2009年8月29日土曜日

センター プロポーザル

昨日に続き、プロポーザルの構成についていろいろ吟味しています。
西海岸、東海岸、南部、中西部で、それぞれに役割を分担し、一つの大きなプロジェクトを作り上げていきます。
一昔前までは考えられなかったほどインターネットが便利になったので、ファイルの交換、アップデート、次のミーティングの日程の調整などが、インターネット上のさまざまなツールを使って簡単に行えます。
ただ、インターネット上の共同事業は、一つの部屋で机を並べているのと異なって、相手の表情や、仕事の進み具合などがわかりにくいため、顔をつきあわせて仕事をする以上に、信頼関係を保つことが大切だと思います。
昨今、インターネットを介しての人間関係、社会問題などが顕在化する中で、生まれたときからインターネットが存在する社会で育っている子供たちに、どのようにして人間関係を築いていくことが出来るのだろうかと考えさせられてしまいます。

2009年8月28日金曜日

センター プロポーザル

昨日、午後、アメリカ国内4カ所をむすんで、電話で会議を行い、申請するプロジェクトの概要について話し合いました。
プロポーザルに要求される様々な条件に合うように研究プロジェクトをデザインするために、1時間半にわたって話し合いを行いました。
参加されるそれぞれの意見をまとめ、おおかまかプロジェクトの概要が見えてきました。
このあと、10日ほどで、下書きをまとめ、それに基づく予算案を立てます。
最終的には、大学を通して申請することになるので、申請の締め切りよりも2週間程度早めに、大学に最終案を提示しなければなりません。
これから、9月中旬まで、少し忙しくなります。

2009年8月27日木曜日

Evanston Township Hight School

シカゴ市の北隣にあるエバンストンの高等学校に行ってきました。
エバンストンは、ノースウェスタン大学があることで知られている町で、その町の高等学校は、全米でも良い高等学校として知られています。
その高等学校が、昨年から授業研究を始め、今年からもっと授業研究を深めようと、AP*MSECに声をかけてきました。
エバンストンの高校は生徒数が多いので、数学の先生だけで30人余りいます。
この数学科の先生方全員に、一年間通して授業研究の手ほどきをして欲しいというのが、学校の依頼です。
午前中、2時間ほど打ち合わせをし、今年一年の教員研修の日程と内容をつめました。
年間、6回の研究授業を行い、先生方に、指導案の立て方、研究授業の参観の仕方、そして、協議会の進め方を指導することになりました。

2009年8月26日水曜日

センター プロポーザル

先日このページでふれた、プロポーザルの件で、今日は一日追われていました。
今日の午後、アメリカ連邦政府教育局の担当者と、現在私たちの考えているプロポーザルの内容について、プログラムの趣旨に照らし合わせて適切か、また具体的な計画を考える上で考慮する必要があるかなど、電話で話し合いました。
午前中は、このために必要な資料をそろえ、午後、話し合いの内容を整理しました。
明日は、今日の話し合いをもとに、今回のプロポーザルに加わる他大学、研究機関の代表などと、電話で話し合い、プロポーザルの内容と、分担について話し合います。
一週間後をめどに、下書きを仕上げる予定です。

2009年8月25日火曜日

チリ文部省からの訪問

8月31日、9月1日の2日間、チリの文部省から2人の方がAP*MSECを訪問することが決まりました。
メールで詳細を詰めていますが、日本の授業研究を、アメリカの学校に位置づけるにあたってどのような点に配慮し、どのようなプロセスを踏んできたかということを調査に来られると言うことです。
また、同時に、ビデオによる資料を作るにあたって必要な技術的な面の指導もして欲しいという依頼です。
できれば、シカゴの公立学校に授業を見に行っていただきたかったのですが、残念ながら学校は、まだ始まっていないので、実現できません。
それでも、なんとかシカゴで授業研究に取り組んでおられる先生方に来ていただき、これまでの体験などを具体的に話していただく予定で計画を始めました。

