2009年5月24日日曜日

メモリアルデーの週末


5月の最終月曜日は、メモリアルデーの休日です。
この3連休から、アメリカの夏は始まります。シカゴでは、この週末、日曜日の早朝にバイク・ザ・ドライブが行われます。普段は自動車専用の片側4車線、レイク・ショア・ドライブを早朝から自転車専用に解放し、参加者は、50マイル(約80km)のサイクリングを楽しみます。
写真は、以前に参加したときにとったものです。
三学期制の大学では、5月中旬から夏休みがはじまっており、シカゴは、これから9月の第一週のレーバーデーまで一年で一番美しい夏を迎えます。

2009年5月23日土曜日

夏が来ました


いつまでも肌寒い日が続いていた5月ですが、昨日辺りからようやく夏がやってきた感じです。
街をゆくひとの服装も一気に夏になりました。
陽気が良くなったせいもあり、先週から、なるべく大学まで歩いていくようにしています。片道20分少々の道のりは、考え事をするのに最適です。朝は、その日一日の予定を確認し、帰りは、一日を振り返る。また、Podcastで日本のラジオ番組を聞くのにもいい距離です。

2009年5月21日木曜日

APEC人材開発ワーキンググループミーティング ディナー会場下見



昨年暮れから準備を進めていた APEC人材開発ワーキンググループのミーティングまであと約一ヶ月となしました。
今回の会議の初日に、DePaul大学の学長の招待で、レセプションとディナーを行うことになっています。会場は、シカゴのダウンタウンにあるパーマーハウス・ホテルです。
昨日は、学部長と一緒にこの会場の下見をしてきました。APECの参加国/地域から参加する約130人のミーティング参加者に加え、各国の領事または大使、さらに大学の学長・学部長そしてシカゴ市長らを招いて行うレセプションとディナーは、写真にあるパーマーハウスのメイン・ダイニングをつかった行われます。また、会議参加者の記念写真撮影場所として、メインダイニング入り口の階段を使うことで話がまとまりました。レセプションには、ジャズバンドを、そしてディナー会場では大学の音楽学部にピアニストをお願いすることで話をすすめることになりました。
APECそのものの活動はアメリカではあまり知られていないので、連邦教育局も力を入れて会議の成功に向けた準備をしてくれています。

2009年5月20日水曜日

新型インフルエンザ

昨晩、DePaul大学のリンカーンパーク・キャンパスで新型インフルエンザに感染した学生が一人報告されました。学生、教授、スタッフ全員に緊急のメールが送られてきました。しかし、アメリカ疾病予防管理センターが、休講、学校の一時閉鎖などを求めなくなったことを理由に、通常の講義等を続けることとしています。
一方、今日、NHKのニュースで、滋賀県で第一号の感染者がみつかり、感染者の通う大学を始め、地域の学校などがぞくぞく休校等の措置をとったことが伝えられていました。
この両国の対応の違い、どちらが適切なのかは結果を見てみないとわかりません。

これまでは、アメリカの判断は常に理にかなっていて、日本の対応が異なるときには、常にアメリカと違うことが批判の材料になってきました。しかしながら、今回、アメリカが世界的な金融危機の発端になったことから、アメリカの判断が常に正しいとはいえない、という見方が広まりつつあると思います。
異なる判断をすることは、決してどちらから間違っているというわけではありません。日本は、日本の判断に自信を持ち、アメリカの対応に惑わされることなく、自らの判断に従った対策を徹底すべきだと思っています。

幼稚園から消えつつある遊びの時間

以前、このページで紹介したアメリカの幼稚園教育の現状について、おもしろい研究結果が公表されました
最近の幼稚園では、毎日、少なくとも2時間から3時間にわたって読み書きや算数の”授業”、そしてペーパーテストやその練習が行われ、遊びの時間が減っているというものです。
この背景には、家庭の教育力の低下などから、入学以前に学ぶ機会が十分でない子供たちの最低学力の保障といった社会的課題があるのですが、レポートは、かといって現在多くの幼稚園が向かっている方向は、しっかりとした研究などに裏打ちされた根拠のあるものではないことを強調し、長期的に見た場合深刻な問題をもたらすと指摘しています。
このことは、日本のお受験ブームとは違った角度からの現象ですが、いずれにしろ8歳以下の子供に、知識や技能獲得のための過度の練習やテストのための準備をさせるというのは適当ではないというメッセージ、を深刻に受け止めるべき内容だと思います。

2009年5月18日月曜日

カンファレンス第三日目の授業



この授業は、確か1990年頃、世田谷区の小学校算数授業研究会でおこなった公開授業のために考えたものです。
教室の壁に、その日の日付を表示するために、数字の書いてあるカードを用意したいけれども、いったどんなカードを何枚用意したらいいかという問題の解決を通して、十進位取り記数法についての理解を深めようというものです。
この授業は、その後、日本で何回か試しましたが、アメリカでは、この春、ミルズ・カレッジで行った一週間にわたる研究授業の初日に行ったのが最初です。
今回は、これらの経験を基に、英語で指導案を書き、実践しました。対象は、シカゴの公立学校に学ぶ、3年生の子供たち20名、ほとんどが中南米の移民の子供たちでした。
最初、31枚のカードが必要だと答えた子供たちでしたが、最後には、12枚のカードがあれば1から31までの日付を表示することができると言うところまでこぎつけることができました。カードの裏表を使った場合の話にまでは至りませんでしたが、子供たちはとても熱心に発言してくれました。

2009年5月17日日曜日

来年度の授業研究サポートに補助金交付決定

先日、地域の財団に提出していた補助金の申請が通ったという知らせを受けました。
先生方を対象とした授業研究夏期講座にはじまる一年間のプログラムに今年も予算が付いたわけです。
今年で3年目を迎えるこのプログラムには、既に、地域の3つの学校から、合計5つのチーム(各チーム4人から6人)が参加する意志を表明しています。さっそくAP*MSECでは、今回ついた予算をもとに、1年間の具体的なプランを考えます。

2009年5月16日土曜日

カンファレンス第二日目の授業


カンファレンス第二日目の授業、微分の授業を振り返ってみます。
この授業は、昨年夏の授業研究夏期講座に参加した高等学校のチームがデザインした授業です。このチームは、夏の講座の間、5日間かけて検討した授業を基に昨年の11月に研究授業を行い、今回の授業は11月の協議会の内容を反映した第二回目の授業です。それぞれの授業は対象学級、指導者も異なりますが、基本的な流れは共通です。
授業は、微分の仕方について学習する前の段階で、f'(x) が f(x) のグラフの傾きを表すということを学習した後に、与えられたf'(x)の条件からf(x)のグラフを考えるというものでした。授業は3つの問題解決からなり、4-5人のグループで高校生たちが熱心に話し合っている様子は、とても微笑ましいものでした。
日本でもそうでしょうが、高等学校の数学の授業、しかも微分の授業で、生徒たちが仲間と楽しそうに問題を考え、率直な議論をする授業というのはなかなか見られません。正直、前回と今回のこのチームの授業は、私のこれまでの経験の中で本当に数少ない、生徒たちが数学を楽しんでいる様子が見られた授業でした。

2009年5月14日木曜日

学習指導要領英訳

文部科学省が、4月21日に学習指導要領各教科の英語訳を公表したというお知らせを頂きました。
全教科の英訳がこのページからダウンロードできます。ただし、文部科学省は”仮訳”としているので、今後修正が出る可能性はあるかと思います。
私の知っている限り、文部科学省が、自身で学習指導要領の英語訳を発表したのは初めてだと思います。これは、日本の教育が国際化する上で画期的な第一歩だと評価できるでしょう。できれば、各教科の解説書も正式に英語にしてただけるとありがたいのですが・・・
一つ残念なことは、せっかくの英語訳が、文部科学省の英語のホームページからリンクされていないことです。せっかくの英語訳が、日本語ページからだけしかダウンロードできないというのは、海外の教育関係者にとってはあまりありがたいことではないと思います。

