2009年3月31日火曜日

7月 インドネシア

以前問い合わせのあったインドネシアの大学から、正式に招待状が届きました。
7月中旬、インドネシアのジョグジャカルタにある大学、Yogyakarta State University of Indonesiaで行われるカンファレンスで話しをすることになりました。
ジョグジャカルタは、インドネシアの古い都だそうで、ボロブドゥール寺院遺跡群などの世界遺産へのゲートシティーだそうです。
アメリカから飛行機で行くには、シンガポールかバンコクで乗り換えということになりそうなので、ついでにシンガポールかタイの学校に寄って、その後の研究の様子を参観させてもらうのもいいかと考えています。
何れにしろ、ここ2-3週間のうちに予定を決めなければならないと思います。

2009年3月29日日曜日

AP*MSEC コロキウム


朝一番で東京から来られた先生方をオヘア空港までお送りし、AP*MSEC に戻ってきました。
朝8時半に着いたときには、9時からのコロキウムに来られた先生方が既に何人もおり、AP*MSEC のカンファレンスルームは賑わっていました。トムとスティーブが既に準備を済ませていてくれました。
今日は、数学科の教授のスザンナ・イップ氏が、国際数学教育ビデオ比較(TIMSS 1999ビデオ・スタディー)の香港のビデオを題材に、その背景にある数学や指導法の工夫について話しをしてくれました。
コロキウムも3回目となり、次第に多くの先生方が来てくれるようになりました。
次回も、他の国の算数・数学の授業ビデオを観て意見交換を続けようということになりました。

2009年3月28日土曜日

アメリカの教育事情視察 (4)


これまで、シカゴ市の公立学校を視察してきましたが、今日は、2つの私立学校の幼稚園を訪問しました。
最初は、フランシス・パーカーです。ここは、ジョン・デューイの理念に基づく進歩主義教育の伝統を守る学校で、シカゴではトップクラスの学校です。そして、二番目に訪れたのはアンコーナです。ここは、幼稚園はモンテッソリー、そして小学校はモンテッソリーを土台に新しい教育をとりいれたユニークな教育課程の小規模学校です。
どちらも、本来の幼稚園教育の趣旨を守り、進歩主義教育の伝統を継承してている数少ない学校です。
今回の視察で訪れた4校の幼稚園の実態から、アメリカの教育現場が直面している問題が浮き彫りになった3日間でした。

2009年3月27日金曜日

アメリカの教育事情視察 (3)


今日は、セイビン・マグネットスクールで幼稚園の3クラスを参観しました。
昨日のウィリアムスは、アフリカ系の子供たちが中心でしたが、今日の学校は、スペイン語系の移民の子供たちが多く通う学校です。この学校も、家庭的に恵まれない子供たちが多く、ホームレスの子どもを含め、何らかの生活保護を受けている子供たちが90%以上を占めます。
昨日、今日の参観を通して話題になったのは、時代と共に変わってきた子どもを取り巻く社会環境、家庭の教育力の低下といった問題への対応から、小学校1年生までに、社会的、家庭的にハンディをせおった子供たちのハンディを取り除くという役割と、知的好奇心、社会性の育成といった幼稚園本来の持つ役割とのどちらをより重要視するか、といったことでした。
簡単には答えのでない問題ですが、今後、日本を巻き込むであろうより激しい社会の変化を予想させるようなアメリカの実態に、日本の今後の課題をみた思いがしました。(セイビン小学校の校長先生、幼稚園の先生方と)

2009年3月26日木曜日

アメリカの教育事情視察 (2)


シカゴ公立学校の一つ、ウィリアムズ・マルチプレックス小学校に行きました。
この学校は、6年前、市によって学校がいったん閉鎖され、貧しい地域の子供たちの学力向上を目指して、新しいスタッフによって再開された学校です。この幼稚園では、貧困に関わる様々な問題を克復し、子供たちにきちんと学校に通学できる環境をサポートすることを中心に、3歳児からのプリスクールプログラムが設定されています。また、親の手がかかっていない子供たちに、社会生活に必要な技能を身につけさせることから、教科を学ぶための基礎的な生活習慣や仲間とのかかわりを身につけることまで、様々な支援を行っています。