2009年8月21日金曜日

チリ文部省

先日、APEC人材開発ワーキンググループの会議に参加されたチリの代表の方から、依頼のメールが届きました。
依頼の第一点は、今月末、チリ文部省の担当者をシカゴに派遣し、AP*MSECの活動について詳しく知りたいということ、そして第二点目は、9月下旬、私の都合がつけば、チリに来て、今後のチリの数学教育に関して話しをして欲しいというものでした。
第一点目については、新学期の始まる直前で、特に大きな行事も予定されていないので、ぜひ来ていただけるよう準備を始めました。また第二点については、昨日このブログに書いた、次のプロジェクトのプロポーザルの締め切りと重なり少し厳しいかと思いましたが、せっかくの機会なので、チリを訪問する方向で検討を始めました。

新たなプロジェクト

AP*MSECの新たなプロジェクトのためのプロポーザル作成に向けて検討を始めました。
今回のプロポーザルは、結構規模の大きなものになる可能性が高いので、アメリカ各地にいる研究者や、NPOなどに打診し、実現の可能性を探っています。
来週早々にでも最終的な判断をし、実現可能となれば、具体的な作業に取りかかろうと考えています。
提出の締め切りは、9月いっぱい、やるとなると結構厳しいスケジュールになります。

2009年8月20日木曜日

秋風

蒸し暑かったNYCとうってかわって、シカゴは、カラットさわやかな天気で、少々肌寒いくらいに感じる朝晩の風は、既に秋の気配です。
今日は一日、たまった仕事を片付けました。
先週一週間続いた授業研究夏期講座、そして、直後のニューヨーク行き、後には片付けなければならない仕事が山のようにあります。
夕方から時折激しい雷雨に見舞われました。これは、この週末まで断続的に続くようです。

2009年8月19日水曜日

ハーレム ビレッジ アカデミー




NYC ハーレムにあるチャータースクールに招かれて、問題解決学習の話しをしてきました。
以前よりはだいぶよくなったとはいえ、ハーレムの町はまだまだ歩いて気持ちのいいところでは無いようです。
この町にある、公立学校の建物を借りて、ハーレム・ビレッジ・アカデミーは数年前に開校しました。現在5年生から9年生までの子供たちを対象に、貧しい地域に子供たちの学力向上に取り組んでいます。
一般の公立学校と異なり、この学校の先生方は、夏休みも毎日学校に来て研修に励んでいます。
私は、数学の先生方を中心に、数学的な考え方を高める問題解決型の授業について、3時間ほど話しをしました。
若い熱意のある先生方が多く、ハーレムの教育を少しでも良くしようという情熱が伝わってきました。

2009年8月18日火曜日

NYC マンハッタン




午前中、大学で2つほどミーティングをすませたあと、オヘア空港に向かい、午後の飛行機でNYに来ました。
ブロードウェーと、W78ストリートの交差点の近くにあるホテルに到着し、近くにあるセントラルパークに散歩に出かけました。
月曜日の夕方、多くのニューヨーカーがジョギングを楽しんでいました。ホテルがこんなにセントラルパークの近くにあるのを知っていたら、走れるような靴と服を用意してくれば良かったと後悔しました。
そのあと、ニュージャージからビルが奥さんと一緒にたずねてきてくれ、食事に出かけました。17stにあるバスタパスタというイタリア料理の店は、東京にある店の支店だそうで、店内では日本人スタッフがきびきびと働いていました。月曜日というのに、店は満員、予約があっても待たなければならないほどの混雑ぶりでした。
ビルは、ニュージャージ州の公立学校の先生で、これまで何度となく一緒に研究授業をしてきた仲間です。
ビルのおかげで、おもいがけなくマンハッタンの夜を楽しむことが出来ました。

2009年8月14日金曜日

授業研究 夏期講座 第5日目 最終日

全てのチームが指導案の概略を発表し、指導案を仕上げました。
この後、それぞれのチームは、学校が始まってから、指導案の最終仕上げと授業の準備のために一日集まり、その後、研究授業を行います。
最終日の午後は、各学校が難関の行事予定ならびに、単元の指導時期を見て、研究授業の年間計画を立てました。
この計画に基づいて、お互いが、研究授業を見に行けるよう、学校に帰って管理職と交渉します。

参加者に書いてもらった夏期講座の評価を読んでみると、とても肯定的なものが多く、今年もまずまずの成果を挙げることが出来たと思います。また、この講座も3年目となり、シカゴ授業研究グループの先生方が、主体的に準備をし、互いにリードして講座を運営できるようになったことも、大きな成果でした。

