2009年4月30日木曜日

Swine flu(豚インフルエンザ)

WHOの警戒水準が「5」に引き上げられたようです。
NHKのニュースを見ると、ほとんどの時間をこのニュースに費やし、水際でビールスの日本上陸を食い止める、と躍起になってるように見えます。
しかし、シカゴの街はいたって冷静、というか、ニュースで多少取り上げるものの、特にこれといった警戒もされていないようです。
今朝の臨時ニュースでも、市内の小学校が一校休校になり、新型インフルエンザかどうか検査結果をまっているとことだそうです。
西ナイル熱の時もそうでしたが、日本で騒ぐほど、こちらでは話題になっていません。高校生が通りで射殺されたりするのが日常茶飯事なので、無関心になっているのでしょうか。
AP*MSECでは、もし、新型インフルエンザで何らかの警戒が出されたときに、来週木曜日から予定されている授業研究カンファレンスをどうするか、今週中に対応を考えておかなければなりません。

2009年4月29日水曜日

来年のNCTM

2010 Annual Meeting San Diego, CA, April 21-24, 2010
毎年、次の年のNCTMの発表申し込みの締め切りは5月1日です。つまり、一年近く先の発表内容を考えなければならないと言うことです。
特に、今年は年会が4月の下旬と遅かったので、来年の発表申し込み締め切りまで、1週間ありません。これまで2000年のシカゴ大会から毎年発表しているので、来年もぜひ何か発表しなければと思っています。
来年の年会のテーマは、Connections: Linking Concepts and Context、このテーマに関わった内容で発表を考えたいと思っています。

2009年4月28日火曜日

NCTM閉会式でのダンカン氏の講演

NCTMのホームページから、ダンカン氏の講演をウェブキャストで見ることが出来ます。
以下の頁の Webcast から Closing Sessionをクリックすると、Windows Media Player のページが開いて、約30分間の話を聞くことが出来ます。
NCTM年会のページ
聞くところによると、土曜日の朝、彼はスタッフの書いた原稿は読まずに、自分で考えた話しをメモ無しで読むことに決めたそうです。
なかなか熱のこもった話しです。

2009年4月27日月曜日

がっかり、アメリカ版シンガポール教科書


数学教育の国際調査(TIMSS)で常に世界一のシンガポールの算数・数学教育が、ここ数年アメリカをはじめ世界から注目されています。
なかでもシンガポールの算数教科書は、アメリカの多くの学校区で使われ、ここ数年、じわじわと人気を高めてきました。
この流れの中で、アメリカの大手教科書出版社が、シンガポールの教科書出版社と手を組んで、アメリカ版のシンガポール算数教科書を販売開始しました。今回の展示会では、このシンガポール教科書が、アメリカ大手出版社のブースで発表されました。

この教科書を早速手にとってみたところ、そのあまりの変容に、正直がっかり愕然としました。
日本の教科書ほどではないにしろ、薄くコンパクトでありながら、しっかりとしたできだったシンガポールの教科書が、見るも無惨に、分厚い、無用な内容の多い、アメリカの教科書に姿を変えてしまっていました。これでは、シンガポールの教科書とは名ばかりで、単にアメリカの巨大教科書会社が、シンガポールの教科書というブランドを買い取ったのと大して変わりない結果になったようです。
ブースのセールスは、「外見はアメリカの教科書だが、中身はシンガポールの教科書をさらに先生方に使いやすく丁寧にしたものだ」と説明していましたが、教材の配列や単元構成、概念の導入の仕方など、ざっと見ただけでもお粗末さが目立つ内容でした。