2009年3月25日水曜日

アメリカの教育事情視察 (1)


東京から3人の先生方が、シカゴに視察に見えました。
アメリカ教育事情、とくに入門期の教育現場に興味を持たれているようです。昨日の成田の事故のせいもあって1時間ほど到着が遅れましたが、無事にオヘア空港に到着されました。
シカゴのダウンタウンをまわって、ホテルにチェックイン。
シカゴは既に夏時間なので東京との時差は14時間あります。明日からの学校訪問等に備えて、今日は体調を整え、時差に慣れていただくようお願いしました。

2009年3月24日火曜日

スタッフ・ミーティング

今週、 大学は冬学期と春学期の間で一週間の春休みです。おかげでキャンパスは静まりかえっていていいのですが、どうも建物の暖房のききが悪くやっかいです。
6月のAPEC人材開発ワーキンググループ開催に関して、シカゴ市長に依頼していた声明書が届きました。
この声明書を添えて、今度は連邦教育局長官へ、大学の学長名で招待状を出す準備をしています。
月曜恒例のスタッフ・ミーティングでは、このような政治的な手続きをどのように進めていくか、また、どのような経路で事を進めていくのが効率的かといった確認をしました。
さらに、4月の下旬にワシントンDCで行われるNCTM(全米数学教師協議会)の年会のおりに、連邦教育局を訪れ長官と面会する約束がとれました。スタッフ・ミーティングでは、AP*MSECとしてどのような提案をするか、これまでの話を整理してまとめる段取りを決めました。

2009年3月21日土曜日

AP•MSECのロゴ


懸案だったロゴが決まりました。
スタッフの意見がなかなかまとまりませんでしたが、最終的にこのロゴに決まりました。
センターの3つの目標及び国際的な役割を表すのにいろいろと意見交換をしました。
また、APMSECが、正式にAPECの大学センターの一つと認定されたので、APECのロゴと並べて使った場合にもお互いのロゴがはえるような色合いに工夫しました。

学部長決定

先日のキャンパス・インタビューの結果をもとに、大学が候補者を一人に絞り、オファーをだしました。
その結果、候補者が正式に大学のオファーを受け、学部長が決定しました。
副学長が正式に発表したメールによると、新しい学部長は、7月1日に就任します。
一般には、大学からのオファーをもとに、給与、待遇等の交渉が行われ、正式な契約が結ばれます。DePaulの教育学部の場合、学部長の任期は5年間で、この後、5年間の業績を見てその先の契約が結ばれる様です。
ともかく、長かった選考委員の仕事も無事成功裏に終わりました。

2009年3月20日金曜日

研究授業


シカゴ公立学校の一つ、セイビン・マグネット・スクールで、研究授業がありました。
3年生を対象にした分数の概念形成を目標にした授業です。先日、私がオークランドで行った授業の指導案を参考に、長さを測定する場面を通して分数の概念形成をしようという授業でした。
今年、一年目の男の先生が、時折、スペイン語を交えながらのバイリンガルで授業を行いました。
課題の多い授業でしたが、協議会には校長先生も自ら参加し、なかなか充実した意見交換が出来ました。
今年の、5月の授業研究カンファレンスでは、今日の公開学級の子供たちを借りて、私も公開授業をしようと思っています。
(写真は、学校の図書室を使って行われた協議会の様子です)

2009年3月19日木曜日

シアーズタワー

シカゴにある北米で一番高いビルディングが、呼び名を変更することになりました。
長年、シアーズ・タワーとして親しまれてきた高層ビルが、今度からウィリス・タワーと名前を変えることになったそうです
日本でも、最近、建物や施設の名前を売るということがおこなわれるようになってきたそうですが、今回の名称変更は、特にビルの名前を売り買いしたと言うことはないということです。
そうなると、どこまで、新しい名前が浸透するか・・・・
相変わらず、一般の人は、シアーズ・タワーの名で、呼び続けれるかもしれません。