授業研究 夏期講座 第4日目


一週間の講座もいよいよ大詰め、今日の午後から、各グループが指導案の概略について発表を始めました。
今日は、6グループのうち、2グループが発表しました。
最初に発表したのは、小学校低学年のグループで、確率の考えを指導する授業です。日本では、とても考えられないことですが、イリノイをはじめ多くの州の基準では、確率を小学校低学年から扱うことになっています。
二番目のグループは、シカゴ市内の職業高校のチームで、連立方程式の導入です。未知数が2つある場合は一つの式では解が定まらないということを子供たちに理解させようといろいろ工夫していました。
残る4チームは、明日、最終日の午前中に発表し、それぞれ、他のチームからの意見をもとに修正し、明日の午後に指導案を完成させます。

2009年8月13日木曜日

授業研究 夏期講座 第3日目


いよいよ各チームは、指導案の内容検討に入りました。
まずチーム毎に、決めた指導内容をどのように教えるか、簡単な単元の展開案をつくり、本時を決めました。
実際に授業をするのは、9月の新学期が始まってからになるので、それぞれ、内容に応じて、いつ頃研究授業をするかということも、学校のスケジュールとつき合わせながら検討しました。
午後からは、トムが、指導案の見本を見せながら、どのように指導案を書いていくか、またそのために何を検討しなければならないかを説明しました。また、発問を検討するときに、どのような点に注意したらよいかといったことも説明しました。
各チームとも、明日、木曜日の午後には、授業のおおまかな展開案を作り上げ、発表します。

2009年8月12日水曜日

授業研究 夏期講座 第2日目


今日は、それぞれのチームが、授業研究の主題を決め、その主題を具現化するための概念図を作りました。
写真は、Collaborationを主題としてあげた、シカゴ授業研究グループのテーブルの話し合いの様子です。
お互いの考えるCollaborationの在り方、またそれを具現化するために必要な条件、要素などを出し合い、それをスティーブが図にまとめているところです。
それぞれのチームの主題が大まかにまとまったところで、チーム毎にポスターの内容を発表してもらい、それぞれの主題が明確かつ理にかなったものであるか、意見交換をしました。
初めての経験で、緊張していたグループもあるようでしたが、意見交換を通して、お互い気軽に質問し会える雰囲気が出来上がったように思います。
今後、それぞれのチームは、それぞれの決めた主題のもと、指導案の作成にかかります。写真のグループは、指導内容を高等学校の代数にしぼりこみ、指導案を考えていきます。

2009年8月11日火曜日

授業研究 夏期講座 第1日目

24人の受講生と、6人のシカゴ授業研究グループメンバーおよびスタッフ、合計30人で第1日目が始まりました。
今年の受講生は、シカゴ市内の三つの学校から集まりました。
これから、五日間かけて授業研究のプロセスを学び、同時に自分たちのテーマに基づいて各チーム一つずつ指導案を立てます。
いったい、どのような指導案が出来るか、いまから楽しみです。

2009年8月9日日曜日

ベルモント・ハーバーの夜明け


日曜日、まだ時差ボケの残る勢いで、朝、1時間ほどミシガン湖畔を走ってきました。
6時少し前に家を出て、ベルモント・ハーバーまでは、ジョギングで約5分、シカゴはミシガン湖の西岸にあるので、夜明けがとても綺麗です。
ベルモント・ハーバーはには、ヨットが多いので、何ともゆったりとした風情があります。
昨年今年と夏の間忙しくしているので、まったくヨットが出来ずにいますが、この夏、一度くらいは湖に出ようかと思いました。
バタバタしているうちに、夏ももう残りわずかになってきました。たまっている仕事を片付けることばかりでなく、少しは美しいシカゴの夏を楽しまなければと思いました。

2009年8月8日土曜日

新連載のタイトル

以前お話しした「新しい算数研究」誌への連載のタイトルを決めました。
ソフィア・コッポラがアカデミー賞を受賞した映画、ロスト・イン・トランスレーションの題名から、

数学教育
Lost in Translation
〜英訳和訳で見えてきた日米の違い〜

というタイトルにしました。
9月号から連載開始ということで、いま、第一回の連載原稿を書いています。第一回は、分数に関する表現方法、そして指導方の違いなど、日米だけでなく、シンガポールをも交えて比較してみました。
どうぞ、お楽しみに・・・