アメリカでは、日本の教科書も注目されていますが、このような無惨なことにならないようにと、改めて思い知らされました。

2009年4月26日日曜日

NCTM閉会講演;連邦教育庁長官の講演

臨時で招かれダンカン氏の講演は、予定された閉会講演を延長し、その前半30分を使って行われました。
歴史的な経済危機に直面し、史上最大規模で行われる経済対策として、教育にも多額の予算が費やされることを強調した上で、この危機を最大のチャンスとして教育改革を行わなければ、将来二度とこのような好機は訪れないだとろうと明言しました。
そして、児童生徒は勿論、親も、そして教師も、これまで自分の与えられた範囲で行ってきた努力を、さらに広げ、カンファタブル・ゾーンから1歩でも2歩でも踏み出さなければ教育の改革は出来ないというメッセージに、会場は総立ちになって拍手を送りました。

この事実、日本の状況に置き換えて考えると、文部科学大臣が、日本数学教育学会の全国大会の閉会式に来て、熱のこもった演説を行い、今後、教育改革に膨大な国家予算を注ぎ込み、全力をあげて改革の先頭に立つと宣言し、それにたいして会場を埋め尽くした数学教育者が総立ちになって拍手した、ということになります。
このようなことが、日本で起こりうるでしょうか?

アメリカは、オバマ新政権のもと、本気で教育改革に取り組み始めていると言えるでしょう。
本気になったアメリカ、さあ、どこまで変わるでしょうか・・・・

今年のNCTM



聞くところによると、今回のNCTMの参加者は、約1万人強、前回ワシントンDCで行われた1998年の年会にくらべて約1万人近く少ない参加という話を聞きました。
確かに教材展示会の規模は小さいし、例年に比べて出展している企業の数もずいぶん少なめでした。昨年まで広い面積をとって大々的に行っていた会社なども、ずいぶん小規模でこじんまりとした展示になっていました。
先生方の話を聞いても、学校区からの予算カットで、最初5人来るはずだったのが、2人だけになってしまった、などという話をあちこちで聞きました。
来年は、サンディエゴで行われますが、それまでに景気が少しでもうわむきになっているといいのですが・・・

2009年4月25日土曜日

統一カリキュラムへの動き

未だに賛否両論の分かれている統一カリキュラムですが、昨日のブログにも書いたように、どうやらアメリカの数学教育は、このような方向で動き出しているようです。
歴史的に、教育は地方のものであり、国家が口出しすることがタブー、といったアメリカでも、問題視しされながらなかなか向上しない数学教育の質を高めるには、統一カリキュラムが必要だという考えが主流を占めるようになってきました。
特に、オバマ大統領になってその動きは加速し、どうやら今年の末には数学の統一カリキュラムが実現するかもしれないという話も聞かれます。ただし、連邦政府が統一カリキュラムを制定するには抵抗が大きすぎると言うことで、第三者機関がカリキュラムを提案し、各州がそれを自主的に採択するという方向になるようです。
しかし、アメリカの大部分は保守的な人々が多数を占めているので、この道のりはまだまだ厳しいかもしれません。しかし実現すれば歴史的な変革です。
本来、この統一カリキュラムが、NCTMのスタンダードの延長上に制定されればいいのですが、いまのところ、どうやらその様な動きはないようです。
今後のアメリカの教育改革の動きからは目を離せません。

シカゴ授業研究グループの発表


グループのメンバー3人による発表が行われました。
授業研究を通して、小数の指導法について考えた経験を整理して発表したものです。2年間にわたって3回の公開授業研究を行い、吟味した指導案は、最終的に日本の算数教科書の内容をもとに、アメリカの実態に合うようにアレンジしたものでした。
アメリカで革新的な教科書として知られている2つの教科書は、どちらも、お金を題材に小数を導入しています。しかし、このグループは、お金で小数を導入する問題点をあげて、グーグルマップで示された道順を導入場面で示し、距離を測定する場面で小数を導入しようと考えました。
3人とも全米規模の学会で発表するのは初めてでしたが、多くの参会者に満足してもらえる発表になったようです。
来年のサンディエゴ大会の発表申し込みは、一週間後に迫っています。シカゴにどもったら、早々に彼らと相談して来年の発表申し込みをしなければなりません。

