2010年3月30日火曜日

シカゴ公立学校の予算、教員数の削減 その後

シカゴ公立学校の予算削減による具体策が出されました。
最終的に年間予算が700億円削られ、3200人の教員数削減、それに加えて600人の教員以外の職員が削減されることになったようです。
そして、これまで21億円当てられてきた幼児教育に対する予算が14億円に削減されると同時に、夏期講習、放課後のスポーツプログラムなどの一部が行われなくなると言うことです。
シカゴでは、地元出身の政治家に手紙を送り、何とかこの決定を政治的に回避するような動きが行われていますが、無い袖は振れぬと言うのが現実のようです。

COMMON CORE STATE STANDARDS For Mathematicsの内容

先日発表された、アメリカ統一カリキュラムの草稿に目を通しています。
小学校6年生まで目を通したところ、内容は、かなり日本の学習指導要領に近づいている印象を受けました。
例えば、これまで全くと言っていいほど強調されていなかった式のよみ、式による表現が低学年からかなり強調されるようになったり、基本的な計算技能の習熟が学年ごとに定められたりしています。
また、確率が低学年で扱われなくなった一方、比や比の値を学習した後、中学生では、かなりつっこんだ内容の統計を扱ったりしています。
4月2日までに全てに目を通して、改善点などを提案しようと思っています。

2010年3月27日土曜日

シカゴ公立学校の危機:予算、教員数の削減

シカゴの教育委員会では、来年度1000億円の予算カットを迫られているというニュースが報道されて以来、教員の人員削減や学校予算のカットがどれくらいの規模になるか、といった話題がとぎれません。
現場の先生方の話では、シカゴ公立学校全体で3000人以上の教員が職を失うことになるらしいということで、特に若い先生、職歴の短い先生方が真っ先に職を失うことになると不安を募らせています。
シカゴ公立学校には、約600校の小中高等学校がありますが、3000人の教員をカットすることになるとすれば、ざっと平均しても各校5人の教師が来年度から職を失うことになります。もちろん、子供の数はあまり変わらないので、現在30人が定員の各学級の人数が37人になるという試算も報道されています。
今日、3月26日、各校では、校長が来年度学校に配分される予算を元に、何人の職員にやめてもらうことになるかを発表すると言うことです。春休み直前の金曜日は、多くの先生方にとって憂鬱な日になりそうです。

2010年3月25日木曜日

Yo-Yo Ma コンサート


昨日は、夕方、シカゴ授業研究グループの先生方との月例会を終えた後、夜8時から、ダウンタウンにある、シカゴ・シンフォニーのオーケストラ ホールに、Yo-Yo Maを聞きに行きました。
仕事が終わってから、電車に乗って、このようなコンサートに気軽にいけるのはシカゴの良いところの一つです。
帰りは、バスで自宅まで一本、戻ったのは11時。先週の時差ボケがまだ残っている体には少々長い一日でしたが、久しぶりのコンサートはなかなか新鮮でした。

Albany Park Multicultural Academy 校内研究授業



今回初めて行った学校です。
シカゴ市の北西部にある公立学校で、大部分の子供たちがヒスパニック系です。
新しいきれいな校舎に、写真のように、入り口に物々しい金属探知機と手荷物検査の設備が備えてあるのは、この辺りの地域があまり安全な地域ではないことを示しています。もっとも、私たちが訪問した昼過ぎには、これらの設備は使われておらず、全くのフリーパスでした。
授業は、7年生の生物の授業で、動物の細胞分裂の過程について、中学校の先生と高等学校の先生が共同して指導案を書いた授業でした。
今回は、初めての授業研究ということでしたが、今後どう発展していくか楽しみです。

2010年3月24日水曜日

Sabin Team 指導案検討会

Sabin 小学校の先生方が、DePaulで指導案の検討を行いました。
朝、7時半に大学に行くと、もう既に2人先生が来ていて、私たちのofficeにある数学の教科書をいろいろと調べていました。
6年生の子供たちを対象に5月に行う正の数・負の数のかけ算の授業です。どのようなモデルが子供たちの理解を深めるのに役立ちそうか、シカゴの公立学校で使われている教科書をいろいろと調べながら、案を練っていました。
5月に行う研究授業のために今から指導案の検討を始めるようになったということは、先生方が授業研究についてだんだん理解を深めてきたこということなのでしょうか

2010年3月22日月曜日

Used Textbooks


大学内の書店では、教科書などを中心に学生が使う文房具、その他大学オリジナルの様々なgoodsを扱っています。
学期末になると、ここで、使用した後の教科書の買い戻しもしてくれます。Cash for Books という張り紙があるように、使った教科書を持って行くとその場で現金で買い取ってくれるので、学生にとってはずいぶんと助かるようです。アメリカの大学の教科書は値段がはります。教育学部の教科書でも一冊1万円くらいは当たり前なので、ばかになりません。
もちろん、この中古の教科書は、春休みの後、すぐに書店の店頭に並びます。同じ教科書でも、新品、中古の何れかを選ぶことが出来ます。もっとも、最近は、アマゾンでも、教科書が新品、中古のどちらでも安価で手にはいるようになりました。

