、6月10日水曜日までに、50ページの趣意書を書いて提出すること、その中からよいものを選んで、シカゴ市はパートナーとして協力する」と通知してきました。
予算の規模は、各プロジェクトに一年間で1億円から2億円、約25-35件のプロジェクトに補助金を出すと言うことです。ただし、条件として、補助金を受けた団体(大学等)は、補助金と同じ金額を、このプロジェクトに出さなければ行けません。たとえば、政府から1億円もらった大学は、大学の予算からさらに1億円を加え、合計2億円を使った、地域の学校のためのプロジェクトを行い、約束した成果を上げなければならないという条件です。
補助金申請の期限は、7月23日、全米各地で、補助金獲得の厳しい競争が始まっています。

2009年6月8日月曜日

統一カリキュラムへむけて

NCTMが、統一カリキュラム制定に向けて、提言を発表しました
各州が、自主的に共通のカリキュラムを採用し、それを全米統一カリキュラムにしようという動きに、これまでNCTMはうかくかかわってこなかったようですが、ここで、統一カリキュラムを制定するのであれば、このようなことを配慮すべきだ、と言う提言です。
内容を見ると、これまでNCTMが言ってきたことと比べ特に目新しいものはないようです。本来、ここでNCTMが学年ごとの指導内容を明確にするのが望ましいところですが、残念ながらそこまで話は進んでいないようです。
この統一カリキュラムへの動きにNCTMがうまく関わらないと、今まで数学教育の世界をリードしてNCTMという組織が、単なる数学教育者の自主的な団体、というところまでその影響力を落としかねない土壇場にきていると思います。

2009年6月6日土曜日

ステイプルズでのワークショップ第二日目

第二日目は、1月に行ったワークショップと同じ内容で、問題解決を通した数学指導がテーマでした。
この辺りの学校では、今まで、このようなワークショップがあまりなかったということで、前回同様、参加された先生方には喜んでいただけたようです。
避暑地として有名なブレーナードとその周辺の湖水地帯ですが、その周辺には、ご多分に漏れず、過疎に悩む貧しい地域が多くあります。
参加された先生方の話を聞くと、教師の給料だけで生活するのは楽ではなく、ほとんどが授業終了後、別の仕事を持っているといっていました。ある女性の先生は、ステイプルから車で1時間近く行ったところにある人口67人の町に住み、平日と週末、学校の授業がないときには、家業のレストランを切り盛りしていると言っていました。
また、子どもを取り巻く環境も厳しく、ブレーナード市内の幼稚園では、学級の子ども26人中、両親と暮らしているのはたった2人だけ、後の子供たちは、何らかの理由で、片親であったり祖父母と暮らしているという状況にあるそうです。他方、同じ市内でも、裕福な子どもが通う学校では、園児30人のクラスで全員が両親と暮らしているという、実に偏った状況が生まれているということでした。
ワークショップに参加された先生方と雑談していると、湖に囲まれた美しい避暑地であっても、様々な問題を抱えている地域の実態がかいま見えてきます。

2009年6月5日金曜日

ステイプルズでのワークショップ再び





1月に来たときのワークショップが好評だったと言うことで、6月で終わる年度予算の中で、もう一回ワークショップをして欲しいというピートからの依頼が来たのは約一ヶ月ほど前でした。
たまたま、今年予定していた授業研究の日本ツアーが来年に延期になったので、この時期、ステイプルに来ることが出来ました。
朝、5時に起きると、もう既に辺りは明るく、ロッジの部屋からは朝日に輝くガル・レイクが見えました。
8時半に始まるワークショップまでに、用意しておいたパワーポイントのスライドに少し手を入れました。今日のトピックは分数指導についてです。日本の小学校の教科書で使われている2本の数直線図と、面積図を組み合わせて、分数の導入から、加減、乗除までの流れを、6時間にわたって講義しました。
会場には、約40人ほどの小・中学校の先生がtが集まり、熱心に課題に取り組んでくださいました。
ワークショップの会場の入り口には大きな熊の剥製が鎮座しており、森と湖のミネソタに来たな、と改めて思いました。