2009年4月24日金曜日

連邦教育省長官との会談

今日、午前中一回、午後にもう一回、長官のオフィスを訪問し、話をさせていただきました。
午前中は、午前9時から1時間、長官であるダンカン氏と、彼の2人の側近と、数学の統一カリキュラムへの動向と、その後について、わたしとトムの構想について話をする機会を頂きました。
忙しい時間を割いて、熱心に話を聞いていただいた上に、アメリカにおける授業研究の重要性、ならびに英語訳の日本語の教科書にも深い興味を示していただきました。
今後、話がどのように進んでいくか、楽しみです。

また、午後は、NCTMの現会長、次期会長らとともにアメリカの数学教育のリーダーとともに数学教育の課題と、5年後、そして10年から20年後のビジョンについて、それぞれの意見を聞いていただきました。
45分という短い時間でしたが、充実した会談でした。

NCTM(全米数学教師協議会)の年会



NCTMの年回は、例年、一万人前後の参加者を集めて行われます。参会者は全米は勿論、世界の各地から訪れます。
今年は、合衆国の政治の中心、ワシントンDCで行われました。
おもえば、前回ワシントンDCで行われたのは、1998年、私がアメリカに来た年の春でした。
今年は、歴史的な新政権が誕生した年でもあるので、NCTMの年回に参加する人は多いだろうと予想していましたが、やはり景気後退の影響が激しいせいか、会場の人影も、おもったよりはまばらでした。
それでも、巨大なコンベンションセンターで行われる世界で一番大きい数学教育の学会は、活気にあふれています。
この年会の目玉の一つに、大規模な、教材教具の展示会があります。この展示会には、教科書会社を始めとして電卓などの教材教具の会社が大々的に展示を行います。例年は、巨大資本の大規模なブースに圧倒されますが、今年は、こころなしかどのブースも規模を縮小したようです。

2009年4月23日木曜日

オヘア空港へ


前回、出かけたのは、3月14日のアルバカーキ行きでしたから、約5週間ぶりに飛行機に乗ります。
こんなに長い間シカゴから出かけなかったのは、ここ数年の間で珍しいことです。もっとも、4月の上旬に出かけるはずだった予定を一つキャンセルしたこともありますが・・・
朝のラッシュアワーにオヘア空港に行くときは、タクシーよりも地下鉄を使った方が便利です。写真でもわかるように、朝夕のラッシュアワーは、片側6車線のインターステートがぎっしりと詰まる渋滞です。それも上下線ともに混雑します。
オリンピック招致で東京の渋滞が懸念されていると聞きましたが、それはシカゴも同じです。
ただし、公共交通機関の混雑は、それほどでもありません。

シカゴを朝10に出て、ワシントンDCには、昼に着きました。1時間の時差をくわえても2時間、正味1時間少々の飛行時間です。
今日の夕方から土曜日まで、3日間のNCTM(全米数学教師協議会)の年会が始まりました。

2009年4月22日水曜日

連邦教育省長官への提言

明後日、木曜日は忙しい一日になります。
先日このページで取り上げた教育省長官への提言を行う会談、および私自身のNCTMでの発表の他に、もうひとつ、連邦教育省長官との会談が入ってからです。
この会談は、やはり、AP*MSECのトムが中心になって行うものですが、もう一つの少人数の会談とは異なり、アメリカの数学教育を代表する研究者10人を招いて、教育省長官と今後のアメリカの数学教育のあり方について45分間でおこなうものです。参会者には、現在、次期、そして過去のNCTM会長に加え、デボラ・ボールなどの世界的にも著名な研究者が加わります。
今日は、トムと一緒にどのようにこの45分の会談を進めるか詰めました。
オバマ新政権の元、長官の心は、アメリカで初めての数学のナショナル・カリキュラム(国家統一カリキュラム)制定に動いている様です。今回の会談でも当然このことが話題の中心になります。そして、全国レベルでのテストがどうあるべきか、さらに、今後20年の数学教育のあり方は・・・
45分という限られた時間をどう使うかが鍵です。