2010年3月20日土曜日

期末試験週間


期末試験週間も後半になると、大学構内はだんだんと人影がまばらになってきます。
校舎に一番近い教職員専用の駐車場にもぱらぱらと空きが目立つようになりました。
ぽかぽかと暖かい日だったので、今日は、昼に大学の近くを歩きました。
すっかり春、といいたいところですが、この週末はまた寒さが戻り、天気が崩れるかもしれないという予報です。

2010年3月18日木曜日

期末試験

今週、DePaulは冬学期の期末試験週間です。
先週の週末から夏時間が始まり、来週は一週間の春休みと言うことで、キャンパスは、ようやく長かった寒い冬が終わるという開放感に包まれています。
昨晩の現職の先生方の授業では、期末試験をしました。今晩の院生の授業では、最期のプロジェクトの発表です。
このあと、来週いっぱいに成績を提出しなければ成りません。
時差ボケの体に夜の授業は少々辛いところですが、あと一息、眠いのを我慢しながらの授業です。

2010年3月17日水曜日

Evanston Township Hight School 校内研究授業


本年度5回目の校内研究授業が行われました。
第一回目にくらべて、指導案に予想される反応が詳しく書かれるようになったり、協議会に深まりが出てきたりと、少しずつですが研究授業らしくなってきています。
本年度はこれで最期となりますが、学校側は、この夏の授業研究夏期講習会に先生方を参加させ、来年度も続けて行きたいと言っていました。
ちなみに、今日はセント・パトリックス・デーで、生徒や先生たちの中に、緑色の服を着ていたり、髪に緑色のスプレーをかけていたりしているのが目につきました。なんとも、アメリカらしい授業風景です。

東京よりシカゴへ

日曜日の午後に東京に到着し、月曜日に予定していたいくつかのミーティングを済ませ、火曜日16日の飛行機でシカゴに戻りました。
成田からシカゴまでは、今回の旅行で唯一のアップグレードができました。
お陰さまで、シカゴ到着後もあまり疲れがたまっておらず、助かりました。
明日、水曜日には、午後から研究授業が一つ、その後、夜のクラスは期末試験です。

2010年3月14日日曜日

サムイ島での休日



カンファレンスを終え、土曜日は、朝から一日シュノーケリング・ツアーに参加し、南の海を満喫しました。
暖かい南の海はとても気持ちよく、久しぶりに熱帯魚に囲まれて泳ぐと頭と体の疲れから解放されます。
夕方、5時半にホテルに戻り、シャワーを浴びてそのまま空港に、そして夜8時の飛行機でバンコクへ、
空港のホテルに泊まり、日曜日の早朝、6時の飛行機で成田に向かいました。

2010年3月13日土曜日

APEC 数学教育カンファレンス 無事終了


今週の月曜日に始まった5日間のカンファレンスも無事に終了しました。
会場となったスラタニ・ラジャバット大学、およびコンケーン大学、そしてタイ文部省の高等教育局のサポートで全てのプログラムが滞りなく終わりました。参会者からも、内容の濃い、充実した5日間だったという感想をたくさんいただきました。
写真は、カンファレンスの前日からお手伝いくださり、最終日まで全てのプログラムに参加してくださったスラタニ・ラジャバット大学の数学教育の先生方です。
今回のカンファレンスが、多少でも地元の先生方や学生さん達の刺激になれば幸いです。

2010年3月11日木曜日

APEC 数学教育カンファレンス 歓迎レセプション




今回のカンファレンスは、タイ文部省、コンケーン大学に加えて、会場を提供していただいたスラタニ・ラジャバット大学の協力によって実現しました。
特に、スラタニ・ラジャバット大学は、教員は勿論、観光学科の学生を中心に多くの学生が会場に常駐し、会議の司会、参会者の案内、マイクやインターネット等を必要なときにいつでも提供してくれるというすばらしいサポートを提供してくれています。
水曜日の夜は、大学の招きで浜辺に特設された会場で、タイ料理を食べながら、様々な民族舞踊や音楽を楽しませていただきました。
レセプションの最後に、司会者から、このレセプションで行われたパフォーマンスは、すべて大学の学生と先生方によって行われたと聞き、大変驚きました。言われてみて初めて美しい民族衣装を着ているのが、昼間、会場でいろいろ世話をしてくださっている学生さんたちと気がつきました。

COMMON CORE STATE STANDARDS FOR Mathematics

いよいよ、アメリカの統一カリキュラムへの動きが具体化しました。
アメリカ時間の今日、ドラフトが公開され、4月2日まで、一般からの意見を聞き、それを考慮して最終的にアメリカ統一カリキュラムが制定されます。法的な根拠は無いものの、既に48以上の州と地域が採用を決めています。
おそらく、アメリカばかりではなく、多くの英語圏の数学教育に影響を与えることになると思います。
http://www.corestandards.org/