このニュースが発表された当日、シアーズ・タワーには、たまたま日本人の子供たちが見学に訪れていたようで、ニュースに、子供たちが紹介されていました。

2009年3月18日水曜日

Education Dinner

久しぶりにTomの家に集まりました。
今夜の話題の中心は、学校にふりかかる金融危機の影響についてでした。
シカゴの公立学校では、すでに今年度分として割り当てられていた市からの予算と州からの予算の一部を返還するような動きが始まっていると言うことでした。
いつも不思議に思うのは、どうしてこうもすぐに学校に影響が来るかと言うことです。予算カットは次年度からではなく、年度の途中からもやってきます。
ある高校では、来年度、入学する生徒の数は増えるのに、先生の数を8人減らさなければならないという決定が伝えられ、来年度に向けて実際にどうするかいろいろと検討が始まっていると言うことでした。
オバマ大統領の下、連邦教育省長官のアニー・ダンカンが、景気対策のための予算をどのように使うかに注目が集まっています。

2009年3月17日火曜日

学部長選考 最後の会議

先週までの面接の感想を、教授、スタッフ、学生にアンケートしました。この結果を基に、今日、委員会は最終の報告書をまとめました。
選考委員会の役目は、それぞれの声と、委員会独自の調査の結果を中立な立場でまとめ、学長 (president)、および学務担当副学長 (provost) に報告するところまでです。
昨年秋から始まった選考委員の仕事は今日でお役ご免です。この結果、一人の候補者に大学からオファーが出され、それを候補者が受理すれば、正式に採用が決定します。ただ、この過程で、待遇などがあわずに候補が受け入れなければ、来年度までは学部長なし、そして、もう一度一から学部長選考がやり直されることになります。

2009年3月16日月曜日

早春のシカゴ



朝、まだ暗いうちにアルバカーキ空港を発ち、シカゴには昼前に着きました。
午後から、久しぶりに湖畔に走りに行きました。
まだ、ベルモント・バーバーには氷が残っていましたが、ぽかぽかと柔らかい日差しがさす日曜日の午後は、春を待ちわびている人には絶好の散歩日和だったようです。
湖畔は、半袖短パンでジョギングをする人から、厚いコートを着てゆっくりと散歩する人までさまざまでした。
2月の上旬からミネソタ、カタール、オークランド、アルバカーキと続いたハードスケジュールが一段落つきました。
このあと、4月の下旬に,ワシントンDCであるNCTMまでは、シカゴに腰を落ち着けて、たまった仕事と、運動不足を解消します。

2009年3月15日日曜日

テント ロック キャニオン(Tent Rock Canyon)




ワークショップを終えた後、アルバカーキから車で一時間弱のところにあるテント・ロック・キャニオンに出かけました。
サンタフェにむかう幹線道路を北に向かって進み、途中から東にそれると、見渡す限りの原野をひたすらまっすぐに走ります。
そして、ネイティブ・アメリカンの居留区をぬけて、テント・ロック・キャニオンに着きます。
ここには、その名の通り、まるで、ネイティブアメリカンのティーピー(テント)のような岩が現れます。
今回のワークショップの主催者のご主人、デイビットの案内で、キャニオン・トレールにはいると、人一人がやっと通れるほどの渓谷で、雨が降るとここが川になるというのは信じられないようなところでした。
ほんの2時間ほどのハイキングでしたが、アメリカ南西部の広大な自然の一端に触れることが出来たような気がしました。