2009年4月21日火曜日

風邪の流行

シカゴの春は、東京のポカポカとした春とちがって、寒暖の差が激しい体調を崩しやすい季節です。
先週の金曜日は、初夏を思わせる汗ばむような天気で、町はタンクトップと半ズボンであふれていました。
しかし、日曜日から降り出した雨は、時に、ひょうを伴って激しく降り、明朝の天気は雪という予報です。これに時折、竜巻が加わるのでたまったものではありません。アメリカ中西部の春は、いってみれば、夏と冬が交互に訪れる季節といったものでしょうか。
そんなわけで、風邪をひいたり、体調を崩したりする人が多い季節でもあります。これに花粉症も加わるので大変です。今日は、AP*MSECの事務責任者、デゼレーが体調を崩してしまい、恒例のスタッフミーティングは、男3人でしました。
水曜日からワシントンDCに出かけるので、トムと私はその前に風邪を引いている暇もなく、準備に明け暮れています。

2009年4月19日日曜日

エリクソン・国際シンポジウム 第二日目


朝一番で、ダウンタウンにあるエリクソン・インスティチュートに行きました。
土曜日で道がすいていることもあり、今日は、自宅近くからバスに乗っていきました。
朝一番で、オーストラリアの研究者の話を聞きました。
最近の、算数・数学教育の動向として強く感じるのは、英語圏の(アメリカ、イギリス、オーストラリア)研究が以前よりも似通った傾向にある一方、アジアの国々(中国、日本、シンガポール)でこれまで行われてきた教育との根本的な考え方の違いが次第に明らかになりつつあるということです。中でも、シンガポールでは英語で算数・数学を教えていることもあり、その資料がそのまま英語圏の研究者の目に触れられ、注目が集まっています。
今後、世界の算数・数学教育の国際間での議論がますます盛んになることとおもいます。

2009年4月18日土曜日

エリクソン・国際シンポジウム


シカゴ市内にある、エリクソン・インスティチュートは、幼児教育に特化した大学院大学です。学生の数は約300名ほどですが、幼児教育のリーダーを育成するための修士課程、博士課程をもっています。また、現職教員を対象とした研修会も多く主催しているそうです。
この、教育機関が昨年8月にオープンした新校舎で、幼児教育における数学指導に関する国際シンポジウムを開きました。
中国、日本、オーストラリア、そしてシンガポールから幼児教育、数学教育の専門化を招き、今後の幼児期における数学教育のあり方を様々な視点で議論しました。
アメリカでは、オバマ新政権が、幼児教育の重視を制作の一つに掲げていることもあり、ますます注目が集まっています。
シンポジウムは、明日、土曜日も続けられます。

2009年4月17日金曜日

年度末評価

教授職の評価は、毎年1月から12月までの活動について1月中旬までにまとめることを、1月のこのブログで触れました。
スタッフ(教職以外の事務職、専門職、管理職)の評価は、今月おこなわれます。私の場合は、AP*MSECの2人のスタッフの評価を行います。
手順は、まずJob Descriptionに基づいて、本人が自己評価をします、これと同時に、私が、Job Descriptionに基づいた評価をします。双方を持ち寄って面談をし、お互いの意見を交換しながら、次年度に向けた課題を定め、これらを全て一つのフォームにまとめます。私は、これをもとに、来年度のベースアップをどうするか、学部長に提案します。教授職の評価の場合と手順は多少異なりますが、基本的には同じような手続きを踏んで、次年度の給与に反映させます。場合によっては、給与が下がることもあるので、この手続きはなかなか大変です。
日本でも、年功序列の給与体系から脱する方向に動いているようですが、大学を含めた教育現場ではどのようになっているのでしょうか。
管理職の思惑一つで給与のベースアップが決まるようなことの無いようなシステムを構築するのは、けっこう大変なことです。