カンファレンス第一日目の授業



カンファレンス初日の授業、平方根を導入する授業を振り返ってみます。
アメリカでは、一般に、負の数、平方根などは、日本よりも早い時期に導入しています。
この平方根を挿入する授業は、全米科学財団の補助金によるプロジェクトで開発された教科書の一つ、Connected Mathematics (CMP) を基に考えられた指導案でした。
CMPでは、まずジオボードに様々な正方形を作らせ、その正方形の面積を、ジオボードの方眼の数から見いだし、この面積から逆に、正方形の求積公式をもとに一辺の長さを求める活動を通して、平方根を導入します。
例えば、ジオボードの上に面積が8平方ユニットの正方形を作ります。(この正方形は、ジオボードの外枠に対して45°傾いた位置になります)この正方形の面積は、ジオボード上の正方形をうまく数えると簡単に求められますが、この辺の長さは小数で表すことは出来ません。
つまり(一辺の長さ)×(一辺の長さ)=8 になるような一辺の長さをどう表現するかという課題が生じるわけです。
CMPでは、このような場面を利用して、平方根は、このような数を表すときに使います。という形で導入するわけです。
具体物を使った活動を通して、平方根の必要な場面を設定し、子供たちに導入するという考え方は、活動中心で理にかなっているように見えますが、なかなか現実はそうはいかないというのが、一般の先生方の考えな様です。
トムの授業は、この指導の問題点をうまく浮き彫りにしました。具体的には、生徒が、面積の概念(単位面積のいくつ分)と求積公式の関係を十分に理解していないと、この活動は彼らにとってちんぷんかんぷんになると言うことです。授業の中では、子供たちがこのジレンマをうまく表現してくれました。
研究授業を通して、一見おもしろく、うまくいきそうな授業も、生徒の既習事項の習得の度合いによって、かえって混乱の原因になる可能性を秘めていることを教えてくれました。

2009年5月13日水曜日

5月の東京行きを延期

授業研究カンファレンスが終わって、AP*MSECは一息つきたいところですが、なかなかそうはいきません。
事務の担当者が変わることになり、カンファレンスの支払い等々、細々としたことに手がかかっています。それでも、今週になって青空が続き、少しは初夏らしい陽気になりつつあります。3学期制の大学では、そろそろ卒業式です。DePaulは4学期制なので、最後の学期が6月上旬までありますが、街はそろそろ夏の気分になりつつあります。

5月下旬に予定していた東京行きですが、諸般の事情を考え、7月下旬に延期することにしました。
7月下旬は、インドネシア、そしてシンガポールでそれぞれ仕事を済ませた後、東京に一週間ほど滞在する予定です。

2009年5月12日火曜日

カンファレンスの打ち上げ


授業研究カンファレンスの終了後には、大学近くの寿司やさん「一統寿司」で打ち上げをすることになっています。
今回で、第8回目ですが、この打ち上げは一回も欠かさずにやってきました。
例年ですと、日本からのゲストの先生方などを交えて大人数でしますが、今年はシカゴ授業研究会のメンバーを中心10人とこぢんまりとしていました。それでも、乾杯に始まって大いに盛り上がり、最後はお寿司しめました。
今年も、無事に3日間のカンファレンスを終え、ほっとすると同時に、既にみんな、来年はああしよう、こうしようと話し合っていました。

2009年5月10日日曜日

第8回授業研究カンファレンス 第三日目



最終日はいつも土曜日となるため、参加人数が少なくなります。しかも、この土曜日に参加されるのは、特に熱心な方々が多いので、いつも研究授業後の協議会が、より授業研究会らしい充実したものになります。
朝一番に、渡辺さんが、高等学校における証明の素地となる考え方は小学校から育てるべきだ、そして証明を支えるのは「なぜだろう」知的な好奇心だ、という話しをしてくださいました。
その後、分科会発表の後、私が、3年生の子供たちを相手に、研究授業を行いました。
Sabin小学校の子供たちは、とても素直で、なかなか面白い授業が出来ました。

新型インフルエンザの影響もなく、今年も、参加者に満足していただける授業研究カンファレンスが出来ました。

2009年5月9日土曜日

第8回授業研究カンファレンス 第二日目


今年の第二日目は、高等学校で行われている授業研究に焦点を当てて行いました。
午前中は、マサチューセッツ州を中心に高等学校の授業研究をサポートしているEDCのゴルマン氏のプロジェクト、そしてシカゴ郊外のStevenson高校の副校長で、NCTMの理事をつとめ終えたばかりの、カーター氏に来ていただき、この高校で行っている授業研究を取り入れた2年間にわたる初任者研修のシステムについて話を伺いました。
午後からは、シカゴ市内のジョーンズ高校の生徒と先生に来ていただき、微分の概念を理解させることをねらった数学の研究授業が行われました。
日本では高校での研究授業は珍しいかと思いますが、アメリカでは意外に高等学校の先生方の間で授業研究が行われています。
生徒たちが微分について熱心に議論している様子は、参観者に大変いい刺激になった様です。けれども、それ以上に刺激になったのは、研究協議会でジョンズ高校の先生方をまじえて行われた熱のこもったパネルディスカッションだったようです。
アメリカの授業研究の質が、年々確実に高まっているのを実感しました。

2009年5月8日金曜日

第8回授業研究カンファレンス 第一日目



好天に恵まれ、カンファレンスの第一日目が無事に終了しました。
午前中は、授業研究とは何か、と言うことを中心に、これまで授業研究を体験したことの無い人、この授業研究カンファレンスに始めた参加する人のための時間としました。吉田さんに、授業研究の紹介をしていただき、これに私が続き、研究授業から何を学べるのか、またどのようにして授業を観たらいいのか、と言うことを話しました。
午後は、トムが、7年生(日本の中学1年生)に、平方根を導入する授業をしました。
子供たちがとても活発に議論をして、なかなかいい授業になりました。

2009年5月7日木曜日

前時の授業


カンファレンスの準備の合間を縫って、Sabin小学校の3年生の教室を借り、前時の授業をしました。
私の公開授業は、土曜日なので、学級全員がそろうことは出来ませんが、それでも何とか20人の子供たちが来てくれる予定です。
担任の先生はもちろん、校長先生の理解があってこそ出来ることです。
授業は、一から十までの数の書いてあるカードから2枚を選らび、これを使って2桁どうしの引き算を作ります。そして、いくつか引き算をしたあとに、差が18になるような引き算を作るにはどうしたらいいかという問いについて考えました。
中南米からの移民の子供たちがほとんどの学校ですが、どの子もとても素直で、熱心に授業に取り組んでくれました。
土曜日が楽しみです。

2009年5月6日水曜日

授業研究カンファレンス準備

今年で第8回目を迎える授業研究カンファレンスには、全米はもちろん、オーストラリアなどから約120名の参加申し込みがありました。
第一回目は、参加者40名弱で始めたこのカンファレンスは、日程も1日から3日間にのび、今年は、3つの公開研究授業に加えて、4つのの招待講演、10の分科会と盛りだくさんです。
今日の段階で、参加者用の資料は一応用意が終わり、名札の印刷もできました。あとは指導案の印刷を残す程度となりました。
日本のカンファレンスと異なり、アメリカでは多くの場合、朝食や昼食、軽いスナックなどが用意されます。こちらの方も、大学のケータリングに注文をすませ、あとは当日を待つばかりです。
初日に公開授業をするトムは、昨日、今日、明日と近所の中学校に事前授業に行っています。
日本から参加される予定だった先生からは、出張が中止となって参加できない旨のご連絡を頂きましたが、アメリカ各地からの参加者は予定通り飛行機に乗って参加されるようです。幸い、招待後援者および発表者も全員予定通りに参加されるようです。
ただ、カンファレンス前日の明日、シカゴ地方では雷雨の予想が出ています。あとは飛行機の便に乱れが出ないことを祈るのみです。

2009年5月5日火曜日

新型インフルエンザ その後

日本では、連休中の海外旅行の帰国ラッシュと新型インフルエンザに対する特別の検疫とが重なって大変だと聞きます。
また、街を歩くと、日本国内で発症例がないにもかかわらずマスクをしている人が多きと聞きます。
以前、このページでもふれたように、シカゴの街では、これまでマスクをしている人は一人も見かけていません。また、この週末は、ようやく春らしい(初夏らしい)気候になったせいか、街角は人であふれ、野球観戦や様々な催し物に出かける人の姿はまったく普段と変わりありません。
しかしながら、薬局のチェーンに行くと、マスクは全部売り切れ、医療関係者に聞くと、タミフルは注文しても手に入らない情況だと聞きました。日本の様に、国民をあげて警戒するような姿は見られませんが、準備している人はしっかかり準備している、ということなのでしょうか。
幸いなことに、木曜日から行われるカンファレンスの参加者からキャンセルの申し出はほとんどありませんし、研究授業の参加する子供たちも全く予定通りということです。
今週もまた、忙しくなります。