分数ワークショップ


アルバカーキ公立学校の中学校、高等学校の先生を対象に、日本の小学校の教科書で使われている比例数直線図の活用に焦点を当てながら、分数指導について話しをしました。
土曜日の朝、8時半から午後1時すぎまで、休憩をみながら、比例数直線図、そして、それをもちいた分数の演算指導についての話しをしました。
日本の比例数直線は、アメリカではほとんど知られていませんが、みなさん興味を持って聞いてくれました。
特に、比例関係を前提とした場面からかけ算、割り算の演算決定をしたりするときにも、また、割合や比について考えるときにも、比例数直線は考えるための道具として、またコミュニケーションの手段としても役立つことを強調しました。
渡辺さん、吉田さんと書いた、比例数直線に関する小論が、NCTMのYearbookに載ることになったので、今後、日本の比例数直線に関する関心が益々高まるのではないかと期待しています。

2009年3月14日土曜日

第4回アルバカーキ公開授業研究会


毎年、この時期に行われているアルバカーキ公開授業研究会は、今年で第4回目を迎えました。
第1回目と第2回目は、私が、地元の中学生を相手に、公開授業をしましたが、昨年からは、こちらの公立学校の先生方が、自分たちで指導案を書き、指導案作成グループの一人が、公開授業を行っています。
今回は、市内のサウス・バレー地区にある中学校の体育館を会場に、数十人の先生方が見守る中、公開授業と研究協議会が行われました。
第一回目の時は、会場をどのように設定するか、といったところから手取り足取りで説明し、ようやくこぎ着けた公開授業でしたが、4年間の経験から、今回は、私たちが何も手伝う必要もなく、ただ会場に行くだけでいい、というところまでになっていました。
授業後の協議会は、渡辺さんの司会で行われ、私は、講師講評を引き受けました。
授業研究が、アメリカのあちこちに定着しつつあることを実感した一日でした。

2009年3月13日金曜日

冬に逆戻り

昨日、今日と気温は真冬に逆戻りしました。一昨日の生暖かい雨の後、昨日の朝から空は青く晴れ上がり、気温はずっと氷点下、今日は日中の最高気温さえ摂氏氷点下-4℃でした。
特に、今日は、青空にもかかわらず湖からの冷たい風が、細かい粉雪を運んでくるシカゴ独特の天気でした。
それでも、夏時間になったため、夕方5時を過ぎても日は沈まないので、気分的には春が近づいてきていることを感じます。
アメリカ中西部の春は、日本と違って、冬と初夏が交互にやってくる変わりやすい気候です。
今夜は、夜7時過ぎの飛行機で、ニューメキシコ州のアルバカーキに向かいます。

2009年3月11日水曜日

学部長選考最終面接

前回の面接の結果、4人にまで絞られた候補者が、先週から今週にかけてキャンパスで面接を行っています。
一人、一日半、学長他。教授はもちろん、他学部の学部長、事務職や学生などとも面接をします。朝食から夕食まで、気軽な立食のレセプションから、正式な面接までビッシリの日程です。
それぞれの教授やスタッフの意見は、インターネット上のアンケートサイトを通して集約され、これをもとに選考委員会は、学長に推薦します。
最終的には、学長が4人の候補から一人を選んで、オファーを出すことになります。
選考委員の仕事からは、あともうすこしで解放されます。

2009年3月10日火曜日

次の研究計画書

アメリカの大学では、大学が教授全員に平等な形で研究費を割り当てることはありません。
したがって、各自が自分のテーマに基づいて研究計画書を書き、それを財団や州、さらには全国規模の機関、たとえば全米科学財団(NSF)や連邦教育局に提出し、審査が通れば予算がもらえる、というシステムを経なければなりません。
AP*MSECでも、研究や、研修を行うための予算獲得が、その仕事の大きな割合を占めています。
今日は、NSFに出す、研究のデザインを決めるミーティングと、ここ3年間補助金を頂いている地域の財団に対する来年度分の予算申請のためのアイディアを練るミーティングがありました。
どちらも、今後の研究室の行方をきめるものなので、真剣な議論がなされました。
日本でも、最近は、外部の補助金を獲得するのが、大学の大きな仕事の一つになっていると聞きます。ただ、日本にはアメリカのような民間の財団が多くはないそうなので、単に競争原理を取り入れただけでは、基礎的な研究にまでなかなか手が回らないと言ったことにならないか心配です。