2009年4月15日水曜日

数と計算

毎月一度、新算数教育研究の発行する新しい算数研究の目次の英訳を頼まれています。
渡辺さん、吉田さんのお力を借りて、なるべく記事の内容が想像できるような訳を目指していますが、いつも頭を悩ませられます。
日本の算数教育の内容を英訳するときに気になることの一つに、学習指導要領の中にある「数と計算」という領域の名称があります。
この「数と計算」という領域名を、英訳すると「Numbers and Calculations」 となります。しかし、学習指導要領の領域で目指しているのは、単に数とその計算方法を身につけるだけではなく、四則演算の性質や計算結果の見積もりなどを用いて計算方法を考えるなど、もっと数学的に深い内容です。もし、この内容を表現するならば、むしろ「Numbers and Operations」とすべきだと思います。そして、学習指導要領の領域名も「数と計算」よりも「数と演算」としたほうが、その趣旨にそっているのではないかと思います。
電卓を持たずとも、携帯電話やコンピュータ等を使えばすぐに四則の計算結果が得られる時代では、計算方法そのものよりも、その仕組みや演算の性質の方に学習の重点がおかれるようになっています。このような時代の変化も考えれば、「数と計算」という領域名は、その指導内容を適切に表すとはいえなくなっているのではないでしょうか。
新しい算数研究の目次を英訳しながら、改めてこのようなことを考えています。

申請書類提出

来年度に向けての予算獲得のため、補助金の申請書を書いています。
DePaul大学は、他の大学同様、教授一人あたりにいくらといった研究費はつきません。学内の研究予算にしても学外の補助金にしても、基本的に研究計画書を書いて提出し、それが受理されると予算がもらえるという仕組みです。
明日が、地域の民間財団への研究補助金申請の締め切りで、今日は一日ばたばたとしていました。
教授が個人で書く補助金の申請書類といっても、最終的には、大学が、財団に対して申請書を提出することになるので、いろいろと煩雑な手続きをしなければなりません。
まず、大学の担当部局に、補助金の申請をしてもいいか問い合わせます。
財団の要項に従って、申請書を書きます。
学部の事務と相談をして、予算を作成します。
最終的に、書類を提出し、学部長の承認を得ます。
これを、大学に提出して、大学から、財団に正式に提出します。
以上の手続きは、基本的にすべてオンラインで行います。財団の多くが、最近はオンラインの申請書提出システムを構築しているので、すべて、オンラインで事は済みます。

昨今の厳しい財政状況から、なかなか申請しても予算が付くには至らないことがあります。
ただただ、もくもくと作文しなければ予算が付かないというのは、日本もアメリカも同じでしょうか

2009年4月14日火曜日

スタッフ・ミーティング

月曜日は、例によって、AP*MSECのスタッフ・ミーティングがあります。
今日は、5月の授業研究カンファレンスの参加申し込みの状況の報告がありました。
3日間の授業研究カンファレンスでは、毎日午後、公開授業を一つずつ行います。今年は、初日に中学校、第二日目に高等学校、そして第3日目に小学校の授業を行います。午前中は、基調講演、ならびに全米各州で授業研究に取り組んでいるグループの発表です。ことしは、10件を超える参加申し込みがあり、授業研究の裾野の広がりを感じさせてくれます。
カンファレンスの参加申し込み締め切りは、来週の水曜日、22日です。昨年よりも速いペースで参加申し込みが来ているので、場合によっては、早めに申し込みの締め切りをしなければならなくなりそうです。

スタッフミーティングでは、この他に、現在とりくんでいる、2つの補助金申請書類の作成に関して、ならびに、APEC会議の準備など報告が行われました。
来週のNCTMの発表、ならびに教育省長官との会合の準備などもいよいよ大詰めです。