2009年5月1日金曜日

NCTM 2010 発表申し込み

今日が締め切りです。
いつもぎりぎりになってしまいますが、今朝、一番で、申し込みを済ませました。
アメリカの研究会等の発表申し込みは、いま全てオンラインです。参加費用の払い込み等も全てクレジットカードを使ってオンラインで済ませます。このあたり、日本の学会は、まだまだ保守的なようです。もっとも、世界中から発表の申し込みがあったり、また参加者申し込みがあったりする学会では、郵便振替というわけにはいかないとおもいますが

今年は、授業研究について発表したので、来年は、日本の算数教科書からいくつかの単元導入問題を取り上げ、問題解決型の授業を通して、問題場面と関連づけて概念を獲得するための工夫について話しをしようと思っています。

日本の授業研究のよさ、再発見

文部科学省が編集している初等教育資料5月号に書かせていただいた表記の拙稿が出来上がってきました。
アメリカからみた日本の授業研究の魅力と底力が、日本の先生方に伝われば幸いです。
先生方の忌憚のないご意見をお待ちしております。

2009年4月30日木曜日

Swine flu(豚インフルエンザ)

WHOの警戒水準が「5」に引き上げられたようです。
NHKのニュースを見ると、ほとんどの時間をこのニュースに費やし、水際でビールスの日本上陸を食い止める、と躍起になってるように見えます。
しかし、シカゴの街はいたって冷静、というか、ニュースで多少取り上げるものの、特にこれといった警戒もされていないようです。
今朝の臨時ニュースでも、市内の小学校が一校休校になり、新型インフルエンザかどうか検査結果をまっているとことだそうです。
西ナイル熱の時もそうでしたが、日本で騒ぐほど、こちらでは話題になっていません。高校生が通りで射殺されたりするのが日常茶飯事なので、無関心になっているのでしょうか。
AP*MSECでは、もし、新型インフルエンザで何らかの警戒が出されたときに、来週木曜日から予定されている授業研究カンファレンスをどうするか、今週中に対応を考えておかなければなりません。

2009年4月29日水曜日

来年のNCTM

2010 Annual Meeting San Diego, CA, April 21-24, 2010
毎年、次の年のNCTMの発表申し込みの締め切りは5月1日です。つまり、一年近く先の発表内容を考えなければならないと言うことです。
特に、今年は年会が4月の下旬と遅かったので、来年の発表申し込み締め切りまで、1週間ありません。これまで2000年のシカゴ大会から毎年発表しているので、来年もぜひ何か発表しなければと思っています。
来年の年会のテーマは、Connections: Linking Concepts and Context、このテーマに関わった内容で発表を考えたいと思っています。

2009年4月28日火曜日

NCTM閉会式でのダンカン氏の講演

NCTMのホームページから、ダンカン氏の講演をウェブキャストで見ることが出来ます。
以下の頁の Webcast から Closing Sessionをクリックすると、Windows Media Player のページが開いて、約30分間の話を聞くことが出来ます。
NCTM年会のページ
聞くところによると、土曜日の朝、彼はスタッフの書いた原稿は読まずに、自分で考えた話しをメモ無しで読むことに決めたそうです。
なかなか熱のこもった話しです。

2009年4月27日月曜日

がっかり、アメリカ版シンガポール教科書


数学教育の国際調査(TIMSS)で常に世界一のシンガポールの算数・数学教育が、ここ数年アメリカをはじめ世界から注目されています。
なかでもシンガポールの算数教科書は、アメリカの多くの学校区で使われ、ここ数年、じわじわと人気を高めてきました。
この流れの中で、アメリカの大手教科書出版社が、シンガポールの教科書出版社と手を組んで、アメリカ版のシンガポール算数教科書を販売開始しました。今回の展示会では、このシンガポール教科書が、アメリカ大手出版社のブースで発表されました。

この教科書を早速手にとってみたところ、そのあまりの変容に、正直がっかり愕然としました。
日本の教科書ほどではないにしろ、薄くコンパクトでありながら、しっかりとしたできだったシンガポールの教科書が、見るも無惨に、分厚い、無用な内容の多い、アメリカの教科書に姿を変えてしまっていました。これでは、シンガポールの教科書とは名ばかりで、単にアメリカの巨大教科書会社が、シンガポールの教科書というブランドを買い取ったのと大して変わりない結果になったようです。
ブースのセールスは、「外見はアメリカの教科書だが、中身はシンガポールの教科書をさらに先生方に使いやすく丁寧にしたものだ」と説明していましたが、教材の配列や単元構成、概念の導入の仕方など、ざっと見ただけでもお粗末さが目立つ内容でした。

アメリカでは、日本の教科書も注目されていますが、このような無惨なことにならないようにと、改めて思い知らされました。

2009年4月26日日曜日

NCTM閉会講演;連邦教育庁長官の講演

臨時で招かれダンカン氏の講演は、予定された閉会講演を延長し、その前半30分を使って行われました。
歴史的な経済危機に直面し、史上最大規模で行われる経済対策として、教育にも多額の予算が費やされることを強調した上で、この危機を最大のチャンスとして教育改革を行わなければ、将来二度とこのような好機は訪れないだとろうと明言しました。
そして、児童生徒は勿論、親も、そして教師も、これまで自分の与えられた範囲で行ってきた努力を、さらに広げ、カンファタブル・ゾーンから1歩でも2歩でも踏み出さなければ教育の改革は出来ないというメッセージに、会場は総立ちになって拍手を送りました。

この事実、日本の状況に置き換えて考えると、文部科学大臣が、日本数学教育学会の全国大会の閉会式に来て、熱のこもった演説を行い、今後、教育改革に膨大な国家予算を注ぎ込み、全力をあげて改革の先頭に立つと宣言し、それにたいして会場を埋め尽くした数学教育者が総立ちになって拍手した、ということになります。
このようなことが、日本で起こりうるでしょうか?

アメリカは、オバマ新政権のもと、本気で教育改革に取り組み始めていると言えるでしょう。
本気になったアメリカ、さあ、どこまで変わるでしょうか・・・・

今年のNCTM



聞くところによると、今回のNCTMの参加者は、約1万人強、前回ワシントンDCで行われた1998年の年会にくらべて約1万人近く少ない参加という話を聞きました。
確かに教材展示会の規模は小さいし、例年に比べて出展している企業の数もずいぶん少なめでした。昨年まで広い面積をとって大々的に行っていた会社なども、ずいぶん小規模でこじんまりとした展示になっていました。
先生方の話を聞いても、学校区からの予算カットで、最初5人来るはずだったのが、2人だけになってしまった、などという話をあちこちで聞きました。
来年は、サンディエゴで行われますが、それまでに景気が少しでもうわむきになっているといいのですが・・・

2009年4月25日土曜日

統一カリキュラムへの動き

未だに賛否両論の分かれている統一カリキュラムですが、昨日のブログにも書いたように、どうやらアメリカの数学教育は、このような方向で動き出しているようです。
歴史的に、教育は地方のものであり、国家が口出しすることがタブー、といったアメリカでも、問題視しされながらなかなか向上しない数学教育の質を高めるには、統一カリキュラムが必要だという考えが主流を占めるようになってきました。
特に、オバマ大統領になってその動きは加速し、どうやら今年の末には数学の統一カリキュラムが実現するかもしれないという話も聞かれます。ただし、連邦政府が統一カリキュラムを制定するには抵抗が大きすぎると言うことで、第三者機関がカリキュラムを提案し、各州がそれを自主的に採択するという方向になるようです。
しかし、アメリカの大部分は保守的な人々が多数を占めているので、この道のりはまだまだ厳しいかもしれません。しかし実現すれば歴史的な変革です。
本来、この統一カリキュラムが、NCTMのスタンダードの延長上に制定されればいいのですが、いまのところ、どうやらその様な動きはないようです。
今後のアメリカの教育改革の動きからは目を離せません。

シカゴ授業研究グループの発表


グループのメンバー3人による発表が行われました。
授業研究を通して、小数の指導法について考えた経験を整理して発表したものです。2年間にわたって3回の公開授業研究を行い、吟味した指導案は、最終的に日本の算数教科書の内容をもとに、アメリカの実態に合うようにアレンジしたものでした。
アメリカで革新的な教科書として知られている2つの教科書は、どちらも、お金を題材に小数を導入しています。しかし、このグループは、お金で小数を導入する問題点をあげて、グーグルマップで示された道順を導入場面で示し、距離を測定する場面で小数を導入しようと考えました。
3人とも全米規模の学会で発表するのは初めてでしたが、多くの参会者に満足してもらえる発表になったようです。
来年のサンディエゴ大会の発表申し込みは、一週間後に迫っています。シカゴにどもったら、早々に彼らと相談して来年の発表申し込みをしなければなりません。

