2009年9月29日火曜日

プロポーザル 提出

紆余曲折、いくつもの段題の可決の末、プロポーザルが完成しました。
今回の35枚に及ぶプロポーザルは、いままでのどれよりも愛着の強い物になりました。
あとは、数ヶ月後の結果を待つのみです。
最も早ければ、来年の7月からプロジェクトが開始です。
後は、運を天に任せるのみ

プロポーザル 大詰め

チリから戻ると、シカゴはすっかり秋でした。
既に、木々の中には葉が色づき始めたものもあり、歩道のふきだまりでは風に落ち葉がまっていました。
木曜日に締め切りを控えた例のプロポーザルは、大詰めに近づき、いくつもある書類を一つ一つ丹念に見直し、提出する準備をしています。
最終的には、書類は全てオンラインで提出しますが、細かく定められた書式に従って5年分の予算計画を35ページにわたる研究計画書の内容と一つ一つ照らし合わせ、矛盾がないようにするのは結構手間のかかる作業です。
また、あちこちを詰めていく中で、当初の計画を変更したり、追加の資料を加えたり、チームワークがうまくないとなかなか出来ない仕事です。きょうは、カリフォルニア、オークランドのチームが朝から一日缶詰になって、頑張ってくださいました。
あと、もう一息で完成

2009年9月26日土曜日

Santiago, Chile Day 5



今日は、最終日
午前中、街の中心部を案内してもらい、大統領官邸、サンチアゴの中央広場、そして考古学博物館などを見て回りました。
サンチアゴの中心で、さまざまな中央官庁、そして、金融機関などが集中しているこのあたりは、慌ただしそうにあるくスーツ姿の人々で賑わっていました。
同時に目につくのは、あちこちにいるホームレスとおぼしき人たちです。あるところにかたまっているというのではありませんが、ビルの横、公園のベンチなどなど、
聞くところによると、アメリカなどに比べ、貧富の差が大きいことが問題になっているそうです。ちなみに公立学校の先生方の平均給料は、日本円にするとだいたい月収12万円程度ですが、それでも世間一般からみるとそう悪くはないのだそうです。

ホテルで昼食を食べながら、今後の数学教育に関する共同研究、チリ文部省の教員研修に関わる今後の方向などについて話しをしました。
数学の学力向上は、APEC各国共通の課題であることを改めて実感しました。

夕方の飛行機で、ブエノスアイレスに向かい、シカゴに着くのは土曜日の昼前です。

2009年9月25日金曜日

Santiago, Chile Day 4



チリの一日は、アメリカと同じように9時から仕事が始まるようです。
ただし、お昼は、普通1時半頃からはじまり、午後3時頃までとゆっくりです。
今日は、地域の指導主事にあたるような方たちに問題解決能力を育てることの重要性と、それにたいする授業研究の役割について、2時間ほどお話しをしました。英語からスペイン語への通訳がはいるので、思ったようには話を進めることはできません。それでも、こちらの意図することは何とか伝わったようで、なかなか良い反応がありました。
1時半すぎ、文部省の教員研修担当の方々と、昼食にいきました。
昼食の話題は、今後、如何に授業研究をすすめていくかということでした。全国約250校の研究主任に授業研究のトレーニングをした現在、いかにしてこれを定着させ、かつ地域に広げていくか、ワインを飲みながら2時間以上、たっぷりと議論しました。
そのあと、今日は、少し街を歩く機会がありました。
サンチアゴの中心に、小高い岩山があり、そこが古くから公園になっていると聞き、さっそくのぼってみました。(サンタ・ルチアの丘)急な階段を上ると、町中がみわたせました。
今晩は、最後の夜と言うことで、こらまでの牛肉中心の料理から趣向を変えてペルー料理に連れて行ってくださるそうです。
ちなみに、夕食は普通8時から9時頃からということで、レストランも7時半前には開いていないところが多いということです。

2009年9月23日水曜日

Santiago, Chile Day 3


今日は、これまで3年間続いたJICAのプロジェクトをしめくくるまとめの会でした。
これまで、日本政府とチリ政府の協力の下で行われてきた授業研究プロジェクトが一段落したということです。
チリ政府は、今後の数学教育振興のプロジェクトの協力先をAPECならびにアメリカ政府にもとめているということでした。
午前中は、これまでこのプロジェクトで日本に派遣されたチリの大学の先生方の活動レポートがあり、午後は、JICAの現地事務所の代表をまねいてセレモニーがありました。
ホテルの会議室からは、雪をかぶったアンデスの山並みが見えました。
ぎっしり並ぶたてものと、崇高なアンデスの眺めは、サンチアゴならではの景色だと思いました。