2009年3月9日月曜日

夏時間の始まり

今日から夏時間が始まりました。昨日、土曜日の深夜、時計を一時間早め、昨日の朝7時が、今日からは朝8時となります。
冬の長いシカゴでも、夏時間が始まると、いよいよ春の訪れを感じます。
案の定、今日は朝から、時折、雷をともなった激しい雨が降り続きました。シカゴのあるアメリカ中西部では、春は竜巻のシーズンです。ひと雨毎に暖かくなるのは、東京と同じですが。あまり激しい雨が訪れるのは困りものです。
枯れた木々の枝に、緑がみられるようになるのももうすぐです。

2009年3月8日日曜日

バークレーボーイズ


昨晩は、4日間連続の授業の後、打ち上げをしました。
以前、我々が日本の授業研究を体験する研修旅行を企画したときに参加した、バークレーにある中学校の3人先生方(バークレーボーイズ)と、一緒にオークランド市内で乾杯をしました。
学校のスケジュールで、4日間の授業研究に通しで参加できたのは1人、一日だけ参加できたのがもう1人でした。けれども、最終日の夜には、3人ろってかけつけてくれ、日本に行ったときの写真をみながら、盛り上がりました。
アメリカのいろいろなところに、授業研究を通して知り合った先生方が居ると言うことのありがたさを、改めて実感した夜でした。

2009年3月7日土曜日

第4日目


いままでの学習を整理し、単位分数を基にいろいろな分数を作ろうという活動でした。
まず最初に、黒板を利用してこれまでの3日間に学習したことを復習し、習った分数について整理しました。
その後に、1/3メートル、1/2メートル、1/5メートル、そして1/4メートルといった既習の単位分数を基に、自分たちのグループで、好きな分数を作り、他のグループがそれを当てるという流れでした。
1/5をもとに3/5を作ったグループが最初に発表しました。また、1/4をもとに1/32をつくったグループもあり、なかなか面白かったのですが、残念ながら時間切れでした。
授業の準備をし、研究授業、協議会を行い、それをもとに翌日の準備をするというスケジュールを4日続けるのはなかなか大変でしたが、子供たちの様子をもとに、グループで話し合い、指導を修正していくというのはなかなか得られない機会なので、とても勉強になった4日間でした。

2009年3月5日木曜日

第3日目


今日は、前日作った単位分数をもとに、他の分数を調べるという活動でした。
子供たちの中には、2/5を、1/5の2つ分と見る子供のほかに、2つ半合わせると1になる、という見方もする子供も出てきてなかなかおもしろい話し合いになりました。
ただし、3年生、4年生、5年生合同のクラスということで、子供たちの理解の度合いに差があり、授業後のノートを見ると、なかなか全員が理解したと言える状態ではありませんでした。
そこで、協議会の後、チームの先生方と相談し、最終日の授業の内容を大幅に変更し、子供たちの理解を定着させるようにしようと考えました。

第2日目


今まで続いていた春の雨もようやく一段落し、青空に新緑がまぶしく光っていました。
今日は、いよいよ分数の概念を深める授業の第1日目です。
日本の教科書では、分数を量と測定の場面で導入するのが一般的ですが、アメリカではこのような扱いはされていません。
ピザの絵などを用いて、分割分数として導入するのが多いようです。
アメリカに来て改めて考え直すと、日本で広く行われている量と測定の場面で分数を導入することは、分数社会であるアメリカの事情にじつによくなじむばかりか、分数の理解を深める上で大変有効な展開だと再認識させられます。
今回は、特に、日本の教科書の流れをもとに、英語圏の分数表現を配慮した工夫をして授業を展開していきます。