2009年4月24日金曜日

連邦教育省長官との会談

今日、午前中一回、午後にもう一回、長官のオフィスを訪問し、話をさせていただきました。
午前中は、午前9時から1時間、長官であるダンカン氏と、彼の2人の側近と、数学の統一カリキュラムへの動向と、その後について、わたしとトムの構想について話をする機会を頂きました。
忙しい時間を割いて、熱心に話を聞いていただいた上に、アメリカにおける授業研究の重要性、ならびに英語訳の日本語の教科書にも深い興味を示していただきました。
今後、話がどのように進んでいくか、楽しみです。

また、午後は、NCTMの現会長、次期会長らとともにアメリカの数学教育のリーダーとともに数学教育の課題と、5年後、そして10年から20年後のビジョンについて、それぞれの意見を聞いていただきました。
45分という短い時間でしたが、充実した会談でした。

NCTM(全米数学教師協議会)の年会



NCTMの年回は、例年、一万人前後の参加者を集めて行われます。参会者は全米は勿論、世界の各地から訪れます。
今年は、合衆国の政治の中心、ワシントンDCで行われました。
おもえば、前回ワシントンDCで行われたのは、1998年、私がアメリカに来た年の春でした。
今年は、歴史的な新政権が誕生した年でもあるので、NCTMの年回に参加する人は多いだろうと予想していましたが、やはり景気後退の影響が激しいせいか、会場の人影も、おもったよりはまばらでした。
それでも、巨大なコンベンションセンターで行われる世界で一番大きい数学教育の学会は、活気にあふれています。
この年会の目玉の一つに、大規模な、教材教具の展示会があります。この展示会には、教科書会社を始めとして電卓などの教材教具の会社が大々的に展示を行います。例年は、巨大資本の大規模なブースに圧倒されますが、今年は、こころなしかどのブースも規模を縮小したようです。

2009年4月23日木曜日

オヘア空港へ


前回、出かけたのは、3月14日のアルバカーキ行きでしたから、約5週間ぶりに飛行機に乗ります。
こんなに長い間シカゴから出かけなかったのは、ここ数年の間で珍しいことです。もっとも、4月の上旬に出かけるはずだった予定を一つキャンセルしたこともありますが・・・
朝のラッシュアワーにオヘア空港に行くときは、タクシーよりも地下鉄を使った方が便利です。写真でもわかるように、朝夕のラッシュアワーは、片側6車線のインターステートがぎっしりと詰まる渋滞です。それも上下線ともに混雑します。
オリンピック招致で東京の渋滞が懸念されていると聞きましたが、それはシカゴも同じです。
ただし、公共交通機関の混雑は、それほどでもありません。

シカゴを朝10に出て、ワシントンDCには、昼に着きました。1時間の時差をくわえても2時間、正味1時間少々の飛行時間です。
今日の夕方から土曜日まで、3日間のNCTM(全米数学教師協議会)の年会が始まりました。

2009年4月22日水曜日

連邦教育省長官への提言

明後日、木曜日は忙しい一日になります。
先日このページで取り上げた教育省長官への提言を行う会談、および私自身のNCTMでの発表の他に、もうひとつ、連邦教育省長官との会談が入ってからです。
この会談は、やはり、AP*MSECのトムが中心になって行うものですが、もう一つの少人数の会談とは異なり、アメリカの数学教育を代表する研究者10人を招いて、教育省長官と今後のアメリカの数学教育のあり方について45分間でおこなうものです。参会者には、現在、次期、そして過去のNCTM会長に加え、デボラ・ボールなどの世界的にも著名な研究者が加わります。
今日は、トムと一緒にどのようにこの45分の会談を進めるか詰めました。
オバマ新政権の元、長官の心は、アメリカで初めての数学のナショナル・カリキュラム(国家統一カリキュラム)制定に動いている様です。今回の会談でも当然このことが話題の中心になります。そして、全国レベルでのテストがどうあるべきか、さらに、今後20年の数学教育のあり方は・・・
45分という限られた時間をどう使うかが鍵です。

2009年4月21日火曜日

風邪の流行

シカゴの春は、東京のポカポカとした春とちがって、寒暖の差が激しい体調を崩しやすい季節です。
先週の金曜日は、初夏を思わせる汗ばむような天気で、町はタンクトップと半ズボンであふれていました。
しかし、日曜日から降り出した雨は、時に、ひょうを伴って激しく降り、明朝の天気は雪という予報です。これに時折、竜巻が加わるのでたまったものではありません。アメリカ中西部の春は、いってみれば、夏と冬が交互に訪れる季節といったものでしょうか。
そんなわけで、風邪をひいたり、体調を崩したりする人が多い季節でもあります。これに花粉症も加わるので大変です。今日は、AP*MSECの事務責任者、デゼレーが体調を崩してしまい、恒例のスタッフミーティングは、男3人でしました。
水曜日からワシントンDCに出かけるので、トムと私はその前に風邪を引いている暇もなく、準備に明け暮れています。

2009年4月19日日曜日

エリクソン・国際シンポジウム 第二日目


朝一番で、ダウンタウンにあるエリクソン・インスティチュートに行きました。
土曜日で道がすいていることもあり、今日は、自宅近くからバスに乗っていきました。
朝一番で、オーストラリアの研究者の話を聞きました。
最近の、算数・数学教育の動向として強く感じるのは、英語圏の(アメリカ、イギリス、オーストラリア)研究が以前よりも似通った傾向にある一方、アジアの国々(中国、日本、シンガポール)でこれまで行われてきた教育との根本的な考え方の違いが次第に明らかになりつつあるということです。中でも、シンガポールでは英語で算数・数学を教えていることもあり、その資料がそのまま英語圏の研究者の目に触れられ、注目が集まっています。
今後、世界の算数・数学教育の国際間での議論がますます盛んになることとおもいます。

2009年4月18日土曜日

エリクソン・国際シンポジウム


シカゴ市内にある、エリクソン・インスティチュートは、幼児教育に特化した大学院大学です。学生の数は約300名ほどですが、幼児教育のリーダーを育成するための修士課程、博士課程をもっています。また、現職教員を対象とした研修会も多く主催しているそうです。
この、教育機関が昨年8月にオープンした新校舎で、幼児教育における数学指導に関する国際シンポジウムを開きました。
中国、日本、オーストラリア、そしてシンガポールから幼児教育、数学教育の専門化を招き、今後の幼児期における数学教育のあり方を様々な視点で議論しました。
アメリカでは、オバマ新政権が、幼児教育の重視を制作の一つに掲げていることもあり、ますます注目が集まっています。
シンポジウムは、明日、土曜日も続けられます。

2009年4月17日金曜日

年度末評価

教授職の評価は、毎年1月から12月までの活動について1月中旬までにまとめることを、1月のこのブログで触れました。
スタッフ(教職以外の事務職、専門職、管理職)の評価は、今月おこなわれます。私の場合は、AP*MSECの2人のスタッフの評価を行います。
手順は、まずJob Descriptionに基づいて、本人が自己評価をします、これと同時に、私が、Job Descriptionに基づいた評価をします。双方を持ち寄って面談をし、お互いの意見を交換しながら、次年度に向けた課題を定め、これらを全て一つのフォームにまとめます。私は、これをもとに、来年度のベースアップをどうするか、学部長に提案します。教授職の評価の場合と手順は多少異なりますが、基本的には同じような手続きを踏んで、次年度の給与に反映させます。場合によっては、給与が下がることもあるので、この手続きはなかなか大変です。
日本でも、年功序列の給与体系から脱する方向に動いているようですが、大学を含めた教育現場ではどのようになっているのでしょうか。
管理職の思惑一つで給与のベースアップが決まるようなことの無いようなシステムを構築するのは、けっこう大変なことです。

2009年4月15日水曜日

数と計算

毎月一度、新算数教育研究の発行する新しい算数研究の目次の英訳を頼まれています。
渡辺さん、吉田さんのお力を借りて、なるべく記事の内容が想像できるような訳を目指していますが、いつも頭を悩ませられます。
日本の算数教育の内容を英訳するときに気になることの一つに、学習指導要領の中にある「数と計算」という領域の名称があります。
この「数と計算」という領域名を、英訳すると「Numbers and Calculations」 となります。しかし、学習指導要領の領域で目指しているのは、単に数とその計算方法を身につけるだけではなく、四則演算の性質や計算結果の見積もりなどを用いて計算方法を考えるなど、もっと数学的に深い内容です。もし、この内容を表現するならば、むしろ「Numbers and Operations」とすべきだと思います。そして、学習指導要領の領域名も「数と計算」よりも「数と演算」としたほうが、その趣旨にそっているのではないかと思います。
電卓を持たずとも、携帯電話やコンピュータ等を使えばすぐに四則の計算結果が得られる時代では、計算方法そのものよりも、その仕組みや演算の性質の方に学習の重点がおかれるようになっています。このような時代の変化も考えれば、「数と計算」という領域名は、その指導内容を適切に表すとはいえなくなっているのではないでしょうか。
新しい算数研究の目次を英訳しながら、改めてこのようなことを考えています。