サンチアゴの街



夕方、街を歩いてみました。
ホテルのすぐ裏にある旧市街は、昔の町並みがそのままに残っています。ヨーロッパ風の石畳の路地は、緩やかなカーブを描き、何とも風情があります。チリは地震が多いのであまり古い建物は多く残っていないそうですが、この通りは昔の面影を伝えているようです。
通りには、小さなバーがあり、仕事を終えた人で賑わい始めていました。
街角には、アボガド、イチゴなど、このあたりでとれる果物などを売る露店が出ていました。

Santiago, Chile Day 2




朝8時15分、チリ文部省の方々総勢8名がホテルに来てくださり、バスでサンチアゴの南1時間ほどのところにある小学校に研究授業を参観しにいきました。
学校は、早春の緑に囲まれたのどかな農村にあり、先生は勿論子供たちも歓迎してくれました。4年生の分数の授業のあと、先生方と研究協議会を行いました。短い時間でしたがなかなか熱心な話し合いが行われていました。
学校で用意してくださった昼食は、サラダに続いて大きなステーキ、そのうえチリ特産の赤ワインまで振る舞われました。学校の給食室ですべて用意してくださったそうで、校長をはじめ先生方と通訳を交えながらですが、とても楽しい昼食を楽しませていただきました。
午後からは、もう一つの学校に伺い、そこの講堂で、3時間ほど、授業研究について、また数学の授業の向上についてお話しさせていただきました。
学校の横の通りからは、まだ真っ白な雪をかぶったアンデス山脈がくっきり見えました。
豊かな牧草地、そしてブドウを始めとしたさまざまな果樹園、サンチアゴ周辺の豊かな自然と遠くに見える高い山々が印象に残る第二日目でした。

2009年9月22日火曜日

Santiago, Chile Day 1



日曜日、夕方6時の飛行機でワシントンDCへ(2時間)、DCから10時間の飛行の後、アルゼンチンのブエノスアイレスに到着、(現地時間朝8時すぎ)しました。ブエノスアイレスの空港は、アルゼンチンの玄関口ですが、空港には、ゲートが13しかなく、しかも、どれもタラップから飛行機に乗るというなんとものんびりした空港でした。着陸時に窓から見えた光景は、見渡す限りの平原で、所々に湿地帯が点在しています。はるか地平線まで続くのは、多くが牧草地のようでした。そういえば、高等学校の地理の勉強で、アルゼンチンのパンパ(湿原草原)というのを習ったような気がします。たしか放牧が盛んで、カウボーイの国といった印象を持った気がします。飛行機で隣に乗っていたアルゼンチンに住んでいるというアメリカ人の青年は、アルゼンチンのステーキを食べるとアメリカの肉が何とも味気なく感じるといっていました。
残念ながら、今回は、トランジットのみ。空港で3時間過ごした後、お隣のチリ、サンチアゴに2時間のフライトで到着。
南半球は、ちょうど初夏、真っ青に晴れ渡った青空を期待していたのですが、あいにく、どんより曇った霧雨。気温は、摂氏10度少々でしょうか。街にはまだダウンジャケットを着た人がちろほらいるような天気でした。
空港から迎えの車でホテルに着くと、すぐに着替え、会議に参加しました。
会場のホテルは、日本で言うと民芸調ということになるのでしょうか。私のもっていたチリのイメージとは、少し違いました。
夕方まで会議に参加した後解放されました。明日は、朝8時過ぎに車が迎えに来て、現地の学校に授業を見に連れて行ってもらいます。

2009年9月19日土曜日

夏の名残


週末、ミシガン湖沿いにある夏の間だけオープンしている簡易レストランに自転車ででかけました。
今年は、余り夏らしい夏を楽しむこともなく終わってしまったので、最期にランチを食べに出かけました。
ダウンタウンにも近いので、まだ、結構観光客で賑わっていましたが、夏の盛りの賑わいはすっかりかげをひそめています。
普段は、余り意識しませんが、シカゴ市内に住んでいると、自転車でバスなどで本当に気軽に綺麗な景色が楽しめます。

センター プロポーザル 一段落

今日、ようやくプロポーザルと予算の計画がまとまりました。
改めて感じることですが、やる気と能力のある仲間に恵まれると言うことが、いかにすばらしいことかと思いました。
お互い、それぞれの強みを最大限に生かすことが、個々の能力をさらに高めてくれるのではないでしょうか。

いままでに、書いてきたプロポーザルの中で、最高のできではないでしょうか。
もっとも、最終的に、連邦教育局に提出するのは、来月1日です。
もう一度、じっくりと読み直し、何とか、補助金をえられるようにしたいと思います。