2009年3月4日水曜日

第1日目


ミルズカレッジの実験校では、昨年から英語訳の東京書籍版算数教科書を正式に採用しました。
今回は、このような日本の教科書を使って授業をしようという先生方のための資料作りの意味合いもかねた授業研究です。
初日は、子供たちに問題解決型の授業になれてもらうこと、また、こちらも子供たちの反応を知ることをねらいに、特設の問題解決の授業をしました。
教室に、その日の日付を掲示するために、数字を書いたカードを用意するという問題場面です。以前、日本では何度か公開授業で使ったことのある題材ですが、アメリカの子供を相手に英語で授業するのは初めてです。3年生、4年生、5年生の混ざった学級という日本ではあまりみられないようなケースでしたが、どの子供たちも熱心に問題に取り組んでくれました。

2009年3月3日火曜日

研究授業の準備



オークランドは、サンフランシスコと湾を隔てた反対側にあります。
バークレーと尾根続きにある丘陵地帯に、ミルズカレッジはあります。アンセル・アダムスの写真集にも出てくるこの大学は、この地域の名門大学の一つで、うっそうとした森の中にあるキャンパスには、歴史的な建造物が多く残されています。
午前中、今回泊めていただいたキャサリンの家で簡単な打ち合わせをし、昼前に、ミルズ大学の授業研究グループの研究室に行きました。
昼食後、明日から4日間授業研究を行うミルズ大学の実験校の教室で、担任の先生と簡単な打ち合わせをしました。
そのあと、明日の授業の準備を吉田さんに手伝っていただきました。
昨日も今日も、オークランドは雨でした。サンフランシスコ湾の周辺では、この時期の雨が年間で唯一の恵みだそうです。夏に来ると茶色く乾いた丘も、この時期だけは、みずみずしい緑に覆われています。
(写真上はミルズ大学実験校、写真下はミルズ大学正門)

2009年3月2日月曜日

サンフランシスコへ

日曜日、朝起きるとシカゴは雪でした。
湖からの冷たい風が運んでくる粉雪は、シカゴの湖沿いだけに雪をもたらします。
南から来る湿った空気の運ぶ雪の場合は、比較的気温が高くなり、多くの雪を降らせますが、湖からの雪の場合は、気温があまり上がらず、細かく軽い粉雪がちらちらと舞います。
今日の気温も、摂氏-6℃と比較的低いままでしたが、軽い雪がけっこう降り続いていました。案の定、オヘア空港に着くと、見渡す限りの青空が広がっていました。青空にもかかわらず湖の方からちらちらと粉雪が舞っていたのは、シカゴならではかもしれません。天気雨ならぬ天気雪です。
サンフランシスコの空港が、午前中霧に包まれていたため、シカゴを出る飛行機は1時間以上おくれました。それでも、午後の明るいうちにサンフランシスコに到着しました。シカゴからサンフランシスコまでは約4時間半の飛行時間ですが、時差が2時間あるのでサンフランシスコに到着するのは、シカゴを出て2時間半後となります。
空港で、ニュージャージから着いた吉田さんと合流し、レンタカーでオークランドに向かいました。

2009年3月1日日曜日

AP*MSEC コロキウム


第2回目のコロキウムには、いままでのAP*MSECの常連に加えて、何人かの新顔と、懐かしい顔ぶれが参加しました。
アメリカの先生方にとって、土曜日の午前中、手弁当で研究会に参加するというのは異例のことです。
それでも、わたしたちが土曜日の午前中を選んだのは、少ない人数でも本当に興味のある人が来やすい時間に、という理由でした。
参加された先生方は、簡単な朝食をとりながら和やかにしかも熱心に、スティーブが準備した最新のTIMSSのデータに聞き入り、充実した意見交換が出来ました。
今回から、新しく会議室に入ったスマートボードもなかなか講評でした。
次回は、数学研究室の教授が、国際調査で話題になっている香港の授業ビデオをもとに、話をします。