申請書類提出

来年度に向けての予算獲得のため、補助金の申請書を書いています。
DePaul大学は、他の大学同様、教授一人あたりにいくらといった研究費はつきません。学内の研究予算にしても学外の補助金にしても、基本的に研究計画書を書いて提出し、それが受理されると予算がもらえるという仕組みです。
明日が、地域の民間財団への研究補助金申請の締め切りで、今日は一日ばたばたとしていました。
教授が個人で書く補助金の申請書類といっても、最終的には、大学が、財団に対して申請書を提出することになるので、いろいろと煩雑な手続きをしなければなりません。
まず、大学の担当部局に、補助金の申請をしてもいいか問い合わせます。
財団の要項に従って、申請書を書きます。
学部の事務と相談をして、予算を作成します。
最終的に、書類を提出し、学部長の承認を得ます。
これを、大学に提出して、大学から、財団に正式に提出します。
以上の手続きは、基本的にすべてオンラインで行います。財団の多くが、最近はオンラインの申請書提出システムを構築しているので、すべて、オンラインで事は済みます。

昨今の厳しい財政状況から、なかなか申請しても予算が付くには至らないことがあります。
ただただ、もくもくと作文しなければ予算が付かないというのは、日本もアメリカも同じでしょうか

2009年4月14日火曜日

スタッフ・ミーティング

月曜日は、例によって、AP*MSECのスタッフ・ミーティングがあります。
今日は、5月の授業研究カンファレンスの参加申し込みの状況の報告がありました。
3日間の授業研究カンファレンスでは、毎日午後、公開授業を一つずつ行います。今年は、初日に中学校、第二日目に高等学校、そして第3日目に小学校の授業を行います。午前中は、基調講演、ならびに全米各州で授業研究に取り組んでいるグループの発表です。ことしは、10件を超える参加申し込みがあり、授業研究の裾野の広がりを感じさせてくれます。
カンファレンスの参加申し込み締め切りは、来週の水曜日、22日です。昨年よりも速いペースで参加申し込みが来ているので、場合によっては、早めに申し込みの締め切りをしなければならなくなりそうです。

スタッフミーティングでは、この他に、現在とりくんでいる、2つの補助金申請書類の作成に関して、ならびに、APEC会議の準備など報告が行われました。
来週のNCTMの発表、ならびに教育省長官との会合の準備などもいよいよ大詰めです。

2009年4月11日土曜日

グッドフライデー

今日は、グッドフライデーで、キリスト教系の学校などはお休みです。DePaul大学もカトリックの大学なので、全学休講で、校舎や事務も全て休みでした。
ただ、私は、再来週のNCTMの発表の準備等があるので、オフィスに出て仕事をしていました。すると、9時過ぎ、Tomがやってきて彼も来週提出の地域の財団に申請する補助金のプロポーザルの続きを書き始めました。
休日出勤というのは日本人独特の悪い習性かと思っていましたが、AP*MSECでは、土曜日にコロキウムを実施したり、学校が終わった後、夜にボランティアの先生方と研究会をしたりと、だんだん、日本の学校のようになってきしまったようです。
もっとも、アメリカでも大学というのは、公立学校のように時間がはっきりしているわけではなく、休みも夜もけっこう誰かしら出ているようなところがありますが・・・

2009年4月10日金曜日

NTA

今週、シカゴの公立学校は春休みです。
この春休みを利用して、もとNational Teachers Academy (NTA) にいた2人の先生に来ていただき、話を聞きました。
NTAというのは、全国の小学校のモデルとしてシカゴ市教育委員会が設立した学校で、日本でいう国立大学の附属学校のような役割を持つことを期待された学校でした。
私も、学校が設立された直後の2年目と3年目に、この学校の先生方と授業研究をしたのですが、その後、当初の目的と少々違った方向に進み、今では、学校の規模も小さくなり、National Teachers Academyというのは名前だけの普通の公立学校になってしまったようです。
設立の意図、当初の計画は大変すばらしかったのですが、その学校がどうしてうまくいかなくなったのか、今日は2人の先生方から直接話を聞くことが出来ました。
アメリカでは、いろいろといいアイディアが出され、それに予算が付けられますが、最後まできちんとした成果を残すまでには至らない事例がたくさんあります。鳴り物入りで始めたプロジェクトを途中で投げ出さざるを得ない事情が何処にあるのか、興味深いところです。

2009年4月9日木曜日

連邦教育省長官への提言 (2)

NCTMの期間中に、Tomと私で、連邦教育省長官と1時間会談ができることになりました。
今日は、午前中、その準備のための打ち合わせをしました。アメリカの教育現場を変える画期的な提案をしようと準備していますが、どうなるでしょうか。会談の時間は45分。あと2週間で提言をまとめます。
長官のオフィスで笑顔で記念写真を撮っておわりとなるか、それともここから何か新しい動きが始まるか、ふたを開けるまでわかりませんが、オバマ政権の景気対策のための膨大な予算の一部を、数学教育の向上にあれられるよう、大胆勝慎重に提言を練っていきます。

2009年4月8日水曜日

ポッドキャスティング

今日は、シカゴ授業研究グループのメンバーの一人、ヘザーがきて、ポッドキャスティングのためのナレーションを録音しました。
これまで、授業研究カンファレンスや、授業研究夏期講座のたびに、授業研究とは何か、また授業研究のための指導案作りとはどのようなことか、といった話をしていました。しかし、このような授業研究の基本について説明する話は、できればポッドキャストにして、参会者に事前にインターネットを通して聞いてきてもらった方が、カンファレンスや、講座の中身を充実させることができるのではないかと言うことになり、基本的な話をすべてポッドキャストにするプロジェクトを立ち上げました。
まず、録画しておいた昨年の夏期講座での私の話を全てビデオおこししました。そして、これをもとに、ヘザーがナレーションの原稿を書き上げ、これをもとに、パワーポイントのスライドと合わせてポッドキャストにします。こうすることによって、世界中の人が、インターネットを通して、授業研究の基本に関する情報を得ることができるようになるという目論見です。
今日は、4つのプレゼンテーションのうちの2つだけを録画しました。これを、今週中にデジタル化し、雑音等を取り除きスライドと合わせます。ヘザーが来週の火曜日に残りの2つのプレゼンテーションを録音して、のこりの作業にかかります。
なんとか、5月の授業研究カンファレンスに間に合うようにしたいと思っています。

2009年4月7日火曜日

NCTM

今年のNCTM(全米数学教師協議会)の年会は、4月22日から25日まで、首都のワシントンDCで行われます。
全米、いや世界で一番大きな数学教育のカンファレンスには、例年、数千人から多いときでは一万数千人あつまります。昨年は、ユタ州のソルトレイクシティーだったせいか、あまり参加人数は多くありませんでした。今年は、首都で行われるので、多くの人数が集まるのではないかと期待していましたが、この経済状況で少々怪しくなりました。とはいえ、NCTMが首都で行われるのは10年数年ぶり、そのうえ大統領が代わったばかりですから、重要な会議となりそうです。
4月に入り、AP*MSECでもNCTMの準備にとりかかっています。
今年は、Tomを代表としてシカゴ授業研究グループの先生方が金曜日に発表します。私は、木曜日の昼過ぎから、シカゴの授業研究の様子について発表します。昨年、一昨年と日本の算数指導についての発表を行ってきたので、授業研究に焦点を当てるのは久しぶりです。これまでとりためてあったビデオを編集しながら、発表の準備に取りかかっています。

2009年4月4日土曜日

カンファレンスの主催


今日は、大学のバイリンガル教育プログラムが主催する、ラテン系アメリカ人とその教育に関するカンファレンスの主催をサポートしました。AP*MSECの活動とは直接関係はないのですが、我々のオフィスはカンファレンスを主催するためのノウハウを持っているということからサポートを頼まれていました。
直前まで参加者が集まらず、少々心配したが、直前の宣伝の効果もあってなんとか無事に開催することが出来ました。
本年度末までに、AP*MSEC主催のカンファレンスが2つあるので、スタッフのための練習にちょうど良かったのかもしれません。