2010年3月10日水曜日

APEC 数学教育カンファレンス 第3日目




今日は、長い一日になりました。
午前中は、私が発表する教師教育のプレナリーセッションがありました。
午前中いっぱい活発な議論に参加した後は、昼食、その後、近くの小学校に訪問しました。
タイの子供たちは、いつも優しい笑顔で迎えてくれます。微笑みの国と言われますが、小学校に行くと、いつもこれを強く実感します。
その後、訪問した学校から一年生の子供たちを招いて公開授業を行いました。コンケン大学の院生や先生方が作成した指導案に基づく、立体図形の概念形成を目的とした授業です。今回は、協議会も、タイで実際に授業研究に関わっている先生方にしていただきました。

2010年3月9日火曜日

APEC 数学教育カンファレンス 第2日目


熱帯の夜明けは、湿気を伴う暑さとともにゆっくりと訪れました。
今日から、いよいよ本格的なカンファレンスが始まります。朝は、例によって夜明け前に目が覚めたので、オープニングの教育課程に関するセッションの準備をしました。
今回は、5つのトピックで、15のプレゼンテーションが行われ、17人の発表者と5人の討論者が、3日半にわたって議論をします。

2010年3月8日月曜日

APEC 数学教育カンファレンス



今日からカンファレンスが始まります。
昨日は、日曜日にもかかわらず100名近くの学生が会場となるスラタニ・ラジャバット大学の校舎で会場設営をしていました。
開会セレモニーでは、会議の参加者一人一人に美しい花が贈られました。
また、別室ではプレス・カンファレンスも行われ、このカンファレンスへの期待の大きさが感じられました。

バンコクからサムイ島へ


日曜日の午前、バンコク国際空港を発ち、サムイ島に着きました。
観光客に混ざって、見慣れた顔を見つけました。カンファレンスの参加者の多くが、今日の午後にサムイ島に着きます。観光の中心から少し離れた落ち着いた浜にあるホテルは美しい海に面しています。
明日から5日間にわたって、この美しい島で、カンファレンスが行われます。

2010年3月6日土曜日

バンコクへ

昨晩の授業を終えてから荷物を詰め込み、今朝、O'Hareからバンコクに発ちました。
成田で2時間ほど給油のための待ち時間を過ごし、バンコクには現地時間の夜中に到着しました。
ほぼ、24時間の旅です。
バンコクの空港のホテルに一泊し、明朝カンファレンスの行われるサムイ島に発ちます。
最近は、飛行機の本数を減らし、座席を少なくし、運行効率をあげているためか、いつもほぼ満席です。
飛行機会社にとっては効率がいいのでしょうが、こちらとしてはいくらマイルを持っていてもアップグレードできません。

2010年3月5日金曜日

教員養成課程(大学院)の授業

大学院レベルの教員養成課程の授業、今学期は今日で最期です。
来週は私がタイに行っているので、学生は、再来週のプロジェクト・プレゼンテーションの準備です。
そのために、今日は、最終プレゼンテーションの概要を説明してもらい、それぞれのチームに対してsuggestionを与えました。
どのチームも、いまのところ、何とかいいせんでプレゼンテーションの準備を進めているようです。

2010年3月4日木曜日

APECカンファレンス

準備もいよいよ大詰めです。
会場等の準備を進めるタイの大学と、アメリカ連邦教育局、そして私の間のメールのやりとりが頻繁になっています。
もっとも、ここ2-3日は、内容よりも運営上の最終的な詰めに関する修正が中心です。発表者のペーパーも、あと最後の一つを残してようやく今朝になってそろいました。
同時に、今日は、タイから戻った翌日に中学校の先生方を対象にして行っているクラスの期末試験問題を作り、もう一つのクラスの最終課題を整理してwebにアップロードしました。
送れてきたカンファレンスのペーパーを読むのは、往きの飛行機になかでということになりそうです。

2010年3月3日水曜日

MAT401 サイト・ビジット

中学校の先生方を対象とした数学のプログラムに補助金を出しているイリノイ州の教育局からの視察(site visit)がありました。
この新しいプログラムのうち、最初の2つのコース、MAT400とMAT401の様子についていろいろと話をしました。
DePaulは州立大学や他の私立に比べて授業料が高いので、このような州からの補助金は大変重宝します。今後も、このような補助金が続くよう、授業の内容、参加者がどのようなことを身につけたか、しっかりと資料をとって報告することが重要視されます。

2010年3月2日火曜日

来週の準備

オリンピックも無事に終わり、テレビのニュースも平常に戻ったようです。
タイで行う、APECのカンファレンスが来週に迫ってきました。
来週は授業が出来ないので、その分の課題の準備を整えなければなりません。といっても onlineで活動をしてもらうので、おおかた資料はそろっています。特に、現場の先生方のクラスでは、APEC Wiki のビデオを使って活動をしてもらおうと思っています。
今週のクラスで提出してもらう課題は、おそらくタイについてすぐに採点しないとならないかと思います。
インターネットさえあれば、課題の提出も採点も、課題に関するコメントも全てコンピュータの画面上で行うことが出来ますが、さすがにタイに行くとインターネットが遅いので、少々心配です。