2009年9月18日金曜日

センター プロポーザル

今日も引き続き、officeにこもって、予算を計算したり、他の研究者と電話で打ち合わせたりしました。
これと並行して、来週からチリで行う4つの講演の準備に取りかかっています。さらに、11 月中旬にでかけることになったフィリピンでの講演の内容についての問い合わせにも応えたりしました。
11月に日本から来られる先生方の方も先との打ち合わせは、Tomがいろいろと連絡をとってくれています。
新学期がはじまってまだ半月余りですが、なかなかじっくりと考える時間がとれない日々が続いています。

2009年9月17日木曜日

Evanston Township Hight School


先日のこのページで書いたように、今日からエバンストン高校での授業研究ワークショップが始まりました。
今日は、第1回目と言うことで、私は、2時間にわたって、授業研究を通して問題解決型の授業づくりに取り組むための講義を行いました。
アメリカでは1970年代から問題解決の重要性が叫ばれていますが、まだまだ教え込み型の授業が多く、なかなか子供たちが活発に議論するようなところまでには至らないという課題を抱えています。
日本でも、いまだに中学校・高等学校の多くが教師主導の講義型の授業が多く、その為に、子供たちに思考力、応用力の育成に課題があると言われています。
この高等学校は、規模が大きいため、数学の先生だけで32人もいます。この 32人の先生方が、いくつものグループに分かれて指導案を検討し、年度内に数回の研究授業を行う予定です。

2009年9月16日水曜日

センタープロポーザル

昨日、今日、2日間、プロポーザルのために、ずっと自分のofficeにこもっています。
とはいえ、一緒にプロポーザルを書いている方々とは、電話、e-mailで頻繁に連絡を取りながら進めています。同じ建物の一つ上の階にいるtomともメールや電話でやりとりしているのは、どうもおかしなものですが、こうなってくると距離は関係なくなります。

研究の概要については、二転三転しながらも何とかまとまってきましたが、この段階に来て、申請書を最終的にまとめて関係機関に提出するはずのスタッフが、途中で仕事を投げ出して辞めてしまったり、会計担当者が、今になって、予算計画書が複雑すぎて書けないなどと言いだし、頭を痛めています。
一難去ってまた一難。プロポーザルははたして完成するのでしょうか?

ところで、11月、フィリピンにいくことになりました。APEC関係の数学科学に関する会議です。
3月にタイで主催するカンファレンスの下見も兼ねて、参加することにしました。

2009年9月12日土曜日

センタープロポーザル

ここに来て、ようやくプロジェクトの全体像が見えてきました。
5年間、約60の学校、3つの大学、その他の研究機関などを巻き込んで行う研究プロジェクトなので、なかなか全体像がまとまりませんでした。予算が研究の規模に対して適切なものかどうかなど、まだまだ細部を調整し、全体像を固めなければなりませんが。この週末には、何とか形作り、来週いっぱいで仕上げたいところです。

2009年9月11日金曜日

教育学部の会合

今日と明日、2日間にわたって、教育学部の今後について話し合う会があります。
教授だけでなく、スタッフ、他学部の関係者、近隣の教育委員会、ならびに学校関係者も招いて、新しい学部長のもと、教育学部の長期的な展望について話し合う会です。
外部から新しい管理職やリーダーを招くのは、アメリカの企業や大学では日常茶飯事のことで、だいたい、新しいリーダーによって新体制が作られ、これまでのことを継続するよりも、全てを刷新するという方向で進むことが多いようです。
今後、学部の経営方針がどうなるのか、興味深いところです。

2009年9月10日木曜日

Field Foundation

午前中、シカゴのダウンタウンにある、フィールド財団(Field Foundation)を訪れました。
シカゴ市立の学校で行っている授業研究プロジェクトに対する補助をお願できるかどうか、意見を聞くために財団の担当者と話をしてきました。約1時間にわたって、これまで私たちがシカゴの公立学校に対して行ってきたこと、今後の展望などを話したところ、なかなかいい反応が返ってきました。
しかしながら、財団では、今年になってから、州の教育予算節減のあおりを受けたさまざまな団体からの補助金申請が殺到し、現在の情況では、提出された申請のうち実際に補助金を交付できるのは、20%程度になるだろうということです。
けれども、連邦政府系の補助金の倍率が数十倍であることを考えれば、確率は遙かに高く、また、今日の話で相手に我々の意図を理解してもらったので、希望はなきにしもあらずと言うところでしょうか。
次の申請の締め切りが1月なので、これにむけて準備を進めていきたいと思います。