2009年4月3日金曜日

APEC Wiki 授業ビデオ活用ガイド

昨年からの懸案だったビデオ活用ガイドの作成に取りかかりました。
アメリカ、日本、オーストラリア、シンガポールの数学教育のエキスパートの意見を集約してつくる授業ビデオ活用ガイドは、ウィキペディアでお馴染みのWikiテクノロジーを駆使して、インターネット上の文書として作成します。現在、APEC Knowledge Bankのサイトにあるビデオや様々な資料とリンクしながら、APEC各国の教育関係者が使いやすいようなガイドを目指します。
完成まで、2ヶ月というスピードスケジュールですが、各国の研究者と、インターネット上のツールを活用しながら、ガイドを仕上げます。

2009年4月2日木曜日

ポスター発送の準備

今日は、朝から、ミーティング、そしてカンファレンス・コールとあわただしい一日でした。
6月のAPEC 人材開発ワーキンググループ会議の関する予算書の提出、それにともなう打ち合わせ、来年度の予算獲得のための申請書作成の打ち合わせなどなど・・・
その合間を縫って、先日作成した、授業研究カンファレンス、夏期講座等のポスターを袋詰めにして、シカゴのすべての公立学校に送る準備をすませました。シカゴ市の公立学校といっても、全米で3番目に大きい学校区なので、学校の総数は小学校から高等学校まで合わせて600校あまりあります。配送は、市の教育委員会の好意で、すべて無料で配布していただきますが、準備だけでも結構大変です。

2009年4月1日水曜日

研究授業 小数の導入


今日は、Sebin小学校の3年生の教室で、Tomが研究授業を行いました。
昨年、5月の授業研究カンファレンスの時に、シカゴ授業研究グループの先生方が行った小数の導入の指導案をもとに、TomとLoriが手を入れてつくった授業です。
日本の教科書を参考にして、量と測定の題材をもとに小数を導入しようという計画です。
アメリカでは、一般に、ドルとセント、というお金を使って小数を導入しますが、彼らの指導案では、お金で小数を導入することの短所を挙げた上で、小数で表された距離の意味を考える活動を通して小数の意味を理解させようというねらいでした。
まだまだ課題の多い授業ですが、指導案の書き方は、日本の先生方と比べても引けをとらないようなしっかりとしたものになってきました。

2009年3月31日火曜日

7月 インドネシア

以前問い合わせのあったインドネシアの大学から、正式に招待状が届きました。
7月中旬、インドネシアのジョグジャカルタにある大学、Yogyakarta State University of Indonesiaで行われるカンファレンスで話しをすることになりました。
ジョグジャカルタは、インドネシアの古い都だそうで、ボロブドゥール寺院遺跡群などの世界遺産へのゲートシティーだそうです。
アメリカから飛行機で行くには、シンガポールかバンコクで乗り換えということになりそうなので、ついでにシンガポールかタイの学校に寄って、その後の研究の様子を参観させてもらうのもいいかと考えています。
何れにしろ、ここ2-3週間のうちに予定を決めなければならないと思います。

2009年3月29日日曜日

AP*MSEC コロキウム


朝一番で東京から来られた先生方をオヘア空港までお送りし、AP*MSEC に戻ってきました。
朝8時半に着いたときには、9時からのコロキウムに来られた先生方が既に何人もおり、AP*MSEC のカンファレンスルームは賑わっていました。トムとスティーブが既に準備を済ませていてくれました。
今日は、数学科の教授のスザンナ・イップ氏が、国際数学教育ビデオ比較(TIMSS 1999ビデオ・スタディー)の香港のビデオを題材に、その背景にある数学や指導法の工夫について話しをしてくれました。
コロキウムも3回目となり、次第に多くの先生方が来てくれるようになりました。
次回も、他の国の算数・数学の授業ビデオを観て意見交換を続けようということになりました。

2009年3月28日土曜日

アメリカの教育事情視察 (4)


これまで、シカゴ市の公立学校を視察してきましたが、今日は、2つの私立学校の幼稚園を訪問しました。
最初は、フランシス・パーカーです。ここは、ジョン・デューイの理念に基づく進歩主義教育の伝統を守る学校で、シカゴではトップクラスの学校です。そして、二番目に訪れたのはアンコーナです。ここは、幼稚園はモンテッソリー、そして小学校はモンテッソリーを土台に新しい教育をとりいれたユニークな教育課程の小規模学校です。
どちらも、本来の幼稚園教育の趣旨を守り、進歩主義教育の伝統を継承してている数少ない学校です。
今回の視察で訪れた4校の幼稚園の実態から、アメリカの教育現場が直面している問題が浮き彫りになった3日間でした。

2009年3月27日金曜日

アメリカの教育事情視察 (3)


今日は、セイビン・マグネットスクールで幼稚園の3クラスを参観しました。
昨日のウィリアムスは、アフリカ系の子供たちが中心でしたが、今日の学校は、スペイン語系の移民の子供たちが多く通う学校です。この学校も、家庭的に恵まれない子供たちが多く、ホームレスの子どもを含め、何らかの生活保護を受けている子供たちが90%以上を占めます。
昨日、今日の参観を通して話題になったのは、時代と共に変わってきた子どもを取り巻く社会環境、家庭の教育力の低下といった問題への対応から、小学校1年生までに、社会的、家庭的にハンディをせおった子供たちのハンディを取り除くという役割と、知的好奇心、社会性の育成といった幼稚園本来の持つ役割とのどちらをより重要視するか、といったことでした。
簡単には答えのでない問題ですが、今後、日本を巻き込むであろうより激しい社会の変化を予想させるようなアメリカの実態に、日本の今後の課題をみた思いがしました。(セイビン小学校の校長先生、幼稚園の先生方と)

2009年3月26日木曜日

アメリカの教育事情視察 (2)


シカゴ公立学校の一つ、ウィリアムズ・マルチプレックス小学校に行きました。
この学校は、6年前、市によって学校がいったん閉鎖され、貧しい地域の子供たちの学力向上を目指して、新しいスタッフによって再開された学校です。この幼稚園では、貧困に関わる様々な問題を克復し、子供たちにきちんと学校に通学できる環境をサポートすることを中心に、3歳児からのプリスクールプログラムが設定されています。また、親の手がかかっていない子供たちに、社会生活に必要な技能を身につけさせることから、教科を学ぶための基礎的な生活習慣や仲間とのかかわりを身につけることまで、様々な支援を行っています。

2009年3月25日水曜日

アメリカの教育事情視察 (1)


東京から3人の先生方が、シカゴに視察に見えました。
アメリカ教育事情、とくに入門期の教育現場に興味を持たれているようです。昨日の成田の事故のせいもあって1時間ほど到着が遅れましたが、無事にオヘア空港に到着されました。
シカゴのダウンタウンをまわって、ホテルにチェックイン。
シカゴは既に夏時間なので東京との時差は14時間あります。明日からの学校訪問等に備えて、今日は体調を整え、時差に慣れていただくようお願いしました。

2009年3月24日火曜日

スタッフ・ミーティング

今週、 大学は冬学期と春学期の間で一週間の春休みです。おかげでキャンパスは静まりかえっていていいのですが、どうも建物の暖房のききが悪くやっかいです。
6月のAPEC人材開発ワーキンググループ開催に関して、シカゴ市長に依頼していた声明書が届きました。
この声明書を添えて、今度は連邦教育局長官へ、大学の学長名で招待状を出す準備をしています。
月曜恒例のスタッフ・ミーティングでは、このような政治的な手続きをどのように進めていくか、また、どのような経路で事を進めていくのが効率的かといった確認をしました。
さらに、4月の下旬にワシントンDCで行われるNCTM(全米数学教師協議会)の年会のおりに、連邦教育局を訪れ長官と面会する約束がとれました。スタッフ・ミーティングでは、AP*MSECとしてどのような提案をするか、これまでの話を整理してまとめる段取りを決めました。

2009年3月21日土曜日

AP•MSECのロゴ


懸案だったロゴが決まりました。
スタッフの意見がなかなかまとまりませんでしたが、最終的にこのロゴに決まりました。
センターの3つの目標及び国際的な役割を表すのにいろいろと意見交換をしました。
また、APMSECが、正式にAPECの大学センターの一つと認定されたので、APECのロゴと並べて使った場合にもお互いのロゴがはえるような色合いに工夫しました。