2009年4月11日土曜日

グッドフライデー

今日は、グッドフライデーで、キリスト教系の学校などはお休みです。DePaul大学もカトリックの大学なので、全学休講で、校舎や事務も全て休みでした。
ただ、私は、再来週のNCTMの発表の準備等があるので、オフィスに出て仕事をしていました。すると、9時過ぎ、Tomがやってきて彼も来週提出の地域の財団に申請する補助金のプロポーザルの続きを書き始めました。
休日出勤というのは日本人独特の悪い習性かと思っていましたが、AP*MSECでは、土曜日にコロキウムを実施したり、学校が終わった後、夜にボランティアの先生方と研究会をしたりと、だんだん、日本の学校のようになってきしまったようです。
もっとも、アメリカでも大学というのは、公立学校のように時間がはっきりしているわけではなく、休みも夜もけっこう誰かしら出ているようなところがありますが・・・

2009年4月10日金曜日

NTA

今週、シカゴの公立学校は春休みです。
この春休みを利用して、もとNational Teachers Academy (NTA) にいた2人の先生に来ていただき、話を聞きました。
NTAというのは、全国の小学校のモデルとしてシカゴ市教育委員会が設立した学校で、日本でいう国立大学の附属学校のような役割を持つことを期待された学校でした。
私も、学校が設立された直後の2年目と3年目に、この学校の先生方と授業研究をしたのですが、その後、当初の目的と少々違った方向に進み、今では、学校の規模も小さくなり、National Teachers Academyというのは名前だけの普通の公立学校になってしまったようです。
設立の意図、当初の計画は大変すばらしかったのですが、その学校がどうしてうまくいかなくなったのか、今日は2人の先生方から直接話を聞くことが出来ました。
アメリカでは、いろいろといいアイディアが出され、それに予算が付けられますが、最後まできちんとした成果を残すまでには至らない事例がたくさんあります。鳴り物入りで始めたプロジェクトを途中で投げ出さざるを得ない事情が何処にあるのか、興味深いところです。

2009年4月9日木曜日

連邦教育省長官への提言 (2)

NCTMの期間中に、Tomと私で、連邦教育省長官と1時間会談ができることになりました。
今日は、午前中、その準備のための打ち合わせをしました。アメリカの教育現場を変える画期的な提案をしようと準備していますが、どうなるでしょうか。会談の時間は45分。あと2週間で提言をまとめます。
長官のオフィスで笑顔で記念写真を撮っておわりとなるか、それともここから何か新しい動きが始まるか、ふたを開けるまでわかりませんが、オバマ政権の景気対策のための膨大な予算の一部を、数学教育の向上にあれられるよう、大胆勝慎重に提言を練っていきます。

2009年4月8日水曜日

ポッドキャスティング

今日は、シカゴ授業研究グループのメンバーの一人、ヘザーがきて、ポッドキャスティングのためのナレーションを録音しました。
これまで、授業研究カンファレンスや、授業研究夏期講座のたびに、授業研究とは何か、また授業研究のための指導案作りとはどのようなことか、といった話をしていました。しかし、このような授業研究の基本について説明する話は、できればポッドキャストにして、参会者に事前にインターネットを通して聞いてきてもらった方が、カンファレンスや、講座の中身を充実させることができるのではないかと言うことになり、基本的な話をすべてポッドキャストにするプロジェクトを立ち上げました。
まず、録画しておいた昨年の夏期講座での私の話を全てビデオおこししました。そして、これをもとに、ヘザーがナレーションの原稿を書き上げ、これをもとに、パワーポイントのスライドと合わせてポッドキャストにします。こうすることによって、世界中の人が、インターネットを通して、授業研究の基本に関する情報を得ることができるようになるという目論見です。
今日は、4つのプレゼンテーションのうちの2つだけを録画しました。これを、今週中にデジタル化し、雑音等を取り除きスライドと合わせます。ヘザーが来週の火曜日に残りの2つのプレゼンテーションを録音して、のこりの作業にかかります。
なんとか、5月の授業研究カンファレンスに間に合うようにしたいと思っています。