2009年8月6日木曜日

学習指導要領解説 中学校数学編の英訳

今週から、中学校数学の解説書翻訳のプロジェクトを始めました。
日本語と英語の対訳として、日本の先生方や、発展途上国で現地の教育を支援されている日本人にも活用しやすいようにという配慮からです。
同時に、以前完成させた小学校算数の解説書も、この機会に、文部省から発表された学習指導要領の英語訳に会わせて表現の修正を行い、小中の表現を統一し、使う人が混乱しないようにする計画です。
学習指導要領の解説書は、日本の算数・数学指導の基盤となる考え方を明確に示す文書として大変重要な役割を持っています。したがって、このような資料が存在しないアメリカをはじめ他の国々にとっては、大変貴重な資料となります。
平成元年度版の学習指導要領指導書の時には、アメリカで自主的に英訳し、研究用として多くの方々に活用していただきました。
今回は、日本の研究機関の仕事として行うため、結果として、日本が自ら英語で海外に発信するという形になります。
これまで日本語だけでしか公表されていなかった日本の貴重な資料を、日本自ら英語にし、海外に発信するということ、今後の日本のありかたとして、大変重要な一歩だと思っています。

2009年8月5日水曜日

授業研究 夏期講座の準備 2日目

昨日に引き続き、12時から3時間ほど、来週の準備を進めました。
過去二回は、主として私と、講師として来ていただいたケネソー大学の渡辺さんが講義を行い、一週間の予定も、ほぼ私の考えて決めてました。
しかし、今年は、もっとシカゴ授業研究グループの先生方に計画してもらい、講義もなるべく彼らにしてもらうようにしました。
授業研究とは、本来、先生方自身が進めていくものですので、それに少しでも近づけたら、という気持ちです。
昨日に続いて、今日も熱心な議論が行われ、5日間の予定と講義の分担など全てが決まりました。
木曜日と金曜日で、トムと私が細かい準備を済ませれば、あとは当日を待つばかりです。

アメリカの先生方と授業研究を進めていて感じることの一つに、ほとんどの先生方が、同僚と協力して行事を計画し、実行するという経験を持っていないと言うことです。日本では、運動会に始まり、研究発表会、さらには月例の研究会等々、様々な仕事を、いわゆる校務分掌として経験します。しかし、自分の教室で授業をするだけのアメリカの先生方には、このような経験がほとんどありません。強いて言えば、自分の学級の子どもを遠足に連れて行くことくらいでしょうか。ですから、研究授業一つ計画して実施するのも大変なことなのです。
日本の先生方は、研究授業をするとき、指導案を一緒に作り上げるだけでなく、研究授業当日に向けて学年などで作業を分担し、会場準備から教材教具の準備、そして研究協議会、時には反省会と称した飲み会まで準備し、滞りなく行います。(時には、不平をこぼしながらも)
日本では当たり前のこれらのこと、そうでない国の先生方から見ると、実にすばらしい協同体制が出来ていると関心するに値することなのです。

2009年8月4日火曜日

授業研究 夏期講座の準備

今日、午後から、シカゴ授業研究グループの先生方が集まりました。
大学の会議室を使って、来週行われる一週間のプログラムの準備を始めました。
今年の夏期講座には、23人の先生方が申し込んでいます。5日間、朝から夕方まで、びっしりの日程を通して授業研究の紹介、教材研究、そして指導案の作成を勉強します。
既に、参加者ひとりひとりに2冊の本を送り、来週月曜日までに眼を通してくるようにお願いするなど、基本的な準備は住んでいるので、今日は、主に、日程の確認、そしてお互いの役割分担について話しをしました。
今年で、3年目を迎える夏期講座。講座を運営する先生方も、見通しを持って準備を進めてくださっています。

NSF への意思表示

3週間ぶりにシカゴに戻りました。
今回は、アジアに滞在した期間が長かったせいか、前回と比べものにならないほど激しい時差ボケに悩まされています。
今日は、久しぶりに大学にもどり、今日が締め切りのNFS(全米科学財団)への補助金申請のための意思表示をしました。
意思表示は、インターネットを使って、補助金申請への計画の概略を提出します。私の留守中、トムが中心になって準備を進めてくれていたものを、最終的に確認して提出しました。
この後、2ヶ月ほどじっくりと計画を練り上げ、正式なプロポーザルを準備します。