学部長決定

先日のキャンパス・インタビューの結果をもとに、大学が候補者を一人に絞り、オファーをだしました。
その結果、候補者が正式に大学のオファーを受け、学部長が決定しました。
副学長が正式に発表したメールによると、新しい学部長は、7月1日に就任します。
一般には、大学からのオファーをもとに、給与、待遇等の交渉が行われ、正式な契約が結ばれます。DePaulの教育学部の場合、学部長の任期は5年間で、この後、5年間の業績を見てその先の契約が結ばれる様です。
ともかく、長かった選考委員の仕事も無事成功裏に終わりました。

2009年3月20日金曜日

研究授業


シカゴ公立学校の一つ、セイビン・マグネット・スクールで、研究授業がありました。
3年生を対象にした分数の概念形成を目標にした授業です。先日、私がオークランドで行った授業の指導案を参考に、長さを測定する場面を通して分数の概念形成をしようという授業でした。
今年、一年目の男の先生が、時折、スペイン語を交えながらのバイリンガルで授業を行いました。
課題の多い授業でしたが、協議会には校長先生も自ら参加し、なかなか充実した意見交換が出来ました。
今年の、5月の授業研究カンファレンスでは、今日の公開学級の子供たちを借りて、私も公開授業をしようと思っています。
(写真は、学校の図書室を使って行われた協議会の様子です)

2009年3月19日木曜日

シアーズタワー

シカゴにある北米で一番高いビルディングが、呼び名を変更することになりました。
長年、シアーズ・タワーとして親しまれてきた高層ビルが、今度からウィリス・タワーと名前を変えることになったそうです
日本でも、最近、建物や施設の名前を売るということがおこなわれるようになってきたそうですが、今回の名称変更は、特にビルの名前を売り買いしたと言うことはないということです。
そうなると、どこまで、新しい名前が浸透するか・・・・
相変わらず、一般の人は、シアーズ・タワーの名で、呼び続けれるかもしれません。

このニュースが発表された当日、シアーズ・タワーには、たまたま日本人の子供たちが見学に訪れていたようで、ニュースに、子供たちが紹介されていました。

2009年3月18日水曜日

Education Dinner

久しぶりにTomの家に集まりました。
今夜の話題の中心は、学校にふりかかる金融危機の影響についてでした。
シカゴの公立学校では、すでに今年度分として割り当てられていた市からの予算と州からの予算の一部を返還するような動きが始まっていると言うことでした。
いつも不思議に思うのは、どうしてこうもすぐに学校に影響が来るかと言うことです。予算カットは次年度からではなく、年度の途中からもやってきます。
ある高校では、来年度、入学する生徒の数は増えるのに、先生の数を8人減らさなければならないという決定が伝えられ、来年度に向けて実際にどうするかいろいろと検討が始まっていると言うことでした。
オバマ大統領の下、連邦教育省長官のアニー・ダンカンが、景気対策のための予算をどのように使うかに注目が集まっています。

2009年3月17日火曜日

学部長選考 最後の会議

先週までの面接の感想を、教授、スタッフ、学生にアンケートしました。この結果を基に、今日、委員会は最終の報告書をまとめました。
選考委員会の役目は、それぞれの声と、委員会独自の調査の結果を中立な立場でまとめ、学長 (president)、および学務担当副学長 (provost) に報告するところまでです。
昨年秋から始まった選考委員の仕事は今日でお役ご免です。この結果、一人の候補者に大学からオファーが出され、それを候補者が受理すれば、正式に採用が決定します。ただ、この過程で、待遇などがあわずに候補が受け入れなければ、来年度までは学部長なし、そして、もう一度一から学部長選考がやり直されることになります。

2009年3月16日月曜日

早春のシカゴ



朝、まだ暗いうちにアルバカーキ空港を発ち、シカゴには昼前に着きました。
午後から、久しぶりに湖畔に走りに行きました。
まだ、ベルモント・バーバーには氷が残っていましたが、ぽかぽかと柔らかい日差しがさす日曜日の午後は、春を待ちわびている人には絶好の散歩日和だったようです。
湖畔は、半袖短パンでジョギングをする人から、厚いコートを着てゆっくりと散歩する人までさまざまでした。
2月の上旬からミネソタ、カタール、オークランド、アルバカーキと続いたハードスケジュールが一段落つきました。
このあと、4月の下旬に,ワシントンDCであるNCTMまでは、シカゴに腰を落ち着けて、たまった仕事と、運動不足を解消します。

2009年3月15日日曜日

テント ロック キャニオン(Tent Rock Canyon)




ワークショップを終えた後、アルバカーキから車で一時間弱のところにあるテント・ロック・キャニオンに出かけました。
サンタフェにむかう幹線道路を北に向かって進み、途中から東にそれると、見渡す限りの原野をひたすらまっすぐに走ります。
そして、ネイティブ・アメリカンの居留区をぬけて、テント・ロック・キャニオンに着きます。
ここには、その名の通り、まるで、ネイティブアメリカンのティーピー(テント)のような岩が現れます。
今回のワークショップの主催者のご主人、デイビットの案内で、キャニオン・トレールにはいると、人一人がやっと通れるほどの渓谷で、雨が降るとここが川になるというのは信じられないようなところでした。
ほんの2時間ほどのハイキングでしたが、アメリカ南西部の広大な自然の一端に触れることが出来たような気がしました。

分数ワークショップ


アルバカーキ公立学校の中学校、高等学校の先生を対象に、日本の小学校の教科書で使われている比例数直線図の活用に焦点を当てながら、分数指導について話しをしました。
土曜日の朝、8時半から午後1時すぎまで、休憩をみながら、比例数直線図、そして、それをもちいた分数の演算指導についての話しをしました。
日本の比例数直線は、アメリカではほとんど知られていませんが、みなさん興味を持って聞いてくれました。
特に、比例関係を前提とした場面からかけ算、割り算の演算決定をしたりするときにも、また、割合や比について考えるときにも、比例数直線は考えるための道具として、またコミュニケーションの手段としても役立つことを強調しました。
渡辺さん、吉田さんと書いた、比例数直線に関する小論が、NCTMのYearbookに載ることになったので、今後、日本の比例数直線に関する関心が益々高まるのではないかと期待しています。

2009年3月14日土曜日

第4回アルバカーキ公開授業研究会


毎年、この時期に行われているアルバカーキ公開授業研究会は、今年で第4回目を迎えました。
第1回目と第2回目は、私が、地元の中学生を相手に、公開授業をしましたが、昨年からは、こちらの公立学校の先生方が、自分たちで指導案を書き、指導案作成グループの一人が、公開授業を行っています。
今回は、市内のサウス・バレー地区にある中学校の体育館を会場に、数十人の先生方が見守る中、公開授業と研究協議会が行われました。
第一回目の時は、会場をどのように設定するか、といったところから手取り足取りで説明し、ようやくこぎ着けた公開授業でしたが、4年間の経験から、今回は、私たちが何も手伝う必要もなく、ただ会場に行くだけでいい、というところまでになっていました。
授業後の協議会は、渡辺さんの司会で行われ、私は、講師講評を引き受けました。
授業研究が、アメリカのあちこちに定着しつつあることを実感した一日でした。

2009年3月13日金曜日

冬に逆戻り

昨日、今日と気温は真冬に逆戻りしました。一昨日の生暖かい雨の後、昨日の朝から空は青く晴れ上がり、気温はずっと氷点下、今日は日中の最高気温さえ摂氏氷点下-4℃でした。
特に、今日は、青空にもかかわらず湖からの冷たい風が、細かい粉雪を運んでくるシカゴ独特の天気でした。
それでも、夏時間になったため、夕方5時を過ぎても日は沈まないので、気分的には春が近づいてきていることを感じます。
アメリカ中西部の春は、日本と違って、冬と初夏が交互にやってくる変わりやすい気候です。
今夜は、夜7時過ぎの飛行機で、ニューメキシコ州のアルバカーキに向かいます。

2009年3月11日水曜日

学部長選考最終面接

前回の面接の結果、4人にまで絞られた候補者が、先週から今週にかけてキャンパスで面接を行っています。
一人、一日半、学長他。教授はもちろん、他学部の学部長、事務職や学生などとも面接をします。朝食から夕食まで、気軽な立食のレセプションから、正式な面接までビッシリの日程です。
それぞれの教授やスタッフの意見は、インターネット上のアンケートサイトを通して集約され、これをもとに選考委員会は、学長に推薦します。
最終的には、学長が4人の候補から一人を選んで、オファーを出すことになります。
選考委員の仕事からは、あともうすこしで解放されます。