6時間話し続けた後、ピートは、今度、自分の別荘のある別の湖に連れて行ってくれ、パントゥーンというボートでつりを兼ねた湖見学に連れて行ってくれました。今度の湖は、ミネソタでも有数の別荘地で、湖畔の土地は、この不景気の折にも1フィート (30cm) あたり$2000から、日本の感覚だと、湖畔1mにつき70万円からというのが相場だそうです。ですから、こぢんまりした別送でも6千万円以上、ほとんどが1億円を超えるということでした。
夕食は、船着き場のあるレストランに寄りました。パントゥーンをおりて食事をして時計をみると既に夜の8時半、しかし、まだまだ日は高く、長い初夏の一日を楽しむことが出来ました。

 

2009年6月4日木曜日

ミネソタへ




午前中、APECの授業研究のページにアップロードするいくつかのビデオをFTPサイトに送った後、昼の飛行機でミネアポリスに向かいました。明日と明後日、数学指導に関するワークショップを行うためです。
ミネアポリスの空港で、レンタカーを借りた後、今回は北に約3時間のドライブです。
1月に来たとき、ブレーナードの町は一面の銀世界に覆われ、湖は全て凍りついていました。今回は、湖畔に点在するロッジがオープンしているので、主催者のピートは、ブレーナード周辺にある何百という湖の中でも最も有名な湖の一つ、ガル・レイクのほとりにあるリゾートロッジに宿を取ってくれました。
ロッジに着いた後、ピートに電話を入れると、すぐに迎えに来てくれ、近くのレストランに連れて行ってくれました。まだ夏のシーズンのはじめということで、人気のレストランもまだ閑散としており、大きな暖炉のあるログハウスのレストランは、我々の他に2組しか客は入っていませんでした。
優雅に夕食をとった後、ピートは、自分の家の裏にある湖に、早速つりに連れて行ってくれました。1月に来たときには、凍った湖の上を歩いてアイス・フィッシィングに行きましたが、今回は、彼の家の裏庭から直接つりが出来ました。
竿を入れる、面白いように魚がかかり、ほんの30分ほどの間に10匹以上つり上げることができました。
この辺りまで来ると、緯度が高いので、この時期、朝5時には日が昇り、夜10時近くまで外が明るく、ロッジに戻ったのは、既に夜の10時近くになっていました。

2009年6月3日水曜日

統一カリキュラムへ

以前、話題にした統一カリキュラムの話が、いよいよ具体化してきました。
今日の、ワシントンポストによると、46の州が、日本の学習指導要領のような全国統一カリキュラムの設定に同意を示したということです。
統一カリキュラムが設定されるのは、日本の国語と算数・数学に関して、幼稚園から高等学校までで、学年ごとに指導する内容が定められる予定です。これは、いままであったNCTMのスタンダード、各州の指導内容が、2学年を単位に定められていたことと比べると、ずいぶんおおきな一歩を踏み出すことになります。
ただし、国が統一カリキュラムを定めるというのは、アメリカの歴史的な事情からそぐわないので、National Governors Association および Council of Chief State School Officers、そして幾つかの州が, 自主的にカリキュラムを提案し、これに同意する他の州が従って、結果的に統一カリキュラムになる、という流れを踏むようです。これは、まさに、先日、ワシントンで、連邦教育局の長官と話をしたときの筋書きがそのままです。そのときの話では、今年の末には、統一カリキュラムが提案されるだろうということでしたので、おそらく、アメリカの数学教育界にとって来年は忙しい年になることでしょう。

2009年6月2日火曜日

ビデオ編集

APECの授業研究サイトに掲載するビデオの編集に追われています。
今日、念願のシンガポールからの授業研究ビデオの最終仕上げに入っています。今晩のうちに、ビデオの圧縮が終わる予定です。
これと並行して、アメリカにおける授業研究ビデオへの字幕付け、および編集の最終段階に入っています。6月22日のAPEC人材開発ワーキンググループの年会に間に合わせようと、高校の授業を1本、中学校のビデオを2本、そして小学校のビデオを1本つくっています。
どれも、字幕をつけて分かりやすくしようと思っていますが、間に合うでしょうか。
2人の院生と、2人のAP*MSECのスタッフがかかりきりで取り組んでいます。