2009年4月7日火曜日

NCTM

今年のNCTM(全米数学教師協議会)の年会は、4月22日から25日まで、首都のワシントンDCで行われます。
全米、いや世界で一番大きな数学教育のカンファレンスには、例年、数千人から多いときでは一万数千人あつまります。昨年は、ユタ州のソルトレイクシティーだったせいか、あまり参加人数は多くありませんでした。今年は、首都で行われるので、多くの人数が集まるのではないかと期待していましたが、この経済状況で少々怪しくなりました。とはいえ、NCTMが首都で行われるのは10年数年ぶり、そのうえ大統領が代わったばかりですから、重要な会議となりそうです。
4月に入り、AP*MSECでもNCTMの準備にとりかかっています。
今年は、Tomを代表としてシカゴ授業研究グループの先生方が金曜日に発表します。私は、木曜日の昼過ぎから、シカゴの授業研究の様子について発表します。昨年、一昨年と日本の算数指導についての発表を行ってきたので、授業研究に焦点を当てるのは久しぶりです。これまでとりためてあったビデオを編集しながら、発表の準備に取りかかっています。

2009年4月4日土曜日

カンファレンスの主催


今日は、大学のバイリンガル教育プログラムが主催する、ラテン系アメリカ人とその教育に関するカンファレンスの主催をサポートしました。AP*MSECの活動とは直接関係はないのですが、我々のオフィスはカンファレンスを主催するためのノウハウを持っているということからサポートを頼まれていました。
直前まで参加者が集まらず、少々心配したが、直前の宣伝の効果もあってなんとか無事に開催することが出来ました。
本年度末までに、AP*MSEC主催のカンファレンスが2つあるので、スタッフのための練習にちょうど良かったのかもしれません。

2009年4月3日金曜日

APEC Wiki 授業ビデオ活用ガイド

昨年からの懸案だったビデオ活用ガイドの作成に取りかかりました。
アメリカ、日本、オーストラリア、シンガポールの数学教育のエキスパートの意見を集約してつくる授業ビデオ活用ガイドは、ウィキペディアでお馴染みのWikiテクノロジーを駆使して、インターネット上の文書として作成します。現在、APEC Knowledge Bankのサイトにあるビデオや様々な資料とリンクしながら、APEC各国の教育関係者が使いやすいようなガイドを目指します。
完成まで、2ヶ月というスピードスケジュールですが、各国の研究者と、インターネット上のツールを活用しながら、ガイドを仕上げます。

2009年4月2日木曜日

ポスター発送の準備

今日は、朝から、ミーティング、そしてカンファレンス・コールとあわただしい一日でした。
6月のAPEC 人材開発ワーキンググループ会議の関する予算書の提出、それにともなう打ち合わせ、来年度の予算獲得のための申請書作成の打ち合わせなどなど・・・
その合間を縫って、先日作成した、授業研究カンファレンス、夏期講座等のポスターを袋詰めにして、シカゴのすべての公立学校に送る準備をすませました。シカゴ市の公立学校といっても、全米で3番目に大きい学校区なので、学校の総数は小学校から高等学校まで合わせて600校あまりあります。配送は、市の教育委員会の好意で、すべて無料で配布していただきますが、準備だけでも結構大変です。

2009年4月1日水曜日

研究授業 小数の導入


今日は、Sebin小学校の3年生の教室で、Tomが研究授業を行いました。
昨年、5月の授業研究カンファレンスの時に、シカゴ授業研究グループの先生方が行った小数の導入の指導案をもとに、TomとLoriが手を入れてつくった授業です。
日本の教科書を参考にして、量と測定の題材をもとに小数を導入しようという計画です。
アメリカでは、一般に、ドルとセント、というお金を使って小数を導入しますが、彼らの指導案では、お金で小数を導入することの短所を挙げた上で、小数で表された距離の意味を考える活動を通して小数の意味を理解させようというねらいでした。
まだまだ課題の多い授業ですが、指導案の書き方は、日本の先生方と比べても引けをとらないようなしっかりとしたものになってきました。