2009年3月10日火曜日

次の研究計画書

アメリカの大学では、大学が教授全員に平等な形で研究費を割り当てることはありません。
したがって、各自が自分のテーマに基づいて研究計画書を書き、それを財団や州、さらには全国規模の機関、たとえば全米科学財団(NSF)や連邦教育局に提出し、審査が通れば予算がもらえる、というシステムを経なければなりません。
AP*MSECでも、研究や、研修を行うための予算獲得が、その仕事の大きな割合を占めています。
今日は、NSFに出す、研究のデザインを決めるミーティングと、ここ3年間補助金を頂いている地域の財団に対する来年度分の予算申請のためのアイディアを練るミーティングがありました。
どちらも、今後の研究室の行方をきめるものなので、真剣な議論がなされました。
日本でも、最近は、外部の補助金を獲得するのが、大学の大きな仕事の一つになっていると聞きます。ただ、日本にはアメリカのような民間の財団が多くはないそうなので、単に競争原理を取り入れただけでは、基礎的な研究にまでなかなか手が回らないと言ったことにならないか心配です。

2009年3月9日月曜日

夏時間の始まり

今日から夏時間が始まりました。昨日、土曜日の深夜、時計を一時間早め、昨日の朝7時が、今日からは朝8時となります。
冬の長いシカゴでも、夏時間が始まると、いよいよ春の訪れを感じます。
案の定、今日は朝から、時折、雷をともなった激しい雨が降り続きました。シカゴのあるアメリカ中西部では、春は竜巻のシーズンです。ひと雨毎に暖かくなるのは、東京と同じですが。あまり激しい雨が訪れるのは困りものです。
枯れた木々の枝に、緑がみられるようになるのももうすぐです。

2009年3月8日日曜日

バークレーボーイズ


昨晩は、4日間連続の授業の後、打ち上げをしました。
以前、我々が日本の授業研究を体験する研修旅行を企画したときに参加した、バークレーにある中学校の3人先生方(バークレーボーイズ)と、一緒にオークランド市内で乾杯をしました。
学校のスケジュールで、4日間の授業研究に通しで参加できたのは1人、一日だけ参加できたのがもう1人でした。けれども、最終日の夜には、3人ろってかけつけてくれ、日本に行ったときの写真をみながら、盛り上がりました。
アメリカのいろいろなところに、授業研究を通して知り合った先生方が居ると言うことのありがたさを、改めて実感した夜でした。

2009年3月7日土曜日

第4日目


いままでの学習を整理し、単位分数を基にいろいろな分数を作ろうという活動でした。
まず最初に、黒板を利用してこれまでの3日間に学習したことを復習し、習った分数について整理しました。
その後に、1/3メートル、1/2メートル、1/5メートル、そして1/4メートルといった既習の単位分数を基に、自分たちのグループで、好きな分数を作り、他のグループがそれを当てるという流れでした。
1/5をもとに3/5を作ったグループが最初に発表しました。また、1/4をもとに1/32をつくったグループもあり、なかなか面白かったのですが、残念ながら時間切れでした。
授業の準備をし、研究授業、協議会を行い、それをもとに翌日の準備をするというスケジュールを4日続けるのはなかなか大変でしたが、子供たちの様子をもとに、グループで話し合い、指導を修正していくというのはなかなか得られない機会なので、とても勉強になった4日間でした。

2009年3月5日木曜日

第3日目


今日は、前日作った単位分数をもとに、他の分数を調べるという活動でした。
子供たちの中には、2/5を、1/5の2つ分と見る子供のほかに、2つ半合わせると1になる、という見方もする子供も出てきてなかなかおもしろい話し合いになりました。
ただし、3年生、4年生、5年生合同のクラスということで、子供たちの理解の度合いに差があり、授業後のノートを見ると、なかなか全員が理解したと言える状態ではありませんでした。
そこで、協議会の後、チームの先生方と相談し、最終日の授業の内容を大幅に変更し、子供たちの理解を定着させるようにしようと考えました。

第2日目


今まで続いていた春の雨もようやく一段落し、青空に新緑がまぶしく光っていました。
今日は、いよいよ分数の概念を深める授業の第1日目です。
日本の教科書では、分数を量と測定の場面で導入するのが一般的ですが、アメリカではこのような扱いはされていません。
ピザの絵などを用いて、分割分数として導入するのが多いようです。
アメリカに来て改めて考え直すと、日本で広く行われている量と測定の場面で分数を導入することは、分数社会であるアメリカの事情にじつによくなじむばかりか、分数の理解を深める上で大変有効な展開だと再認識させられます。
今回は、特に、日本の教科書の流れをもとに、英語圏の分数表現を配慮した工夫をして授業を展開していきます。

2009年3月4日水曜日

第1日目


ミルズカレッジの実験校では、昨年から英語訳の東京書籍版算数教科書を正式に採用しました。
今回は、このような日本の教科書を使って授業をしようという先生方のための資料作りの意味合いもかねた授業研究です。
初日は、子供たちに問題解決型の授業になれてもらうこと、また、こちらも子供たちの反応を知ることをねらいに、特設の問題解決の授業をしました。
教室に、その日の日付を掲示するために、数字を書いたカードを用意するという問題場面です。以前、日本では何度か公開授業で使ったことのある題材ですが、アメリカの子供を相手に英語で授業するのは初めてです。3年生、4年生、5年生の混ざった学級という日本ではあまりみられないようなケースでしたが、どの子供たちも熱心に問題に取り組んでくれました。

2009年3月3日火曜日

研究授業の準備



オークランドは、サンフランシスコと湾を隔てた反対側にあります。
バークレーと尾根続きにある丘陵地帯に、ミルズカレッジはあります。アンセル・アダムスの写真集にも出てくるこの大学は、この地域の名門大学の一つで、うっそうとした森の中にあるキャンパスには、歴史的な建造物が多く残されています。
午前中、今回泊めていただいたキャサリンの家で簡単な打ち合わせをし、昼前に、ミルズ大学の授業研究グループの研究室に行きました。
昼食後、明日から4日間授業研究を行うミルズ大学の実験校の教室で、担任の先生と簡単な打ち合わせをしました。
そのあと、明日の授業の準備を吉田さんに手伝っていただきました。
昨日も今日も、オークランドは雨でした。サンフランシスコ湾の周辺では、この時期の雨が年間で唯一の恵みだそうです。夏に来ると茶色く乾いた丘も、この時期だけは、みずみずしい緑に覆われています。
(写真上はミルズ大学実験校、写真下はミルズ大学正門)

2009年3月2日月曜日

サンフランシスコへ

日曜日、朝起きるとシカゴは雪でした。
湖からの冷たい風が運んでくる粉雪は、シカゴの湖沿いだけに雪をもたらします。
南から来る湿った空気の運ぶ雪の場合は、比較的気温が高くなり、多くの雪を降らせますが、湖からの雪の場合は、気温があまり上がらず、細かく軽い粉雪がちらちらと舞います。
今日の気温も、摂氏-6℃と比較的低いままでしたが、軽い雪がけっこう降り続いていました。案の定、オヘア空港に着くと、見渡す限りの青空が広がっていました。青空にもかかわらず湖の方からちらちらと粉雪が舞っていたのは、シカゴならではかもしれません。天気雨ならぬ天気雪です。
サンフランシスコの空港が、午前中霧に包まれていたため、シカゴを出る飛行機は1時間以上おくれました。それでも、午後の明るいうちにサンフランシスコに到着しました。シカゴからサンフランシスコまでは約4時間半の飛行時間ですが、時差が2時間あるのでサンフランシスコに到着するのは、シカゴを出て2時間半後となります。
空港で、ニュージャージから着いた吉田さんと合流し、レンタカーでオークランドに向かいました。

2009年3月1日日曜日

AP*MSEC コロキウム


第2回目のコロキウムには、いままでのAP*MSECの常連に加えて、何人かの新顔と、懐かしい顔ぶれが参加しました。
アメリカの先生方にとって、土曜日の午前中、手弁当で研究会に参加するというのは異例のことです。
それでも、わたしたちが土曜日の午前中を選んだのは、少ない人数でも本当に興味のある人が来やすい時間に、という理由でした。
参加された先生方は、簡単な朝食をとりながら和やかにしかも熱心に、スティーブが準備した最新のTIMSSのデータに聞き入り、充実した意見交換が出来ました。
今回から、新しく会議室に入ったスマートボードもなかなか講評でした。
次回は、数学研究室の教授が、国際調査で話題になっている香港の授業ビデオをもとに、話をします。