2009年9月9日水曜日

Skype

いよいよ佳境に入ってきた、補助金申請プロポーザルのための会議を行いました、
この週末に2回、そして今日、アメリカ各地4カ所をむすんで、カンファレンスコールをしました。
これまで、カンファレンスコールをするには、スピーカー付き会議専用電話機を使ったり、電話会社に申し込んで複数の電話機で会議をしたりしなければ出来ませんでした。
けれども、ここ数年、アップル・コンピュータに附属している iChatでインターネットによるビデオ会議をしたり、Skypeによるインターネット電話を利用したカンファレンスコールが中心になってきました。特にSkypeを使えば、一度に20人以上が別々のところから会話に参加できるなど、無料な上に大変便利です。ただ、残念なことは、時々、回線がとぎれてしまうことです。今日も、1時間ほどの会議の中で数回、参加者の誰かの回線が切れてしまい、そのたびに、電話をかけ直しました。
インターネット、かなり使い勝手がよくなりましたが、あともう一息、というところでしょうか。

2009年9月5日土曜日

CONVOCATION

DePaul大学では、今日、コンボケーションが行われました。
アメリカの大学では、新年度の始めに入学式のようなものは行われません。
その代わりかどうかは知りませんが、コンボケーションは、学長、学部長、教授などが、正装して集まり、大学の教会まで行列し、教会で一年の始めを祝う会を行います。
そこでは、昨年功績のあった人表彰やテニアの授与などがおこなわれ、その後、校内で一番大きい会議室に会場を移し、参加者全員昼食を共にします。公立の大学ではあまりないでしょうが、昼食はきちんとしたコース料理でワインも振る舞われます。
このところ、他の行事や仕事と重なって参加していませんが、日本の大学とは少しちがった新年度の迎え方ではないでしょうか。

2009年9月4日金曜日

新学期の準備

ディポール大学は、来週の火曜日、8日に新学期が始まります。
シカゴの公立学校も、同じ8日が新学期の始まりです。毎年、新学期が火曜日に始まるのは、月曜日が、レイバー・デー (労働者の日)で休日だからです。アメリカでは、一般に、夏は5月下旬のメモリアル・デーに始まり、9月第一週のレイバー・デーで終わるということになっています。ですから、レイバー・デーの三連休は、夏休み最後の休み、それぞれバーベキューをしたり、ピクニックに行ったりと最後の夏を楽しみます。
学校では、先生方が、学校の始まる前の週から学校に出て、新学期の準備を始めます。
先週まで静かだった大学のofficeにも人が戻ってきて、あちこちがやがやと騒がしくなってきました。

2009年9月2日水曜日

オリンピック開催地

今日、IOCが2016年の夏季五輪立候補都市に対する評価報告書を発表しました。
東京、リオ、シカゴ、マドリッドに対する評価の内容について、日本のニュースとシカゴのニュースがどのように報道するか興味があったので、いろいろと見てみました。
日本では、東京に対する報告におおむね満足し、課題はあるものの、大会の招致にむけた終盤戦に期待を持たせる内容の報道ばかりでした。
実際、JOCは「高い評価を頂いたことをうれしく思う。招致のゴールに向かって大変弾みがついた」(日経新聞)と記者会見で述べたそうです。
しかし、シカゴのローカルニュースでは、「2016年のオリンピック開催候補地は、リオデジャネイロとシカゴの2都市にしぼられた」(NBC)とまとめています。そして、市民がどの程度支持しているかという数値に関しては、リオ、マドリッド、シカゴについては数値を示し、シカゴは他の2国に比べて市民の期待は低いとしただけで、東京に関する数値は画面にも出しませんでした。
発表された事実をどう解釈するかは報道機関に任されるのでしょうが、このようなことはよくあることです。
インターネットによって、各国発の報道がすぐに手にはいるので、結構楽しめます。

チリ文部省からの訪問 (2)


今日は、午前中、チリからお二人と、教育学部長に紹介し、今後のチリの授業研究プロジェクトについて意見交換をしました。
その後、シカゴのダウンタウンにある高等学校と、市内の小学校にお連れしました。
それぞれの学校では、実際に、授業研究に関わった先生方と直接お話しをしていただきました。
やはり、自分たちで実際に授業研究を経験した先生方との話は参考になったようで、充実した一日でした。
写真は、訪問したシカゴ市立の公立小学校です。

2009年9月1日火曜日

チリ文部省からの訪問 (1)

今日、AP*MSECに、2名の方がチリから見えました。
昨日、チリから着いたそうで、どちらもシカゴは初めてだという事でした。

チリでは、これまで約3年間、日本のJICAのサポートで行われてきた数学教育の振興プログラムが終わり、今後、これまでの成果をもとにどのように発展させていくかを模索しているという話しでした。
また、APECのプロジェクトの今後の展開にも興味を示され、授業研究を通した数学教育の質の向上をよりいっそう推進していきたいが、次の一歩が見出せないのだそうです。
具体的には、多くの人に授業研究を紹介するワークショップを行ったり、日本の先生方に来ていただいて師範授業をしていただいたりしたものの、その成果が、現場の授業にまではなかなか浸透しないというのです。

AP*MSECとして、どのようなお手伝いが出来るのか、明日、さらに詳しくお話を聞こうと思っています。